クリスティアーネ・レーア

会期終了

Information

 
会期2022年10月8日〜2022年12月24日
会場 タグチファインアート
入場料 無料
開館時間 13:00〜19:00
休館日 11月7日-25日
電話番号 03-5652-3660
住所 東京都中央区日本橋本町2-6-13 山三ビルB1F
アクセス 地下鉄三越前駅A4出口徒歩4分
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公式HP http://www.taguchifineart.com/installations/CLinst5.html

展示内容・解説

クリスティアーネ・レーアは1965年、ドイツ、ヴィースバーデン生まれ。ボン大学で考古学や歴史学、マインツ大学で芸術教育学などを学んだ後、デュッセルドルフ美術大学で学び、1996年にヤニス・クネリスからマイスター・シューラーリン資格を取得。現在はドイツ、ケルンとイタリア、プラートを拠点に活動しています。彼女はハラルド・ゼーマンによるヴェニスビエンナーレ「人類のプラトー」(2001年) の出展作家であり、2016年のピーノ・パスカーリ賞の受賞者です。ミラノ近郊ヴァレーゼのパンザ・ヴィラ・アンド・コレクションにおける個展 (2010年) をはじめ、世界各地で展覧会を開催、その作品は多くの美術館や著名コレクターの所蔵となっています。2020年にはナポリのカポディモンティ美術館、昨年はベルリンのハウス・アム・ヴァルトゼー、今年はフランスのシャトー・ショーモン・シュール・ロワール、チェコのチェスケー・ブジェヨビィツェ芸術の家など、近年は美術館での個展の機会が増えてきました。


クリスティアーネ・レーアは、自然界に存在する植物の種子や茎、馬の毛や犬の毛といった、普通彫刻には使われない素材を使って立体作品を制作し、形態や空間を研究しています。タンポポの綿毛を敷き詰めたクッション、キヅタの種子を積み重ねた寺院、草の茎を寄り添わせたドーム、アザミの種子をヘアネットに詰め込んだ袋、針と馬の毛によって生み出された“あやとり”のような形態、などです。それらは、近づいて見るまでその存在すら見逃してしまいそうなほど小さく繊細ですが、仔細に観察すれば、次第に堅固な構造物に姿を変え、周囲の空間を支配するほどの存在感で、わたしたちを圧倒します。


そのユニークさゆえ、彼女の関心が素材となっている植物や動物にあるように思われがちです。確かに植物の可憐さや有機的な形態、色あい、美しさは、彼女の作品の一部となっていますが、レーアがそれらを作品の素材として選ぶ決意をしたのは、子供の頃から慣れ親しみ、それゆえ性質を熟知しているからです。ヤニス・クネリスはイタリアの芸術運動「アルテ・ポーヴェラ」の中心的作家です。彼らの特徴として、身近な素材を作品に使用するということが挙げられます。クネリスのもとで学んだ経験が、慣れ親しんでいる植物や動物の毛を自らのヴィジョンを視覚化する素材として利用することへの確信をレーアに与えている、と言えるでしょう。


レーアの制作の本質は、素材そのものが本来的に備えている構造や機能をじっくりとそして正確に見極め、それらが視覚的により増幅されるように再構築することです。素材や空間との忍耐強い対話を通して、彼女は世界の背後にあって自然や有機物を成立させている数学的な法則や力、秩序や建築的な構造を探求しているのです。


彼女は彫刻と平行してドローイングの制作もおこなっています。植物のかたちをモチーフとして借用してはいますが、何かを写しているわけではありません。彫刻家である彼女の関心は紙という白い空間をオイルパステルや鉛筆によってどのように分割していくか、というその一点にあります。それによって強度な緊張感が生まれています。


2014年の資生堂ギャラリー(東京)におけるグループ展「せいのもとで」や2015年のヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)での個展「宙をつつむ」、2017年の佐倉市立美術館(千葉)におけるグループ展「カオスモス5:一粒の砂に世界を見るように」など、日本でも精力的に作品を発表しているクリスティアーネ・レーア。タグチファインアートで5度目の個展となる本展では、植物を素材にした立体作品とドローイングを展示致します。ぜひご高覧下さい。


なお、展覧会初日10月8日 (土) 17時より19時まで作家を囲み、ささやかなレセプションを行います。皆様のお越しを心よりお待ち致しております。
(公式HPより)

アーティスト

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