ミレーの絵画「オフィーリア」を解説!川に浮かぶ王妃の悲話
英国の美術作品の中でも、最高傑作と言われる、ミレーの「オフィーリア」。
一度目にすると忘れられない、美しい描写が人々を魅了し、現在でも多くのファンがいます。
この作品に描かれている女性は、ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『ハムレット』の主人公の恋人、オフィーリアです。
今回は多くの人を虜にするオフィーリアの題材から、隠れた花言葉までを詳しく解説します。
「アート診断」
Q1.希望の価格帯は?
Q2.気になるジャンル・モチーフは?
あなたにおすすめの作品が
57件見つかりました!

煌めくカエルは上を目指す
¥8,800

Untitled PS-7(*Its title is within you.)
¥7,700

Jazz
¥9,900

Book street
¥8,000

Bluebranch
¥9,460

City, Night of Silence
¥8,800
あなたにおすすめの作品が
140件見つかりました!

アブストラクトなトカゲは上を気にする
¥10,500

words_4
¥14,740

Music.
¥27,500

Sky
¥15,400

コンポジション -コッパーフィルド-
¥27,500

japonisme 1
¥22,000

ブルーグラスのトンボは羽を大きく広げる
¥12,100

Untitled(nurses)
¥24,200
あなたにおすすめの作品が
171件見つかりました!

Deer of the colorful flowers
¥34,100

Whale3
¥110,000

words_5
¥90,090

Autumn colors
¥51,110

Sailing
¥30,800

meditation/magnolia
¥60,500

Jazzing/Embracing
¥55,000

寿。限。無。
¥66,000
あなたにおすすめの作品が
23件見つかりました!

_space
¥9,680

なでしこ
¥6,600

山桜
¥5,500

センに思う想い
¥7,700

LIFE XLVIII (48) – BLUE (Image Transfer)
¥3,850

LIFE X (Limited Edition 3/300)
¥3,300
あなたにおすすめの作品が
73件見つかりました!

白鶴の調べ
¥10,780

Sasanqua
¥12,100

曼殊沙華 (九)
¥13,200

桜(SM)
¥13,200

シマエナガ
¥22,000

水仙
¥16,500

LIFE XXII (Image Transfer)
¥16,500

日本画 ヒナゲシ畑 原画
¥14,300
あなたにおすすめの作品が
87件見つかりました!

枇杷鷹の図
¥37,400

曼殊沙華(十)
¥39,600

桜
¥30,800

藪椿 (やぶつばき)
¥66,000

Whale3
¥110,000

東京タワーは星に願う
¥27,500

meditation/anemone
¥82,500

桜桃と猫
¥110,000
あなたにおすすめの作品が
30件見つかりました!
あなたにおすすめの作品が
135件見つかりました!

コンポジション -コッパーフィルド-
¥27,500

エボシカメレオン
¥27,500

words_4
¥14,740

no.element
¥23,524

白い窓
¥11,000

Apples
¥11,000

カラー
¥28,600

ブドウ(クイーンニーナ)
¥22,000
あなたにおすすめの作品が
202件見つかりました!

The Red-Bar
¥44,000

An Apple on Blue Glass Plate
¥66,000

【F50号】金魚ー桜ー
¥77,000

バタールとシードレス
¥176,000

紅富士(赤富士)
¥38,500

舞遊
¥33,000

溢れる華 Blooming flowers
¥39,600

かぐや姫 1
¥60,000
あなたにおすすめの作品が
94件見つかりました!

大好きなポピー No.6
¥9,600

路の草花(ろのくさばな)Roadside wildflowers
¥3,850

mite
¥2,497

月灯(額付)
¥7,700

春浅し
¥5,500

つなぐ者たち(ハンドウイルカ)
¥7,700
あなたにおすすめの作品が
177件見つかりました!

German iris
¥19,800

Wildlife Garden No.5
¥13,200

Voice of the mountain
¥22,000

水彩画原画 富士山と鎌倉稲村ヶ崎 #483
¥27,500

White background#1
¥22,000

ミニバラ
¥11,000
あなたにおすすめの作品が
87件見つかりました!

癒しの花々
¥33,000

Whale3
¥110,000

帆走ヨット・江の島沖 #465
¥49,500

ぐうたらタイムの秋田犬とチレコドン
¥44,000

水彩画原画 トスカーナの丘 イタリア #484
¥38,500

アンスリューム
¥34,100
あなたにおすすめの作品が
80件見つかりました!
あなたにおすすめの作品が
170件見つかりました!

NAVY BLUE
¥11,000

こころもよう No.14
¥16,500

Holy Land
¥18,700

Pressed plants black#1
¥12,100

盛夏
¥12,100

大好きなポピー No.16
¥13,200
あなたにおすすめの作品が
166件見つかりました!

Yellow Field at Night
¥33,000

青龍 誉
¥165,000

Facade -corten steel-
¥165,000

Autumn colors
¥51,110

meditation/camellia
¥63,800

舞遊
¥33,000
あなたにおすすめの作品が
34件見つかりました!
あなたにおすすめの作品が
89件見つかりました!

燃えるポピー・5月
¥17,600

風を感じて・4月
¥19,800

レストラン SCANDIA
¥17,600

水彩画原画 富士山と鎌倉稲村ヶ崎 #483
¥27,500

月の音
¥26,400

お花畑 No.1
¥13,200
あなたにおすすめの作品が
55件見つかりました!

帆走ヨット・江の島沖 #465
¥49,500

丘の上の雲・4月
¥36,300

紅い雲・12月
¥33,000

京都 祇園祭
¥33,000

紅富士(赤富士)
¥38,500

white birch
¥88,000
「オフィーリア」の作者・ミレー
「オフィーリア」の作者はジョン・エヴァレット・ミレーです。
19世紀(1829年6月8日~1896年8月13日)のイギリスの画家で、ラファエル前派の一員として数えられます。
ミレーの幼少期、彼には優れた画才があることに気がついた両親は、ミレーにさらなる美術教育を受けさせるため、1836年ロンドンへ移住します。
ミレーは、わずか11歳にして、ロンドンのロイヤル・アカデミー付属美術学校に、史上最年少で入学しました。
それからアートを精力的に学び、16歳の時にロイヤル・アカデミー賞の年次展に入賞。これを機に、ミレーの類稀なる才能が世に知れ渡ることになります。
その後「ロレンツォとイザベラ」「両親の家のキリスト」などの作品を生み出しましたが、世間からの評価が最も高かったのが「オフィーリア」です。
オフィーリアはミレーを代表する傑作となりました。
ミレーの絵画「オフィーリア」の物語
シェイクスピアの「ハムレット」
では、この絵画の題材となったオーフィリアとは一体誰なのでしょうか?
オフィーリアとは、シェイクスピアの4代悲劇の一つ、『ハムレット』に登場する、ヒロインです。
『ハムレット』は、ある日、急死したハムレットの父の死因が、ハムレットの叔父にあたるクローディアスによる毒殺だと知ったハムレットの復讐を描いた物語です。
そのハムレットの恋人がこの絵画に描かれたオフィーリアなのです。
「ハムレット」のストーリー
主人公ハムレットは、オフィーリアと恋仲の青年。
ある日、国王(ハムレットの父)が急死してしまい、王の弟が代わりに即位します。そして、亡くなった王の妻(ハムレットの母)は新たに王となった弟と結婚します。
しかし、後日ハムレットは王の亡霊から「私は弟に殺された。王位と妻を簒奪された」と伝えられます。
実は、弟が国王を毒殺していたのです。
事実を知ったハムレットは狂気を装い、弟を殺して復讐することを誓います。ハムレットはその後、過激な言葉で物事を批難するようになります。
恋人オフィーリアはそのハムレットの変貌ぶりに驚き戸惑いますが、宰相ポローニアス(オフィーリアの父)はハムレットの狂気をオフィーリアへの恋わずらいによるものだと予測します。
オフィーリアの悲劇の結末
ある日、ハムレットは王妃(ハムレットの母)と会話しているところを、隠れて盗み聞きしていた宰相ポローニアス(オフィーリアの父)を、王と誤って刺殺してしまいます。
復讐に燃える恋人に、冷たい態度を取られ続けられたうえ、自身の父親を殺されてしまったオフィーリアは、自ら川に身を投じ、溺死に及びます。
ミレーの「オフィーリア」は、悲劇的な運命を遂げた彼女の最期を描いた作品なのです。
絵画「オフィーリア」の鑑賞ポイント
ラファエル前派の様式にならった絵画
当時のロイヤル・アカデミーの教育は、ルネサンス期のラファエロを頂点としたものでした。
それ以外の表現を認めない方針に不満を持ったミレイら若い画家が集まって1848年に興した芸術運動が、ラファエル前派です。
彼らはラファエル以前の中世や初期ルネサンス美術を規範とし、伝説や文学を題材として、素朴な信仰心や美に対する純粋な思いを描きました。
敬虔で清楚な優雅さ、自然観察を重視し細部まで丁寧に描き上げられた描写が特徴です。
「オフィーリア」はラファエル前派の最高傑作のひとつ。
鋭い観察から生まれる緻密なシチュエーションと斬新な構図や、背景のみずみずしい自然と繊細な筆づかいなど、ラファエル前派の理想がこの一枚にちりばめられています。
切ない花言葉
夢の中を漂っているようなオフィーリアの姿、虚ろな表情は、緻密な写実描写でありながら、むしろ非現実の幻想的な世界を思わせます。
オフィーリアを囲むように水に浮かぶ草花も印象的ですよね。
これらの意味を理解すると、絵画に込められた切なさを、より深く感じ取ることができます。
描かれている花は12種類です。
ケシ | 死 |
スミレ | 貞節 |
ひな菊 | 無邪気 |
パンジー | 無駄な愛 |
バラ | 愛 |
柳 | 見捨てられた愛 |
いらくさ | 後悔 |
野バラ | 孤独 |
西洋ナツキソウ | 幸福 |
ミソハギ | 愛の悲しみ |
勿忘草 | 私を忘れないで |
きんぽうげ | 可愛い子 |
これらの花言葉からは、正気を失い、色々な感情が入り交じったオーフィリアの気持ちが絵画の情景となっていることがわかります。
「オフィーリア」のモデル
「オフィーリア」のモデルとなったのは、19世紀イギリスの詩人、美術家のエリザベス・エレノア・シダル。
シダルは、多くのラファエル前派の画家のモデルを務めたことで有名な女性です。
しかし、画家のロセッティと結婚後、モデルを務めることを許してもらえない上に、夫に振り回される生活を送っていました。
次第に体調が優れなくなり、麻薬を多用することになります。
その結果、わずか32歳という若さで生涯を終えたのです。その人生はまるでオフィーリアの悲劇のようでもあったのです。
数少ないスケッチ
本来、絵画ができるまでには、念入りにスケッチがされます。
しかし、ミレーの「オリーフィア」に関しては、残されたスケッチがとても少ないのが特徴です。
ミレーは自分のイメージに合う景色を探し、ロンドン郊外にあるホッグズミル川を見つけました。
背景のイメージを掴んだミレーは、人物を描くときはリアリティを出すために、モデルにバスタブに湯を張り浸かってもらうという要求をしました。
そのためミレーはそのお湯が冷めてしまう前に、スケッチを終える必要がありました。
残されたスケッチの数が少ないのは、スケッチを短時間で済ませなければなかったためだったのです。
絵画「オフィーリア」の評価
公開当時はそれほど評価は高くなかった
1852年、ロイヤル・アカデミーで展示された「オフィーリア」。
称賛の声もありましたが、当初の評判は芳しくないものでした。
「雑草に囲まれた川にオフィーリアを水浸しにする神経は理解しがたく、悲哀と美しさを奪っている」というタイムズ紙の批評をはじめ、オフィーリアの放心したような表情に、知性の欠如を指摘するものまでありました。
ラファエル前派の支持者であった批評家ラスキンも、技術は認めながらも背景の描写については疑問を呈しています。
しかしやがて、精緻な草花や風景の正確な描写を賞賛されるようになり、後世の画家に影響を及ぼしていきます。
サルバドール・ダリの賞賛
ミレーの没後40年となる1936年、「オフィーリア」は再び注目を集めこととなります。
シュルレアリスムの画家、サルバドール・ダリが、シュルレアリスムの雑誌でこの作品を高く評価したのです。彼は、
「眩いばかりに美しく、同時に最も理想的で、最も恐ろしい女性像を描きだして見せた」
と、オフィーリアを高く評価しました。
何度もオマージュされる「オフィーリア」
ミレーの「オフィーリア」は、現代でもさまざまな場面でオマージュされています。
ファッション雑誌から芸術写真、映画やCMなど形式は様々。
悲劇のヒロイン・オフィーリアは時代を超えて、作家の創作意欲を掻き立てるモチーフなのです。
こちらは、樹木希林さんがオフィーリアに扮した2016年の宝島社の企業広告。
”死ぬときぐらい好きにさせてよ”は、新聞の広告で目にした人も多いのではないでしょうか。
原画に忠実に再現されていますが、周りの花に日本的エッセンスが加えられています。
胸元の赤い花は椿。「気取らない美しさ」「慎み深い」が花言葉です。
こちらは、ポーランドの女性写真家ドロータ・ゴレッカの作品。幻想的な空気感までもが再現されています。
水に浮かぶ女性、というモチーフはこのように何度もオマージュされているのです。
ミレーの「オフィーリア」と夏目漱石
夏目漱石の初期の名作「草枕」。
実は、この小説が書かれた背景には、ミレーの「オーフィリア」が関わっています。
当時英語教育の研究のため、ロンドン2年間のロンドンでの研修を言い渡された夏目漱石。
異国の地で神経衰弱になってしまった彼の精神を救ったのが、ミレーの「オフィーリア」でした。
漱石は、「この女性は、どうしてこんな表情でこの場所にいるのだろうか」と考え、妄想を繰り広げます。
ミレーの「オフィーリア」には、漱石の病んだ心に響く美しさが溢れていたのです。
「オフィーリア」と出会ったのち、漱石は「草枕」を執筆することになります。
小説「草枕」は、オフィーリアの絵画からのインスピレーションが反映された小説なのです。
ミレーの「オフィーリア」が見れる美術館
ミレーが描いた「オフィーリア」はロンドンにある「テート・ブリテン」で見ることができます。
テート・ブリテンでは、1500年代のテューダー朝美術にはじまり、現代に至るまでの絵画を中心とした、イギリス美術を時代順に展示しています。
特にラファエル前派のコレクションが充実していて、ロンドンを訪れたら是非行きたい美術館の一つです。
ロンドン テート・ブリテン詳細
住所 Millbank, London SW1P 4RG
電話 020-7887-8000
アクセス 地下鉄ピムリコ駅から徒歩9分
営業時間 10:00~18:00 (最終入場時間17:00)
毎月第一金曜日は21:00まで開館
休館日 12月24~26日
入場料 無料(特別展は有料)
まとめ
悲劇のヒロインを描いた絵画「オフィーリア」。
その美しい描写の意味を知ると、絵画の見え方も変わってくるのではないでしょうか?
オフィーリア描いた絵画はたくさんありますが、その中でも、ミレーが描くオフィーリアは、切ない情景が美しく描かれた素晴らしい作品です。
もし機会があれば、ぜひ、本物の作品を味わいたいですね。
\ おすすめ記事 /
LINEで 無料診断!
アート作品を購入してみたいけど、
「どこで買えば良いかわからない…」
「どんな作品を購入すれば良いかわからない…」
という方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために、thisisgalleryの公式LINEアカウントから、気軽に相談できる 無料アート診断 サービスをリリースしました!
専門アドバイザーが、あなたに最適な作品をセレクト。
インテリアに合った作品のご提案や、オーダーメイドのご相談など、様々なお悩みを解決します。
\ こ ん な 方 に お す す め /
部屋に合った絵画・アート作品が欲しい
作品をどこで探したら良いかわからない
似顔絵・オリジナルのアートギフトを贈りたい
手軽な価格で絵画をオーダーしたい
\ L I N E で い ま す ぐ 診 断 ! /
関連記事

ゴッホの「耳切り事件」とは?左耳を切り落とした理由について詳しく解説
特徴的な色使いと力強い筆致で見る人を引きつけるゴッホの作品。フィンセント・ファン・ゴッホは、その炎のように激しい画風から「炎の画家」と呼ばれています。 世界で最も有名な画家の一人として数えられるゴッホですが、彼が不世出の画家として

サマソニ2022 東京「Music Loves Art in Summer Sonic 2022」開催、レアンドロ・エルリッヒらが参加
日本最大級の都市型ロック・フェスティバル「SUMMER SONIC(サマーソニック)」。 2022年のサマソニ東京会場では、国内外で活躍するアーティストたちによる大型アート作品展が開催されることになりました。 このイベントは文化庁が主催

大津絵とは?柳宗悦・ピカソも絶賛した風刺画の魅力について詳しく解説
「大津絵」をご存じでしょうか。 江戸時代、浮世絵と並ぶ二大民画と言われた大津絵は、軽くて持ち運びのしやすい土産物として東海道大津宿で人気を博しました。 大胆でのびのびとした筆遣いと鮮やかな彩色、ユーモラスで風刺のきいた絵柄は見る

ゴッホの浮世絵コレクション500枚をゴッホ美術館が無料公開!見どころを詳しく解説
500枚の浮世絵から紐解く 浮世絵がゴッホに与えた影響とは? ジャポニズムの影響を受け、日本に傾倒したパリの画家たち。 ゴッホもその例外に漏れず、日本に深い憧れを持ち、日本に行きたいとさえ願った画家の一人です。 浮世絵にイン

山下清とは?日本のゴッホと呼ばれた画家の人生や代表作品を解説!
緻密で色鮮やかな作風のちぎり絵で名を馳せ、「日本のゴッホ」と称された画家・山下清。 テレビドラマ「裸の大将放浪記」のヒットにより、坊主頭にランニングシャツと半ズボンの出立ちで全国を放浪した画家という印象が強いですが、ドラマでは描かれな