「奇想の系譜展」の見どころを解説!土日の混雑状況も
2月9日、上野にある東京都美術館にて「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」展が開催となりました!
美術史家・辻惟雄が記した「奇想の系譜」に基づいた今回の展示。
見どころは何と言っても、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳に、白隠慧鶴、鈴木其一を加えた8人という豪華メンバー!
今回はそんな「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」その展示の見どころと感想をご紹介します。
展示をみる前の準備として、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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「奇想の系譜展 」の基本情報をおさらい
まずは、展示の基本情報をざっくりとおさらい。
開催期間
2019年2月9日(土) ─ 4月7日(日)
開館時間
9:30~17:30
※会期中の金曜日、3月23日(土)、3月30日(土)、4月6日(土)は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休館日
月曜
開催場所
東京都美術館
今の所、巡回の予定はありません。
本展のために海外から里帰りした作品や、初公開の作品など、本展でしか見られない貴重な作品が目白押しとなっているので、ぜひこの機会をお見逃しなく!
「奇想の系譜展 」の混雑状況は?
「奇想の系譜展 」の平均待ち時間
Twitterを見る限り、平日・休日ともに入場規制なく美術館に入れるようです。
今回は日曜のお昼に行ってきましたが、入場規制などはなく、すぐに入ることができました!
しかし、作品によっては人だかりができているところもあり、ゆっくりみるのは難しかったです。
さらに「妖怪退治図屏風」が2月19日からの展示となっているため、それ以降はさらに混雑する可能性があります。
最新の混雑状況は、公式ツイッターからの確認がおすすめです。
「奇想の系譜展」の見学所要時間は?
今回の奇想の系譜展は作品数113点と、他の展覧会と比べてそれほど多い訳ではありません。
しかし、初公開の貴重な作品も多いので、混雑状況によってはスムーズに周れない場合も。
さらに、チケットを買うまでの待ち時間やグッズを買う時間を考えると、早くても最低2時間は確保したいところです。
混雑状況にもよりますが、1つ1つの作品を最前列でじっくり見学したい!という方は2.5~3時間コースを想定しておきましょう。
所要時間の目安
見るのが早い人 1〜1.5h
普通に周ると 1.5〜2 h
じっくり見たい人 2.5〜3 h
「奇想の系譜展 」の見どころは?
ここからは、気になる展示の見どころをご紹介。
江戸時代の奇想画家8名の代表作や、展示を見る前に知っておきたい情報をギュギュッとご紹介いたします!
1.俳優「小林薫」によるイヤホンガイド
今回のイヤホンガイドを担当してくださったのは俳優の小林薫さんです。
人気の声優さんや、若手の俳優さんではないのか…なんて思っていたのですが、声を聞いた瞬間びっくり!まるで空間に溶け込んでいるような落ち着いた音声が静かに響き渡ります。
空間を目でも耳でも楽しめる音声ガイド、全力でおすすめします!!
2.8人の絵師人生について詳しく紹介
伊藤若冲
「幻想の博物誌」
京都の錦小路の青物問屋の長男として生まれた若冲は、23歳で家業を継ぎ、17年間は当主としてその務めを果たしました。
本格的に画業に専念することになったのは、家督を弟に譲った40歳からということになります。
その後若冲は京の寺社に伝わる中国絵画や、最新の写生画法などを積極的に取り込んで、独自の表現を獲得していきました。
42歳になって製作を始めた濃彩花鳥画「動植綵絵」は完成まで10年を要した同シリーズは全30幅の大作であり、日本美術史における花鳥画の最高傑作と言えます。
その後に描いた「旭日鳳凰図」の活力溢れる緻密な描写は「動植綵絵」を凌ぐほどであり、サイズもひと回り大きい貴重な作品となっています。
今回の展示ではそんな「旭日鳳凰図」をはじめとして、若冲の代表作が数多く展示されています。
曽我蕭白
「醒めたグロテスク」
曽我蕭白は京都の商家で生まれ、主に伊勢や藩州などで積極的活動したのち、40歳頃に再び京に戻ってその身を落ち着かせ、作品の製作に勤しみました。
曽我の表現は独創的で狂気に満ちており、時に見るものを逆なでし、混沌の中へと落とし入れると言われています。
曽我蕭白が35歳の時に描いた「群仙図屏風」は、サイケデリックな画面が凄まじい不協和音を作り出しており、現代にも引き継がれる代表作となりました。
今回の展示の主題でもある「奇想の系譜」の作成における契機ともなっています。
その他にも曽我ならではの独特で遊び心溢れる作品が多数展示されていますので、是非お楽しみに。
長沢芦雪
「京のエンターテイナー」
京都で下級藩士の子として生まれた長沢芦雪。
その後円山応挙のもとに入門しましたが、応挙が確立した人物や動植物を写実的に表現する弟子がほとんどを占める中、大胆な構図と才気あふれる筆法で画風を創出した芦雪は「奇想の画家」と呼ばれました。
写実表現は芦雪ゆずりでありながら、「群猿図襖」などから感じられる猿の豊かな表情は芦雪ならではと言えます。
本展ではその他にも「降雪狗児図」や「白象
岩佐又兵衛
「執念のドラマ」
天正6年、織田信長の家臣であった荒木村重とその妻・だしから誕生した岩佐又兵衛。
しかし翌年には父が信長に謀反を起こし、一族は滅亡してしまいます。
奇跡的に生き残った又兵衛は性を母方の「岩佐」に変え、京都で絵師として活動し始めました。
その後60歳までの約20年を北の庄を過ごし、江戸に移ったのち、73歳でその波乱に満ちた生涯を終えました。
一流派に属さず、古典から風俗まで幅広い作品を描き、「浮世絵又兵衛」の異名を持った又兵衛の特色豊かな作品は必見です。
狩野山雪
「狩野派きっての知性派」
狩野山雪は桃山文化がピークの時代に九州肥前国で生まれました。
16歳で山楽に弟子入りし、初期の代表的な仕事である天球院方丈障壁画の制作に携わるほか、同年、息子永納を授かり公私共に充実した日々を過ごします。
その後、師山楽の死去に伴い正式に家督を継ぎ、「京狩野」と呼ばれるようになりました。
初期作の「龍虎図屏風」や、近年見出された全長12メートルを超える「武家相撲絵巻」など、理知的な幾何学構成は高く評価されており、独自性が際立つ山雪の諸作品は近年、再評価が進んでいる。
白隠慧鶴
「奇想の起爆剤」
白隠慧鶴は駿河の国原の宿に生まれ、15歳で出家。
全国を行脚し修行に励んだ後33歳で帰郷し、住職となりました。
その後、42歳で悟りを得た白隠はその後の半生を民衆強化に捧げることになりました。
生涯をかけて残した作品数は1万点以上とも言われており、ユーモラスで軽妙かつ大胆な書画は、職業画家ではなく宗教者として独自の表現を獲得したいえます。
本展で見られる赤と黒のコントラストが際立つ「達磨図」をはじめ、「蛤蜊観音図」、「すたすた坊主図」など厳粛かつポップな表現は必見です。
鈴木其一
「江戸琳派の鬼才」
江戸に生まれ、酒井抱一に18歳で弟子入りした鈴木其一。
忠実な弟子としてしばしば代作を務めるほどになり、師の没後は個性的な作風にに傾斜。弟子を育てることにも注力しました。
同時代には浮世絵師の歌川広重や歌川国芳などが挙げられ、化政文化の火付け役として活躍しました。
本展では其一の傑作中の傑作と言われる「夏秋渓流図屏風」や、初の里帰りとなった「百鳥百獣図」など、琳派の造形を近代に繋がる重要な役割をになった作品の数々が見どころとなっています。
歌川国芳
「相馬の古内裏(そうまのふるだいり) 」
歌川国芳は江戸日本橋の染物屋の家に生まれ、12歳のときに初代歌川豊国に弟子入りしました。
画家として華々しい人生を送っていたと思いきや、その下積みは想像以上に長く、名声を手に入れるのは30歳を過ぎたときでした。
当時中国で流行していた「水滸伝」に登場するヒーローを一図ずつ武者絵として描いた「通俗水滸伝豪傑百八人之一人」のシリーズがきっかけとなり、人気絵師の仲間入りを果たのです。
武者絵のほかにも洋画の表現を取り入れた風景画やユーモラスな風刺画など、その豊かな表現が話題になりました。
本展でも「相馬の古内裏」や「宮本武蔵の鯨退治」など大胆で迫力に飛んだ作品が満載です。
3.見逃せない!新発見や初公開の作品が多数出品
伊藤若冲「梔子雄鶏図」
昨年調査によって新たに発見されたこちらの作品。
梔子の木から落ちた実を1羽の雄鷄が啄もうとしています。
昭和2年まで京都の東本願寺大谷家で所蔵されていたもので、若冲30歳代の初期作です。
梔子と鳥という組み合わせは今までになく、本展の注目作品と言えます。
伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」
本展の準備期間で発見されたこちらの作品。
日本ではもちろん、世界でも初公開の作品です。
雄雌の鶏が12図にわたって描かれたもので、若冲82歳の作品とされています。
迫力ある筆勢はをぜひ生でお楽しみください。
長沢芦雪「猿猴弄柿図」
今回の調査で発見されたこちらの作品は重要文化財にも指定されており、アート好きには絶対に見てもらいたい作品です。
柿を抱え込んだ岩の上の猿と、岩をよじ登ろうとする子猿が描かれており、猿の表情が特徴的な作品となっています。
エンターテイナーと呼ばれた芦雪の見事な表現ぶりを、ぜひ展示会場で実感ください。
5.個性派揃いの名作を多数展示
今回の展示の見どころはなんと言っても、代表作・名作の多さでした!
どの展示室でも目を引く作品が至る所に飾られていて、どこから見るべきか迷ってしまいました。
単体の作品としてだけでなく、「奇想の系譜」を中心とした一つのストーリーが感じられ、まとまりのある展示だったと思います。
また、本展初公開の作品も生で見ることができ、本当に江戸美術のエッセンスが詰まった展示だったと感動しました。
8人の人生を作品と一緒に振り返る「奇想の系譜展」。ぜひ足を運んでみてください!
実際に見てきた人の感想はこちら
先日「奇想の系譜展」鑑賞。芦雪のワン公!若冲の虎! 白隠禅師のすたすた坊主に達磨!国芳のがしゃどくろ!蕭白の童子!!と夢のオールスターに会えます。ザックリとでも辻先生の『奇想の系譜』を読んでおくとより良し。グッズが充実しすぎなので時間に余裕が必要ですhttps://t.co/WN910Z95Zi pic.twitter.com/mcHHqqB3iq
— カワウソ祭 (@otter_fes) 2019年2月18日
東京都美術館/奇想の系譜展
思ったより若冲の出品が多かったことに驚き。数年前の若冲展は混みすぎで諦めたから嬉しかった。
どの作品も細かく描き込まれているものが多くて綺麗とか美しいとかより先に凄いしか出てこなかった
面白い展示だった! pic.twitter.com/1PwiQqVTUz— みよこ (@m_y_k_345) 2019年2月16日
東京都美術館『奇想の系譜展』
若冲の「象と鯨図屏風」が一番最初に展示されてて一気にテンションが上がりました。新発見や初公開の作品が多く絵師8人分あるので見応え十分でした。最後のほうはスタミナ切れてた(笑)。展示替え多く気になる作品もあるので後期展示も行こうと思います。#bura_bi_now pic.twitter.com/UPEXYA91wf— 小塚のぎ (@kanishi10) 2019年2月14日
東京都美術館で奇想の系譜展を見てきました。江戸時代の奇抜でグロテスクでそして面白味のある絵が集結していました。どの絵も躍動感があって、個性豊かなので見ていて面白いです。若冲は相変わらず大人気。「豊国祭礼図屏風」の筍コスプレ男を見られて良かったです pic.twitter.com/fu0WRkKBad
— 朱鷺 (@akatoki0) 2019年2月18日
大注目!おすすめコラボグッズ
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ソース
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美術家・横尾忠則氏によるスペシャルヴィジュアルポスターです。
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まとめ
いかかでしたか?
今回は上野で開催中の「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」についてご紹介しました。
会期は 4月7日(日)までと、まだ少し余裕はありますが、終盤にかけて混雑が予想されますので、皆さんもぜひ早いうちにチェックしてみてくださいね。
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