長文風速計

会期終了

Information

 
会期2022年7月10日〜2022年8月14日
会場 3331 Arts Chiyoda 201・202
入場料 無料
開館時間 12:00〜19:00(金・土は20:00まで)
休館日 火曜日
住所 〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14
アクセス 東京メトロ銀座線「末広町駅」4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線「湯島駅」6番出口より徒歩3分
JR「御徒町駅」南口より徒歩7分
JR「秋葉原駅」電気街口より徒歩8分
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公式HP http://www.akibatamabi21.com/exhibition/220406.htm

展示内容・解説

「長文風速計」とは本展の展示メンバーである九里藍人がかつて考えた造語であり、以下はそこから派生し伊藤夏実、石井佑果、関口美咲がそれぞれに書いたテキストである。


 他人が操作するパソコンやモバイル端末のモニターに映るメモアプリを眺めていると、文字が積み上がっていく様子、テキストが出来上がる過程が、スピードやリズム感を持って視覚的に観察できる。それは、振動や風のように肌感覚を伴う思考の流れの表出であり、物が静かに積み上がっていくような美しさがある。遥かなる時の中で姿形をほぼ変えずにあり続ける山や川は、私自身の身を切って流れていく他人の思考を、風速計のようにただ静かに計測しているかのようだ。恒久的な山のような存在を私も眺め返すことで巨大な人類の集合知の動態を認識できるような気分になる。歴史や自然といった膨大な時間を有するものは、個人という微小な存在が何か大きなものの一部となる想像を促し、個人の死への恐怖や喪失感を吸収してくれるのだ。


 風速計とはどんな形をしているのか、検索しようとしてやめた。
実体のない風を計るそのしくみや姿は知らない私からすると想像しがたいが、しかしなんのことはないそっけない代物な気もする。
見れば空はよく晴れていて、外に干した洗濯物がふらふら揺れているだけだ。
絵画と風速。
きっと腑に落ちる話を彼女はしてくれる。
事の真相は楽しみにとっておこう。


 風速計は、風速の変化に対する応答性が良好でないと、正しく計測できないらしい。
友人の絵と、記録された言葉と、同じ空間の中で「変化に対する応答性」が良好であれるための空間について思考し、最大限の敬意をもって対話を試みる。
 彼女が思考し、記録した言葉の中に「濡れたくつ下」というものがある。
「濡れたくつ下」という、起立した視点からは見えない線に着目する、彼女の姿勢が好きだ。
また、不快で汚い、最も生きているリアリティを感じる要素、彼女の言葉や作品から感じる要素が好きだ。


 私は「濡れたくつ下」を、乾かしてみようと思う。

(公式HPより)

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