抽象表現主義

Abstract Expressionism
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抽象表現主義とは、1940年代の後半にニューヨークで起こり、世界中で注目されたアートの動向です。
第2次世界大戦の戦火をのがれるため、ヨーロッパから多くのアーティストがアメリカに移住しました。その中には、バウハウスの教員をはじめ、ピエト・モンドリアン、サルバドール・ダリ、マックス・エルンストといった抽象画の画家が特に多く、ニューヨークはいきなり現代アートの中心都市へと進化します。

その一方で、ニューヨークの街には失業者があふれており、失業者対策として導入された公共事業「連邦美術計画」によって、建物の壁画を描く仕事で生計を立てている画家が数多くいました。
そうした中から、ウィレム・デ・クーニング、ジャクソン・ポロック、バーネット・ニューマン、マーク・ロスコといった、のちに抽象表現主義を代表する画家たちが生まれます。

ポロックが始めたアクション・ペインティングや、ニューマンによるカラーフィールド・ペインティングなど、抽象表現主義では大きなキャンバスを用いて画面全体を色や線によって表現します。作品には明確なスポットがなく、作品を前にした者はその作品の世界に包み込まれる感覚に陥ります。

抽象表現主義はアメリカがはじめて世界に影響を及ぼしたアートの動向であり、これをきっかけに、ニューヨークはパリに代わって芸術の中心地となります。なお、抽象表現主義の画家たちは、ニューヨークスクールやニューヨーク派とも呼ばれています。
関連アーティスト
ジャクソン・ポロック,マーク・ロスコ,バーネット・ニューマン,ウィレム・デ・クーニング,モーリス・ルイス,フランク・ステラ