毛利悠子 Neue Fruchtige Tanzmusik

会期終了

Information

 
会期2022年11月2日〜2022年12月3日
会場 Yutaka Kikutake Gallery
入場料 無料
開館時間 12:00~19:00
休館日 日・月・祝
電話番号 03-6447-0500
住所 〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 2F
アクセス 地下鉄六本木駅3出口徒歩3分
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公式HP https://www.yutakakikutakegallery.com/exhibitions/yuko-mohri_neue-fruchtige-tanzmusik_jp/

展示内容・解説

Yutaka Kikutake Galleryでは11月2日(水)から12月3日(土)まで、毛利悠子による弊ギャラリーで初めてとなる個展「Neue Fruchtige Tanzmusik」を開催します。展覧会タイトルは「新しいフルーティなダンスミュージック」を意味するドイツ語です。

本展では、毛利が近年取り組んでいる、フルーツに電極を挿して内部の水分量などを測り、乾燥や腐敗によって生じる抵抗値の変化を音に変換する作品《Decomposition》シリーズで初の試みとなる大規模なオーディオシステムを用いたインスタレーションを中心に、フルーツが腐敗する過程を捉えた写真作品《Neue Fruchtige Tanzmusik (photo)》、また、腐敗の過程を《Decomposition》を通じて記録した録音複製作品(LP)《Neue Fruchtige Tanzmusik (vinyl)》を発表します。

毛利はこれまでも、既製品、ファウンド・オブジェ、自作の装置を組み合わせて、展示環境などの諸条件によって変化していく現象を生成するインスタレーション作品を発表してきました。電子回路によって生み出されるエネルギーが、作品のコンポジションを通じて乱反射することで、日々生起する予測できない諸現象やより大きな世界構造に潜在する複雑性の断片を、視覚や聴覚、またときには触覚や嗅覚を通じて鑑賞者に伝えます。

今回展示される《Decomposition》もまた、フルーツの内部で生じている微細な変化を音に変換し、土や幹との繋がりを断った後も生成変化を続けるフルーツの生命の姿を伝えます。フルーツは西洋絵画においてたびたび描かれる主要なモチーフのひとつであり、絵画のなかで言うなれば永遠の生を与えられてきましたが、本作品はそうしたフルーツをあらためて生死の循環に戻すものでもあります。本作の制作にあたって、だんだんと腐り姿形を変えてゆく死体の様子を描いた仏教絵画「九相図」を作家が参照項としていることも、特筆すべき点として挙げられるでしょう。毛利が敬愛してやまないジョン・ケージやデイヴィッド・テュードアといった先達たちが60年代から実践してきたライヴ・エレクトロニクス(Live electronics)という表現形態を土台にしつつも、死にゆく有機物をメディウムに使用した本作は、リヴィングデッド・エレクトロニクス・インスタレーション(Living dead electronics installation)と呼ぶことができるかもしれません。
作品タイトルのDecompositionは、腐敗や分解という意味を持ち、composition(作曲)に対して否定や離脱の接頭辞「de」が付いた語です。自然生成する作曲法としても成り立つ《Decomposition》は、世界に存在するさまざまな現象、事物がすでにきわめて複雑で流動性に富むものであることを伝えながら、そこに在る美的な要素をすくい上げる装置であると言えるでしょう。“unstable”なものに一貫して関心を持ちつづけ、ズレやノイズを伴いながら絶えず変化するエネルギーの諸相を詳らかにしてゆく毛利悠子の最新作をぜひご覧ください。
(公式HPより)

アーティスト

  • 毛利 悠子

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