アメリカの美術館(37件)
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ウォルターズ美術館
(The Walters Art Museum)アートコレクターのウォルターズ親子の収集品2万2,000点を基に、メリーランド州ボルチモアで設立された美術館。父ウィリアムのヨーロッパとアジアのアートに加え、息子ヘンリーはイスラム教圏、ロシア、古代中近東のアートや武具などを収集しコレクションを拡大し、公共の利益のためにボルチモア市に寄贈しました。その後、美術館は増築を重ね、コレクションも3万6,000点までに成長。アフリカ、東アジア、中東、アメリカなど世界各地の美術品が加わっています。ウォルターズ美術館は2015年までに展覧会の入場料金を廃止し、公共の利益のための文化施設としての役割を追求し続けています。600 N. Charles St., Baltimore, MD 21201 U.S. -
シアトル美術館
(Seattle Art Museum)「SAM」の略称で知られるシアトル美術館は、ワシントン州シアトルのダウンタウン中心部にある総合美術館です。アジア、アフリカ、古代アメリカ、古代地中海、イスラム、ヨーロッパ、オセアニア、近現代美術、装飾美術、デザインなどを幅広く扱い、特にネイティブアメリカンのギャラリーとオーストラリア先住民アボリジニーの芸術品コレクションは鑑賞者の人気を集めています。2007年にアメリカの建築家ブラッド・クロエフィルの設計により増築が完成し、ロバート・ヴェンチューリ設計による既存の本館と接続されたことで展示スペースを大幅に拡大。西洋絵画ではマティス、ピサロ、レンブラントなど、現代美術ではブレナ・ヤングブロッド、村上隆、アイ・ウェイウェイなどを所蔵しています。1300 1st Ave, Seattle, WA 98101 U.S. -
セントルイス美術館
(Saint Louis Art Museum)セントルイス美術館は、ミズーリ州セントルイスに建つ総合美術館。古代美術から中世ヨーロッパの絵画、印象派などの近代絵画、アメリカ絵画、ロダンなどの彫刻作品、デザイン作品、アフリカやアジア、イスラム教圏の美術など、3万4,000点以上を所蔵しています。開館は1879年。5,000年の歴史と6大陸にまたがる美術品を収集、展示することで、セントルイス美術館は芸術教育や人間の精神性の成長に寄与しています。コレクションにはレンブラント、エル・グレコ、フランソワ・ブーシェ、ミレー、セザンヌ、マックス・エルンスト、ゴッホ、ヘンリー・ムーアなどのアーティストが名を連ねます。1 Fine Arts Drive, Forest Park, St. Louis, MO 63110 U.S. -
ウォーカー・アート・センター
(Walker Art Center)ミネソタ州ミネアポリスの近現代美術館ウォーカー・アート・センターは、地元の名士トーマス・バーロウ・ウォーカーが個人コレクションの中国陶磁器や近代西洋絵画を1879年から市民に公開したことで、美術館として、広く美術や文化教育を行う場としてスタートしました。次第にピカソやジャコメッティなどの作品を収蔵するようになったことで、ウォーカー・アート・センターは現代美術に傾注していきました。アンディ・ウォーホルやオノ・ヨーコといった前衛的なアーティストにも注目し、世界のアートシーンを牽引する存在の仲間入りをしています。拡張や増築工事を進め、現在は400席弱の劇場や彫刻庭園も付帯。1990年代終わりから始まった拡張工事は、建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計で行われました。725 Vineland Place, Minneapolis, MN 55403 U.S. -
ロサンゼルス・カウンティ美術館
(Los Angeles County Museum of Art)ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)はアメリカ西海岸最大級の美術館で、13万5,000点の所蔵品を誇ります。レンブラント、セザンヌ、ゴーギャン、モネ、ルノワール、ピカソ、マティスなどの西洋絵画から、クリス・バーデンやアレキサンダー・カルダーといった現代アメリカの作品、メキシコのディエゴ・リベラの絵画、ギリシャの陶磁器、20世紀のファッション、中東の現代アートなど、美術史6,000年を横断する多彩で文化的価値の高いコレクションを有しています。1910年の同美術館の創立を主導した美術収集家のジョー・プライスにより、伊藤若冲などの日本美術もコレクションに加えられ日本館という展示室も。ロサンゼルス・カウンティ美術館には毎年150万人以上が訪れています。5905 Wilshire Boulevard, Los Angeles, CA 90036 U.S. -
ポートランド美術館
(Portland Art Museum)アメリカで7番目に古い美術館、ポートランド美術館はオレゴン州で1892年に創立。美術史をなぞるように古代〜現代までの各地の美術品を所蔵し、その数4万2,000点以上。館内の展示スペースの90%はコレクションの展示に当てられています。ポートランド美術館のコレクションを特徴付けているのは、北アメリカの先住民族アート、イギリスの銀製品、グラフィックアートなど。西洋絵画ではモネ、ゴッホ、ビアシュタット、セザンヌ、ヴァン・ダイクなどの作品が収蔵されています。ポートランド美術館を訪れる人は年間35万人にものぼり、国際的にも評価の高い美術館です。開館100周年の1992年には、元フリーメイソン寺院の建物を購入・改築し、マークビルと呼ばれる新館を設けるなど、展示スペースの拡大も図っています。1219 SW Park Avenue, Portland, OR 97205 U.S. -
デンバー美術館
(Denver Art Museum)デンバー美術館(DAM)は2018年に125周年を迎えた総合美術館です。6万点の所蔵品を持ち、建築・デザイン・グラフィック、アジア美術、近現代美術、先住民アート、新世界アート(アメリカ大陸)、絵画・彫刻、西アメリカ美術、テキスタイルアートの8部門に分類されています。ネイティブ・アメリカンのアートなどにも積極的に目を向け、アメリカ国内から世界までエリアも時代も幅広く収蔵。展示室は北館(ジオ・ポンティ設計)とフレデリック・C・ハミルトン館(ダニエル・リベスキンド設計)とに分かれ、後者はロッキー山脈やロッククリスタルをモチーフにした個性的な外観で人気です。100 W 14th Avenue Parkway, Denver, CO 80204 U.S. -
ハイ美術館
(High Museum of Art)ジョージア州アトランタのハイ美術館は、豪邸をアート展示用に寄贈したハイ氏から名付けられました。改築や新館の増設を経て、現在は19〜20世紀のアメリカ美術と装飾美術、ヨーロッパ絵画、アフリカ系アメリカ美術、近現代美術、写真、民族アート、アフリカ美術など1万5,000点以上を所蔵。代表的な所蔵アーティストとしてはエルズワース・ケリー、ロイ・リキテンスタイン、ゲルハルト・リヒター、アンディ・ウォーホルなど。コレクション展や企画展のほか、家族向けプログラムや夜間の音楽ライブイベントなども開催するなど、カルチャーハブとしても機能しています。また、ハイ美術館はアメリカ南部のアーティストの作品収集にも力を入れており、アトランタ随一の美術館として発展を続けています。1280 Peachtree Street, NE Atlanta, GA 30309 U.S. -
ヒューストン美術館
(The Museum of Fine Arts, Houston)ヒューストン美術館(MFAH)はテキサス州にある総合的なアート施設で、古代から現代までの世界文化をカバーする6万点以上のコレクションを有します。アメリカ美術、ヨーロッパ絵画、コロンビアやアフリカの金細工、装飾美術とデザイン、写真、版画、近現代絵画と彫刻、ラテンアメリカ美術などを取り扱い、屋外には建築家イサム・ノグチが設計した彫刻庭がありレイモン・デュシャン=ヴィヨンなどの彫刻作品が展示されています。中世〜現代絵画ではコローやターナー、ルノワール、ピカソ、ウォーホルなど、写真ではマン・レイやアルヴィン・ラングダン・コバーンなどを所蔵。MFAHは美術教育機関、上映施設、研究図書館、公文書館などを持ち、20世紀のラテンアメリカ美術の主要研究所であるアメリカ芸術センター(ICAA)の本拠地にもなっています。1001 Bissonnet, Houston, Texas 77005 U.S. -
キンベル美術館
(Kimbell Art Museum)1972年にテキサス州で開館したキンベル美術館は、2013年に建築家レンゾ・ピアノの設計により新館も公開されました。美術館創立のベースになった美術コレクター・キンベル氏の所蔵品である18〜19世紀ヨーロッパの肖像画を中心に、中国の明や清時代の水墨画や仏像なども合わせて歴史的価値の高い作品を展示しています。ゴーギャン、セザンヌ、ベラスケス、エル・グレコ、カイユボット、カラヴァッジオ、マティス、ピカソなど、中世〜近代までの重要アーティストの絵画が多数ラインナップ。画家にフォーカスした企画展のほか、ファッションなどをテーマにした特別展も開催するなど幅広いアート鑑賞の場として機能しています。3333 Camp Bowie Boulevard, Fort Worth, Texas 76107-2792 U.S. -
ノースカロライナ美術館
(North Carolina Museum of Art)1956年に開館したノースカロライナ美術館は、州の資金で建てられたアメリカ初の美術館です。遺贈された絵画などに始まり、彫刻、近現代アート作品、アフリカ美術、古代美術品まで幅広く所蔵。西洋絵画はルーベンス、ミレー、ブグロー、ピサロなどで、常設展は無料で鑑賞できます。17〜20世紀の作品が中心。2000年に新たに開館した西館では、個性的な屋根のラインや自然光を取り入れるガラス外壁、屋外の彫刻庭園などアート鑑賞に新たな要素が加わりました。さらに、美術館で使われるエネルギー効率の向上や雨水流出の制御などの機能もプラスされ、自然と芸術の融合が完成しました。ノースカロライナ美術館では展覧会だけでなく音楽コンサートや映画上映イベントなども催され、さまざまな文化的価値を提供しています。2110 Blue Ridge Road, Raleigh, NC 27607-6494 U.S. -
フィラデルフィア美術館
(Philadelphia Museum of Art)アメリカ有数の所蔵数(30万点以上)を誇るペンシルバニア州のフィラデルフィア美術館。1876年に開館し、現在の年間来館者数は77万人以上。世界中の古代から現代までのあらゆる分野の美術品を所蔵し、現代アートを語る上で欠かすことのできないマルセル・デュシャンの重要作品も有しています。中世から近代のヨーロッパ絵画としてはボッティチェリ、エル・グレコ、ルーベンス、ゴッホ、セザンヌ、ロートレックなどを所蔵。日本の浮世絵から中国のプロダクトデザインまでアジアのコレクションも多く、また南アジアの仏像や仏画などの美術品にも力を入れています。フィラデルフィア美術館の屋外には映画『ロッキー』の銅像が設置されており、これは映画ロケで美術館の正面階段が使われたことを記念しており、旅行者の撮影スポットとしても人気です。2600 Benjamin Franklin Parkway, Philadelphia, PA 19130 U.S. -
バーンズ・コレクション
(The Barnes Foundation)ペンシルバニア州フィラデルフィア郊外を拠点とする美術財団バーンズ・コレクションは、所蔵品を管理しながら美術館としても開館しています。コレクターで美術研究家のバーンズ氏はアメリカでまだ印象派絵画の評価が低かった頃から収集を始めており、特にフランスの近代絵画を多く所蔵しました。総数は約2,500点にのぼり、ルノアール、セザンヌ、マティス、ピカソなどの作品が目立ちます。画家マティスとは親交も深かったため、バーンズ・コレクションの建物にはマティスの壁画「ダンス」が残されています。長らくコレクションは教育目的以外には非公開とされてきましたが、バーンズ氏の死後、一般に公開されるようになり、予約制で入館を受け付けています。2025 Benjamin Franklin Parkway, Philadelphia, PA 19130 U.S. -
デトロイト美術館
(Detroit Institute of Arts)ミシガン州のデトロイト美術館は、アメリカ出身アーティストの作品を国内3番目に多く所蔵する美術館です。街の産業である自動車大手フォードの工場を描いたディエゴ・リベラの壁画「デトロイトの産業」も美術館に所蔵されているなど、地域との関わりも密接でありながら、古代エジプトから現代までの世界中のアート作品6万5,000点を所蔵する総合美術館。デトロイト市の財政難により一時は美術品の売却と美術館閉鎖の危機に直面したこともありましたが、市民の強い希望により売却を回避したという、地元愛に支えられている文化施設でもあります。ジョージア・オーキフ、アンドリュー・ワイエス、アンディ・ウォーホルなどアメリカの画家のほか、ゴッホやベラスケス、セザンヌなどの作品も所蔵しています。5200 Woodward Avenue, Detroit, MI 48202 U.S. -
デ・ヤング美術館
(de Young Museum)1895年にカリフォルニア州サンフランシスコのゴールデンゲートパーク内に創設された、デ・ヤング美術館。地震などによる被害を受け、2005年にスイスの建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計案に基づきリニューアルオープンしました。建築、自然、芸術の融合を果たし、17〜20世紀のアメリカ美術(ジョージア・オーキフ、グラント・ウッド、ジョージ・カレブ・ビンガムなど)、テキスタイルアート、コスチューム、アフリカやオセアニア地域の美術品などを所蔵・展示しています。デ・ヤング美術館は、リージョン・オブ・オナー美術館(リンカーン・パーク内)とともに「ファイン・アート・ミュージアム・オブ・サンフランシスコ」の一部です。50 Hagiwara Tea Garden Drive, San Francisco, CA 94118 U.S. -
ザ・ゲッティセンター(ロサンゼルス)
(The Getty Center)石油王ジャン・ポール・ゲッティがカリフォルニア州ロサンゼルスに設立した美術館。ゲッティが同じくロサンゼルスに建てたゲッティ・ヴィラが古代ギリシャや古代ローマの作品を所蔵しているのに対し、ゲッティセンターには中世〜現代の西洋美術、近代の欧米の写真作品などを所蔵しています。ゲッティ財団により両施設は入館料無料で運営。ウェストロサンゼルスの眺めを見下ろす丘の上に建つゲッティセンターは建築家リチャード・マイヤーによる設計で、年間1,300万人の人が訪れ、ゴーギャン、ゴッホ、ルノワール、レンブラントなどの所蔵作品が人気です。美しい中庭やセントラルガーデン、夕日を臨むレストランなども充実しています。1200 Getty Center Drive, Los Angeles, CA 90049 U.S.