小谷元彦 個展

会期終了

Information

 
会期2023年1月21日〜2023年2月18日
会場 ANOMALY
入場料 無料
開館時間 火・水・木・金・土/12:00~18:00
休館日 日曜・月曜・祝祭日
電話番号 03-6433-2988
住所 〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
アクセス ○京急本線新馬場駅北口徒歩7分
○東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅B出口徒歩8分
○東京モノレール天王洲アイル駅南口徒歩10分
○JR品川駅港南口徒歩20分
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公式HP http://anomalytokyo.com/exhibition/i-n-v-a-s-i-o-n/

展示内容・解説

今回の個展は、3年越しで制作された新作長編映像作品の発表、および昨年発表した立体と短編映像作品で構成される展覧会です。

本展タイトルでもある新作長編映像《i n v a s i o n》は、催眠術に使われる渦巻きがアイコンになっていますが、「回転」を表すフォルムは、かねてより繰り返し小谷の作品に使われている形です。
古い催眠術の本から採用した回転の図像は、漫画『デビルマン』に登場するサイコジェニーを思わせ、漫画作中では「催眠」と「覚醒」、両方の合図として使われています。また回転形は脊椎動物の内耳にある渦巻管にもみられ、動物をモチーフとして多用してきた小谷にとって重要なフォルムといえるでしょう。
今回の渦巻きが意味するものは、催眠、覚醒、または変化、もしくは「振り出しに戻る」か。本作では時間を跨ぎながら、渦巻きが多様な意味の暗喩として使われていますが、全編を通じて魔術的なものを象徴する紋様として機能しています。

18世紀、フランス革命やドイツロマン主義運動に影響を与え熱狂的ブームになりながら精神医学から黙殺されたドクター・メスメルは、人体への惑星の影響について、生命の健康は自由な「流体」の流れ・循環が大事とし、催眠療法でも知られています。彼が治療に取り入れた「催眠」は一方で魔術的な行為であり、一種のトランス状態を誘発し、宗教体験とも親密です。本作で小谷のいう「魔術」は、医学と自然科学の別の捉え方と考えられます。

本作中には他に、エジソンやフロイトの肖像画や、パブロフのモニュメント、軍用電話機、無線機などが登場します。白熱電球や電話機、蓄音機の開発は科学的な躍進ですが、光を発するガラス球や、遠くの声が耳元で聞こえる受話器や無線機の普及は、当時とても魔術的に受け取られたのではないかと想像できます。科学はかつて、魔術という概念と案外近しいものだったのかもしれません。
また本映像作品では同時に「信じる」ことが極めて個人的なこととして提示され、監視カメラで監視された合理的な世界の裏側で起こっている、本人による本人の再魔術化として描かれています。

制作に3年を費やした、小谷元彦初の長編映像作品の発表です。
みなさまには是非本展のご高覧を賜りたく、ご来駕をお待ちしております。
(公式HPより)

アーティスト

  • 小谷 元彦

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