春季特別展「大加州刀展」

会期終了

Information

 
会期2022年4月28日〜2022年6月26日
会場 石川県立歴史博物館
入場料 一般1,000(800)円 大学生・高校生800(640)円 中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金 65歳以上の方は団体料金
*電子チケットの方は団体料金(詳細は下記)
*常設展もあわせてご覧いただけます
*加賀本多博物館は別途観覧料が必要です

【電子チケットのご案内】
本展は新型コロナウイルスの感染予防・拡大防止のため、電子チケットのご利用を推奨しております。
販売期間 4月1日(金)~6月26日(日)

ご注意
*日時指定券ではございませんので、入館枠の確保はいたしかねます
*会期中、任意の1日のみご利用いただけます
*ご入場の際は刀剣乱舞-ONLINE-コラボチケットと同様の半券をお渡しいたします
*観覧当日でもご購入いただけます
*混雑時はチケット購入列にお並びいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

こちらから https://www.e-tix.jp/ishikawa-rekihaku/
開館時間 9:00~17:00(展示室への入室は16:30まで)
*混雑時には、15:30までにチケット購入列にお並びいただいた方のみのご入場となります
休館日 年末年始 資料の展示替え・整理の期間
電話番号 076-262-3236
住所 〒920-0963 石川県金沢市出羽町3-1
アクセス 【徒歩】
●兼六園(随身坂口)から3分
●香林坊から15分

【路線バス(北鉄バス)】
JR金沢駅兼六園口(東口)
●出羽町下車 徒歩約5分
●広坂・21世紀美術館下車 徒歩約8分
※ 北鉄バスの乗り場・時刻検索はこちら(http://arj.hokutetsu.co.jp/timetable/pathway.php)

【タクシー】
JR金沢駅から10~15分

【自動車】
北陸自動車道
●金沢西ICから20~30分
●金沢森本ICから20~30分

*無料駐車場(45台)があります。
*当館の駐車場が満車となった場合には、県立能楽堂駐車場または県立美術館駐車場をご利用ください。
地図 Google MAPで見る
公式HP https://ishikawa-rekihaku.jp/special/special_top.php?cd=2022022801

展示内容・解説

加州刀とは、加賀の地で打たれた刀剣を指します。南北朝時代の「真景(さねかげ)」や、越前から移住した「藤嶋友重(ふじしまともしげ)」がその魁として知られ、室町時代には藤嶋系や橋爪(はしづめ)系、陀羅尼系などの流派が各地に成立しました。

江戸時代に入ると、美濃から移った「兼若(かねわか)」が華やかな刃文を考案して一世を風靡し、他の刀工もこれに追随します。
同じころ加賀藩が領内の刀工を保護したこともあり、加州刀は全盛期を迎えました。

当初、令和3年度夏季特別展として開幕した本展は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けわずか9日間で中止となりました。
このたび、再開を願う多くの声に応え、出品資料をさらに充実させて開催いたします。
前回を超える約100振の刀剣に加え、拵などの刀装具、刀剣や武術に関する文献資料を紹介し、500年以上続いた加州刀の歴史と魅力に迫ります。

【第1章 加州刀の黎明 真景・友重】

加賀国における日本刀づくりがいつから始まったのかについて、はっきりとはわかりませんが、現存する刀剣や伝承から、南北朝時代頃と考えられます。
本章では最古の刀工と目される「真景」や、越前国藤嶋から移住し、多くの分派を生んだ「藤嶋友重」など、草創期の加州刀をご紹介します。

●加州刀の祖・真景の短刀 製作年が明らかな基本作
 No.1 重要刀剣  短刀 銘[表]藤原真景 [裏]貞治六年二月日
 南北朝時代 貞治6年(1367)  一般財団法人秋水美術館蔵  *通期展示

●越前から加賀へ移住 来国俊の弟子とも伝わる友重の脇指
 No.3 重要刀剣  脇指 銘[表]藤嶋
 室町時代初期(15世紀)  個人  *通期展示

【第2章 清光の命脈】

「清光」は加州刀の歴史において最長の流派です。
室町時代に藤嶋系の行光から分派し、古刀期から新々刀期まで脈々と続きました。
もっとも著名なのは貞享4年(1687)に没した長兵衛清光で、六代目と目されます。
歴代の清光の中でも群を抜く腕前で、困窮の末に加賀藩の貧民救済施設に入り、そこで作刀したという変わった逸話もあります。
清光歴代の作を見比べてみてください。

●最初期の清光に迫る貴重な太刀の作例
 No.8 太刀 銘[表]清光
 室町時代中期(15世紀後半)  能美市蔵  *通期展示

●室町時代から明治時代まで続いた清光の中でも、名工と謳われる長兵衛清光の作
 No.18 刀 銘[表]清光
 江戸時代前期(17世紀中期) 金沢市・浄照寺蔵  *通期展示

【第3章 加賀青江・家次】

古刀期に活躍した加州鍛冶に、将監家次に始まる橋爪系が挙げられます。
橋爪系は越前千代鶴の流れを汲み、初代家次の時に能美郡能美村(小松市能美町)橋爪に住んだと伝わります。
橋爪系の中心的な刀工で、その作風から「加賀青江」とも称された家次の歴代に渡る作品をご覧ください。

●豪快な刃文が特徴的な、加賀本多家初代・政重の愛用品
 No.28 脇指 銘[表]家次 [裏](金象嵌)鳥屋入/政重(花押)
 室町時代末期(16世紀後半) 個人蔵  *通期展示

【第4章 加州最大派閥 陀羅尼】

陀羅尼系は橋爪系にルーツを持つ一派で、新刀期以降は加州鍛冶の最大派閥を形成しました。
その中でも初代橘勝国は当時の加賀でも随一の刀工と評され、多様な刃文を施した優品を数多く残しました。
本章では勝国に加え、家忠や国平、吉家といった、陀羅尼系を代表する刀工たちの作品もあわせてご紹介します。

●武田信玄の短刀に由来する、奇抜な「おそらく造」の脇指
 No.36 脇指 銘[表]加陽金府住/藤原氏吉家 [裏]陀羅尼吉右衛門尉作之
 江戸時代前期(17世紀中頃) 久昌寺蔵  *通期展示

●加賀藩前田家3代・利常が瑞龍寺に奉納した刀 現存する二振りのうちのひとつ
 No.40 刀 銘[表]□□□□御寄進依 仰奉作之/加州住藤原家重造 [裏]承応三年八月 日
 江戸時代前期 承応3年(1654)  個人蔵  *通期展示

【第5章 加州刀の新風 兼若】

新刀期に入ると、加賀藩は在来の刀工を保護すると同時に国外からも刀工を呼び寄せ、篤く支援しました。
特に美濃国から来た「兼若」は、初代甚六兼若が相模国や備前国に特徴的な華やかな刃文を取り入れ、出来栄えのすばらしさから「加賀正宗」と呼ばれました。
その作風は同時期の加賀の刀工たちにも影響を与えています。
加州刀の名を一躍全国に知らしめた「兼若」の傑作の数々をご覧ください。

●「加賀正宗」と称された初代兼若の、最初期の傑作
 追6 脇指 銘[表]賀州住兼若作 [裏]慶長拾二年二月日
 桃山時代 慶長12年(1607) 個人蔵  *通期展示

●初代兼若の跡を継いだ三男又助による、華麗な逆丁子文の刀
 No.63 刀 銘[表]賀州住兼若 [裏]寛文八年二月吉日
 江戸時代前期 寛文8年(1668)  本館蔵  *通期展示

●刃文の巧妙さでは歴代随一、三代兼若(四郎右衛門)の見事な箱刃
 No.68 刀 銘[表]賀州住兼若 [裏]延寶六年二月吉日
 江戸時代前期 延宝6年(1678) 本館蔵  *通期展示

【第6章 加州刀の終焉】

加州刀は、元禄(1688~1703)頃から長い不遇の時代に入ります。
その原因は刀剣の需要の減少や藩の財政難にあり、他業に転じる刀工も現れました。
しかし19世紀に入り、諸外国の圧力などによって社会不安が強まると、刀剣の需要が増加します。
これにより加賀での作刀は持ち直し、再び活況を呈したのでした。
本章では幕末の加賀で双璧とされた清次郎清光と木下兼重の作例を中心に、加州刀の最後を飾った刀剣をご紹介します。

●幕末の加賀を代表する刀工・木下伊勢大掾兼重の脇指
 No.81 脇指 銘[表]加州住藤原兼重(花押)/嘉永三年于観音堂造之 [裏] 舒嘯斎大音厚義佩之
 江戸時代末期 嘉永3年(1850) 個人蔵  *通期展示

●兼重と並び双璧と称された清次郎清光の大ぶりの傑作
 追11 刀 銘[表]加州泉小次郎十一代孫藤江清次郎藤原清光 [裏]明治二年巳八月吉日應需作之
 明治2年(1869) 個人蔵  *通期展示

【第7章 拵】

刀剣に欠かせないもの、それが拵。
武士は一振りの刀に複数の拵を用意し、場面に応じて使い分けていました。
刀身は研ぎを除くほぼ全ての工程を刀工が担いますが、拵は鞘師や塗師、柄巻師といった匠の技の結晶であり、持ち主のセンスの見せ所でもあります。
美しい拵の数々もぜひお楽しみください。

●加賀藩前田家14代慶寧所用 霊獣白澤をあしらった拵の名品
 No.86 重要刀装 白澤打刀拵(石目地雪花文鞘半太刀拵)
 江戸時代末期(19世紀) 個人蔵  *通期展示

アーティスト

  • 藤原真景
  • 藤嶋
  • 清光
  • 加賀青江
  • 家次
  • 藤原氏吉家
  • 藤原家重
  • 兼若
  • 藤原兼重
  • 清次郎清光

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