2019/01/22

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日本の有名デザイナー11人と代表作を徹底解説

人々に愛される商品やブランドを作るデザイナーの世界。

プロダクトだけでなくブランド戦略やCM、パッケージングなどにもデザイナーの存在は不可欠で、洗練されたデザインとトレンドへの知的なセンスで時代を動かしていきます。

日本が誇る有名デザイナー11人とその代表作について読み解きながら、デザインの世界を覗いてみましょう。

1. 佐藤可士和

 

佐藤可士和(さとうかしわ)は、1965年、東京生まれのクリエイティブディレクター/アートディレクター。

多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業したのち、大手広告代理店・博報堂での仕事を経て2000年にはSAMURAIという自身のスタジオを設立しました。

デザインコンサルティングやブランド展開の戦略、空間設計など、デザインそのものをトータルでプロデュースしています。

手がけた仕事はSMAPのアートワークからNTTドコモの携帯電話のデザインなど、誰もが知る有名なものばかりで、毎日デザイン賞、朝日広告賞など受賞歴も多数。

代表作


「ホンダ ステップワゴン」CM(1997)

FFレイアウトのボンネットタイプのミニバンのさきがけとなった、ホンダのステップワゴン。

一斉を風靡したこのCMは佐藤可士和により生み出され、心地良い音楽と軽快な映像でお茶の間に新たなファミリーカーの登場を印象付けました。

 

有名企業・団体のロゴ

新国立美術館や東京都交響楽団などのシンボルマークも、佐藤可士和による仕事です。
時代にマッチしたロゴは覚えやすく洗練され、世界から見た日本というグローバルな視点からも優れたデザインとなっています。

 

2. 原研哉

 

原研哉(はらけんや)は、1958年、岡山県岡山市生まれのグラフィックデザイナー。

1983年に武蔵野美術大学の大学院を修了し、日本デザインセンターという大手デザイン会社に入社、現在は代表を務めています。

広告デザインやアートディレクションなどを手がけ、日本的なモダンな感性が原研哉の特徴です。
1998年に開かれた長野五輪では、開会式や閉会式の催しをプロデュースしたことでも有名です。

 

代表作


「無印良品」VI

今や国際的な雑貨ブランドに成長した無印良品のビジュアルイメージ(VI)は、原研哉の手によるものです。
シンプルで機能的かつおしゃれな生活雑貨としての印象作りに成功しています。

 

「蔦屋書店」VI

大人のためのスタイリッシュな本屋として有名な蔦屋書店のブランドロゴや施設サイン、グラフィックなども原研哉が担当。
TSUTAYAとは異なる落ち着いたビジュアルイメージで、新たな書店ブランドを確立しています。

 

3. 佐藤晃一

 

佐藤晃一(さとうこういち)は、1944年、群馬県高崎市生まれのグラフィックデザイナー。

1969年に東京芸術大学を卒業後、資生堂に入社し広告デザインなどを手がけ、1年足らずで毎日広告デザイン賞の特選を受賞するという快挙を達成します。

グラフィックデザイナーの先駆けとして活躍し、1971年に独立後は映画やイベントのポスターなど、東洋的な美を感じさせるアートワークを手がけ、2016年に71歳で亡くなるまでに数々の賞を受賞しました。

 

代表作


 映画「利休」ポスター(1989)

勅使河原宏監督が茶人・千利休の人生を描いた映画のポスターは、伝統の美と利休の激動の人生をフューチャリスティックなCGで表現。

佐藤晃一は、日本の伝統的なイメージを現代人にわかりやすく伝えるデザインを得意としていました。

 

コンサート「New Music Media」ポスター(1974)

シルクスクリーンで作られたこのコンサートのポスターは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵。
宣伝広告としてだけでなく、アートとしても評価される佐藤晃一の有名デザイナーとしての実力が感じられるポスターです。

 

4. 永井一正

 

永井一正(ながいかずまさ)は、1929年、大阪生まれのグラフィックデザイナー。

戦後の姫路で青春時代を過ごし、1951年に東京芸術大学を中退後、大企業や都道府県などのシンボルマークやポスターなどのビジュアルデザインを手がけました。

2020年の東京五輪のエンブレムの選考にも関わりました。

 

代表作


「三菱UFJフィナンシャルグループ」ロゴ(2005)

 

 

「MUFG」の略称で知られる大手金融企業のシンボルマークも手がけた永井一正。
円形を組み合わせ、世代を超えて覚えやすいロゴに仕上がっています。

 

「アサヒビール」ロゴ(1986)

 

 

もともとは赤で異なるデザインだったロゴマークを、永井一正の手により青に刷新したアサヒビール。
清廉なイメージのロゴで企業の技術力をアピールし、業績回復に至ったという逸話も残っています。

 

「札幌冬季オリンピック」オフィシャルマーク(1972)

 

かつて北海道で開かれた五輪のシンボルも、永井一正によるデザインです。
日の丸や雪の結晶のモチーフと文字を組み合わせたわかりやすいイメージで、デザイナー本人も気に入っているとか。

 

5. 森本千絵

 

森本千絵(もりもとちえ)は、1976年、青森県三沢市生まれのアートディレクターです。

子供の頃から広告会社でのデザイナー職を目指し、武蔵野美術大学卒業後、博報堂での広告デザインを経て2007年に独立。

大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」やテレビドラマ「てっぱん」のタイトルワーク、CanonやKIRINの商品コマーシャル、ミュージシャンのアートワークなど、人々の暮らしに関わる有名なデザインを数多く手がけています。

 

代表作


松任谷由実『POP CLASSICO』(2013)

森本千絵の仕事として、音楽CDのジャケットはよく知られているものの一つです。
Jポップ界の大御所のマスターピースともいえる作品を、繊細かつ大胆なデザインで彩っています。

 

Mr.Children『HOME』(2007)

長いキャリアを誇るミスチルの名作アルバムに、ポップアートを思わせるデザイン。
『HOME』以降、複数のシングルやアルバムのアートワークに、森本千絵が起用されています。

 

6. 亀倉雄策

 

亀倉雄策(かめくらゆうさく)は、1915年、新潟県出身のグラフィックデザイナー。

1935年から新建築工芸学院でバウハウスなどのデザインやアートの理論を学びました。
日本の広告デザインの草分けの一人として、ニッポン放送やフジテレビの旧ロゴマーク、ニコンのポスターなど有名なデザインを多数手がけました。

 

代表作


「東京オリンピック」シンボルマーク(1964)

アジア地域で初めて開かれた五輪大会のロゴを手がけた亀倉雄策。
金色の五輪マークに赤い日の丸を組み合わせたデザインは、豊臣秀吉の陣羽織にインスパイアされたものだとか。

 

「東京オリンピック」ポスター(1964)

1964年の東京五輪で亀倉雄策は、ロゴマークだけでなくポスターも手がけました。
五輪PRポスターとしては初めて写真を使用し、短距離走者が走り出す一瞬を表現した臨場感のあるイメージは高い評価を得ました。

 

7. 浅葉克己

 

浅葉克己(あさばかつみ)は、1940年、神奈川県横浜市生まれのアートディレクター。

県立工業高校の図案科を卒業後、百貨店で広告や内装に関わる仕事をするかたわら、タイポグラフィについて学びました。

1964年からは広告制作プロダクションのライトパブリシティでキャリアを積み、キューピーマヨネーズなどの宣伝で有名クリエイターに。

1975年から独立し、アートディレクターとして第一線で活躍を続け、2020年の東京五輪のエンブレム選考審査員にも名を連ねました。

 

代表作


西武百貨店「おいしい生活」

コピーライターの糸井重里による「おいしい生活」のキャッチコピーで有名な、西武百貨店のポスターやCM。
イメージキャラクターに映画監督のウディ・アレン、テーマソングに矢野顕子を起用し、浅葉克己はバブル経済の象徴ともいえるCMを作り上げました。

 

サントリーオールド「夢街道」

ウイスキーの趣きを表現するために、シルクロードをモチーフとして使ったポスター。
一杯のグラスの向こうに広がる物語を想起させる演出で、日本の広告史に残る名作です。

 

8. 田中一光

 

田中一光(たなかいっこう)は、1930年、奈良県奈良市生まれのグラフィックデザイナー。

1950年に京都市立美術専門学校を卒業後、カネボウ紡績、産経新聞社の勤務を経てライトパブリシティに入社しました。
1963年には独立し、西武百貨店や無印良品を擁するセゾングループのクリエイティブディレクターなどを務めました。

 

代表作


「無印良品」

1980年、田中一光は無印良品のアートディレクターに就任。
従来の消費財と大きく異なり、禅や侘び寂びにも通じるシンプルな贅沢さを伴って生活に新たな美学を持ち込みました。

 

「西武百貨店」包装紙

田中一光が残した作品のうちもっとも有名なものが、西武百貨店の包装紙。
青を緑、円形という限られた要素だけで百貨店の品格や高級感などを表現した、時代に左右されない名デザインです。

 

9. 佐藤卓

 

佐藤卓(さとうたく)は、1955年、東京生まれのグラフィックデザイナー、パッケージデザイナー、アートディレクター。

1981年に東京芸術大学大学院を修了後、電通に入社。

3年後の1984年に独立してからも食品・飲料の有名なパッケージデザインを続々生み出し、NTTドコモのプロダクトデザインやテレビ番組のアートディレクションなど、記憶に残るデザインを制作しています。

 

代表作


ロッテ「キシリトールガム」シリーズ

日本初のデンタルサポートガムのパッケージデザインで、歯の健康を保つ食品の浸透に寄与した佐藤卓。
2007年にリニューアルされた同デザインは、グッドデザイン賞を受賞しています。

 

NHK Eテレ「にほんごであそぼ」

大人が観ても楽しい有名教育番組のアートディレクションも、佐藤卓が担当。
デザインに対する子供の興味を掻き立てるような、斬新なアイディアが満載です。

 

10. 服部一成

 

服部一成(はっとりかずなり)は、1964年、東京生まれのグラフィックデザイナー、アートディレクター。

1988年に東京芸術大学を卒業後、ライトパブリシティで活躍し、2001年に独立しました。

キューピー、JR東日本、ホンダなど名だたる大企業の宣伝のアートディレクションのほか、本や辞書の装丁、くるりやYUKIのCDジャケットなども多数手がけています。

 

代表作


「キューピーハーフ」アートディレクション

カロリー半分のマヨネーズの広告で、手作り感のある都会的なセンスを見せつけた服部一成。
手書きの文字やカジュアルなポラロイド写真が印象的なアートワークでした。

 

「ポーラ」アートディレクション

化粧品のPOLAの美容部員の制服が2019年1月から、服部一成のデザインで順次リニューアル。
親しみやすさとスタイリッシュさ、遊び心とスマートさを併せ持つ現代的なイメージです。

 

11. 吉田ユニ

 

吉田ユニ(よしだゆに)は、1980年、東京生まれのグラフィックデザイナー、アートディレクター。

女子美術大学を卒業後、大貫デザインに入社し、親しみやすいパンダの絵柄で有名な新潮文庫「Yonda?」など、現代的なキャンペーンのアートワークを手がけました。

2007年に独立後もCDジャケットや広告などのデザインで活躍しています。

 

代表作


星野源 「YELLOW DANCER」

人気ミュージシャン星野源の2015年のアルバム・ジャケット。
ほとんどの収録曲がタイアップ付きという時代を象徴するアルバムらしく、印象的なデザインです。

 

「b+ab」Fall 07

香港のアパレルブランド「b+ab」の2007年秋コレクションのビジュアルイメージでは、女の子の部屋を斬新な発想で表現。
プレイフルで自由な、吉田ユニらしいアートワークです。

 



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