濱田祐史 Incidence and Reflection

会期終了

Information

 
会期2022年12月1日〜2023年1月28日
会場 PGI
入場料 無料
開館時間 月~土/11:00~18:00
休館日 日・祝日・展示のない土曜日、2022年12月24日(土) 〜 2023年1月4日(水)
電話番号 03-5114-7935
住所 〒106-0044 東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
アクセス 大江戸線赤羽橋駅中之橋口徒歩4分
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公式HP https://www.pgi.ac/exhibitions/8337

展示内容・解説

濱田祐史の最新作となる「Incidence and Reflection(入射と反射)」を展示いたします。

濱田は、『Primal Mountain』、『photograph』をデビューに、継続して作品を発表しています。2015年から取り組んでいる色をテーマにした作品では、ユニークな手法を用いて、写真という平面のメディアにおける色や形、画像の考察を行ってきました。デビュー以来、視覚によって左右される認識のポテンシャルに興味を持ち、工業製品としての写真の多様な表現機能に根ざしたパフォーマティブな制作を続けています。

現代の版画で使用されているPS版(Pre-Sensitized Plate)というアルミの版には、塗布されたフォトレジストという組成物に紫外線が反応し硬化することでネガ像やポジ像の版ができるという特性があります。本作ではこの特性を利用し、紫外線の結ぶ像を捉えています。

初期作品「photograph」は、長時間露光で煙を使用し、普段私たちが目に見ることのない光の存在を可視化しようという作品でした。本作「Incidence and Reflection」では同じように光をモチーフにしていますが、PS版を使用して紫外光によって写し出すことを試みており、「『photograph』の時とは違う光を見ることができるような気がした」と語っています。

具体的には、8×10や4×5、6×6など中判から大判のサイズに切り出したPS版をフィルムの代わりにカメラにセットし撮影するという方法です。

使い慣れたフィルムでの撮影とは条件が大きく異なり、晴れた日でも90分以上の露光が必要で、また、色の濃い被写体は紫外線の反射率が低いために露光されず、仕上げのプロセスにおいて黒く潰れてしまうこともあったと言います。

自身の撮影の経験値から、写るとわかっているものが紫外光では写らないという新鮮な驚きを得て、あえて「写真に写った光景」を想像し得る、自身の行動範囲に限った風景の撮影を重ねました。

撮影を続ける中で、カメラに版をセットする反射光だけでなく、フォトグラムの手法をヒントに街中のサインやポスターなどに直接PS版を当てることで、被写体に当たる入射光でも撮影を行いました。

「絶句するほど長い露光の間、目の前の風景が紫外光によって版にどう焼き付いていくのかを想像し(中略)、写真の黎明期にニエプスがヘリオグラフィを発明したのは、リトグラフから着想を得ていたということ(中略)に想いを巡らせた。作品を仕上げるにあたって、版画の技法に基づき版にインクを乗せて紙に刷ってみた。しかし、この作品にとって重要な要素が抜け落ちてしまうことに気づいて、版そのものを展示することにした。」

本展ではこのアルミ版に露光された作品、およそ60点をご覧いただきます。
(公式HPより)

アーティスト

  • 濱田 祐史

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