ナスタジオ・デリ・オネスティの物語

The Story of Nastagio Degli Onesti, part one

サンドロ・ボッティチェリ

作品解説
ボッティチェリ成熟期の代表作といえば『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』。アントニオ・プッチの息子でロレンツォ・ディ・メディチの甥のジャノッツォ・プッチとルクレツィア・ビーニの婚礼の際に依頼されたものです。カッソーネ(長持)かベッドの一部だと考えられている本作は、ボッカッチョの小説≪デカメロン≫第五日の第八話『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』を典拠に描かれた全4作品からなる作品群です。構想は全てボッティチェリによるもの。製作は弟子のバルトロメオ・ディ・ジョヴァンニやヤコポ・デル・セッライオの手が加わっています。『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』は、恋人パオラに拒絶され自身の不幸を悲しむナスタジオが、騎士と犬に追いかけられ責め苦を受ける女性を目撃する場面から始まり、この騎士がナスタジオ同様想い人に拒絶され自殺した騎士だったことから、自殺した原因は騎士を拒絶した想い人の残忍さにあるとし、想い人の内臓を引き裂くなど責め苦を与え、ナスタジオが恋人パオラとその家族を招き同場面を目撃させると、恋人パオラはナスタジオに心を許し結婚に同意したという話ですが、それぞれの場面の調和の取れた構成と、豊かな色彩や陰鬱を感じさせる舞台的場面構成が素晴らしいと評価されています。現在は第I場面から第III場面までプラド美術館が、第IV場面はアメリカの個人蔵となっています。
制作年
1483年
素材/技法
板にテンペラ
制作場所
ローマ
所蔵美術館