2020/09/08

ポップアート美術史   
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「ポップアート」とは?代表的な画家と作品を徹底解説!

今や私たちの生活に溶け込んでいるポップアート。

美術の教科書の中だけでなく、街のどこかで目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。そもそも、ポップアートとはいったい何なのでしょうか?

今回はポップアートが誕生した時代背景や、代表的なアーティストとその作品について詳しく解説していきます。

ポップアートとは?

ポップアートの運動は、第二次世界大戦後の1950年代、イギリスで誕生しました。

身近な暮らしの中にある商品や大衆に共通するイメージなどをモチーフにしたサブカルチャーとしての表現は、今や当たり前になっていまが、1950年代にはまだ主に風景や人物などを題材やモチーフにして芸術表現が行われていました。

そんな伝統に対し、ポップアートは、自分たちの身近な暮らしの中にあるモノをテーマにして表現活動を始めた点で、とても画期的でした。アートの世界でそれまで見向きもされなかった自分たちのリアルな生活や社会が、芸術として表現されるようになったのです。

またポップアートは、パリからニューヨークへ芸術の都を移すきっかけになり、歴史的な意味を持つ芸術運動でもあります。

これまでの芸術活動でモチーフとなってきた自然の風景や人物から、自分たちの生活を取り巻く大量生産・大量消費社会というより身近な現実をモチーフにして表現しようとしたのがポップアートなのです。

ポップアートが生まれた背景

第二次世界大戦終了後の先進諸国は、大量生産・大量消費の時代を迎えることになります。毎日、おびただしい量の商品が生産されて、大衆によって大量消費されていく時代。大量消費を扇動するテレビCMなどのメディアに曝された人々は、よりよい生活を求めて商品を大量に買い求めるようになりました。

それまで美術館に展示されてきた芸術と身の回りにあふれる日常とのギャップに違和感を感じとったアーティストたちの中には、身近なところで流通している商品をモチーフにして表現するようになりました。

それがポップアートという芸術運動が生まれた時代背景なのです。

「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」(1956)

イギリスの画家リチャード・ハミルトンのコラージュ作品です。ポップアート運動の先駆けと位置づけられている作品で、現在ドイツ・テュービンゲンのテュービンゲン美術館が収蔵しています。

コラージュのベースは「Ladies Home Journal」という雑誌に掲載されたリビングの広告写真です。

当時の庶民が暮らした典型的な間取りを描写し「Just what is it that makes today’s homes so different, so appealing?」という広告のタイトルをそのまま引用した作品です。雑誌の広告を切り抜いてコラージュが施されており、アメリカで本格化するポップアート運動の技法がすでに用いられていました。

ポップアートの代表的な画家

1.ジャスパー・ジョーンズ

ジャスパー・ジョーンズは、ロバート・ラウシェンバーグとともにアメリカのネオダダやポップアートのムーブメントを牽引してきた重要な作家です。1930年にジョージア州オーガスタに生まれ、1949年にニューヨークへ進出しました。

1954年頃からアメリカの国旗や標的、数字などをモチーフにした作品を発表。平面にこだわり、3次元を平面に描いて再現するのではなく、あくまでも絵画がモノとしてそこに存在するオブジェクト的な表現を目指しました。着色した蜜蝋を使用する古い技法「エンカウスティーク」で描くことが多く、作品に独特のテクスチャーを生み出しています。

「標的と4つの顔」1958年

2.アンディ・ウォーホル

アンディ・ウォーホルは、アメリカにおけるポップアートの旗手と言われている幅広い分野で活躍したマルチアーティストです。銀髪のカツラと黒縁メガネがトレードマークで、ロックバンドのプロデュースや映画監督を務めるなどマルチな活動で知られています。

大学卒業後に広告業界でデザイナーとして活躍したウォーホルは、新聞広告美術の部門で「アート・ディレクターズ・クラブ賞」を受賞するなど優れた広告デザイナーでもありました。

しかし、1960年 (32歳)のときに、広告業界からファインアートの世界へと転向。1961年 (33歳)には、自身が毎日食べていたキャンベル・スープの缶などをモチーフにした作品を制作するようになり、現代アーティストとして大きく知られることとなりました。

「キャンベルのスープ缶」1961年

3.ロイ・リキテンスタイン

ロイ・リキテンスタインもアメリカのポップアート界を代表するアーティストの1人です。

マンガの1コマの吹き出しからドットにいたるまで、すべてを大きく拡大して再現する手法で知られています。

ロイ・リキテンスタインの代名詞ともいえる、漫画の1コマを拡大した作品が登場するのは1960年に入ってからです。自分の子供にミッキーマウスのマンガを描いてやったとき、従来の表現方法にはないインパクトがマンガにはあると気づき、マンガをモチーフにしたシリーズ作品が誕生したと言われています。

「Hopeless」1963年

ポップアートの傑作3選

「旗」1955年

「旗」は、1954から55年にかけてジャスパー・ジョーンズが24歳のときに制作した作品です。

アメリカ国旗をモチーフにしており、大きなアメリカ国旗を描く夢を見たことが制作のきっかけになっているようです。夢を見た翌日の早朝、起きるなりすぐさま画材を買いに行き制作を始めたと、後にジャスパー・ジョーンズはふりかえっています。

「エンカウスティーク」という蜜蝋を使用する古い技法で描かれており、国旗が独特なタッチでまったく違うモノとして表現されています。アメリカ国旗という誰もが知るありふれたイメージをアート作品にするという、これまでは考えられなかった表現方法で制作された「旗」(1955)は、アメリカンポップアートの記念碑的な作品のひとつと位置づけられています。

「マリリンモンロー」1962年

マリリン・モンローの死去という衝撃的なニュースをキッカケにしてアンディ・ウォーホルが制作したシルクスクリーンのシリーズ作品です。

マリリン・モンローが明るく着色されたりモノクロで表現されたりと、アメリカ映画界のセックスシンボルでもあったひとりの女優の人生をさまざまな角度から多重的に見せる意図で制作されています。映画「ナイアガラ」のスチール写真からマリリン・モンローの肖像画を切り抜いてモチーフに用いたもので、アンディ・ウォーホルの代表作とされる作品です。

映画「ナイアガラ」1953年

一斉を風靡した有名女優として、現代でも大衆にそのイメージを消費されているノーマ・ジーン(マリリンの本名)の人生を象徴しているような作品です。

「M-Maybe」1965年

「M-Maybe」を日本語に訳すと「た、 たぶん」となります。

ロイ・リキテンスタインの代表作とされる作品で、マンガの1コマの台詞の吹き出しや効果音、細かいドットにいたるまでを大きく拡大して描いています。女性は黒い輪郭線で描かれており、色彩は赤、黄、青の3原色のべた塗りで、立体感や影はドットの大きさや密度を変えることで表現しています。赤いドットで描かれた女性の肌、マンガらしいセリフの吹き出しなど、ロイ・リキテンスタインの特徴がもっとも現れている作品です。

大衆受けするマンガのサブカルチャーとしての側面に面白さを見出したところが、このシリーズ作品のオリジナリティーと言えるでしょう。マンガの1コマをアートの域まで見事に昇華させたポップアートの記念すべき作品です。

 

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ポップアートというアートムーブメントの詳しい解説がある。ポップアートに関連した専門用語や人名が出てくるので、予備知識がある人にはもっと面白い。ポップアートに影響を与えたダダイズムについても詳しく書かれていて良い。

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まとめ

大量生産・大量消費の時代を迎え、私たちは否応なしに大量消費を促すメディアに曝されています。

美術館の展示物と日常生活との間にギャップを感じたアーティストたちが、より身近なものを題材にして表現してきた活動が、ポップアートの芸術運動です。ポップアートは、それまでの伝統的な自然や風景、人物などを題材にした芸術表現の呪縛から、アート作品を解放した芸術運動であったと言えるでしょう。

ポップアートのアーティストは、身近な暮らしの中にアートの要素を見出すという従来のアート表現にはなかった方法で革命を起こした人達なのです。

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