中井波花「浮かぶ」

会期終了

Information

 
会期2023年1月13日〜2023年2月10日
会場 TARO NASU
入場料 無料
開館時間 火-土/11:00 – 19:00
休館日 日・月・祝
電話番号 03-5786-6900
住所 〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル4F
アクセス 地下鉄六本木駅1・3出口徒歩2分
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公式HP https://www.taronasugallery.com/exhibition/current/

展示内容・解説

手びねりで薄く伸ばされた土をリボン状に巻いて成型する独特の手法でしられる中井波花。現象としての陶芸の生成過程に興味があると語る中井波花の作品は破壊を通して新たな創造を試みるものであり、痕跡から可逆的に時間を表現しようとしているように見える。釉薬の融点が陶土にくらべて低いことを利用し、焼成の過程で溶けていく釉薬をも作品を構成する層の一つとして取り込むその作品は、まるで地層のように成型時の環境や過程を痕跡としてとどめながら形作られていく。地層が地球の生成のプロセスを物語るように、中井の作品もまたひとつのかたちの創造という時間を可視化した、いわば記憶としてのかたちなのである。今回、中井が新しく試みたのは釉薬の操作によって色彩を作品にとりこむことである。青や朱色の色彩もまた賦彩ではなく釉薬の化学変化によるもの。鉱物を思わせるその色彩は荒々しくも繊細な表情をたたえて、有機的な造形とあいまって凛とした美しい緊張を空間に作り出す。

いわゆる純粋芸術と工芸の境界線の曖昧さをひとつの特徴とする日本美術の流れのなかで、陶芸作品はつねに多面的な存在であり続けてきた。中井作品は陶芸作品がもつ本質的多面性を備えつつ、さらに従来の陶芸の枠にとらわれない造形を目指している。オーストラリアやデンマークで陶芸を学んだ彼女にとって、既存の伝統工芸への意識はどちらかといえば希薄なように思われる。彼女の作品は陶芸作品である前に彫刻作品であり、彫刻作品である前にアートであり、そしてそれは土と火が創造するパフォーマンスの記憶であり記録というべき存在である。
既成概念を軽やかに越えて、新しい造形を模索するその若い感性に、新世代日本の現代美術のパワーを感じてほしい。
(公式HPより)

アーティスト

  • 中井 波花

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