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日本の世界遺産一覧|全25件の文化遺産・自然遺産の登録理由、見どころを詳しく解説

皆さんは日本に何件の世界遺産があるか知っていますか?

全世界にある世界遺産は合計1154件、日本では1993年に初めて「法隆寺地域の仏教建造物」と「姫路城」が登録されて以来、25件(2022年11月現在)の世界遺産が登録されています。

日本が誇る風光明媚な世界遺産は、日本古来の歴史や文化を体感させてくれる貴重な資産です。

今回は、一度は訪れたい日本の世界遺産、全25件の登録理由と見どころを詳しくご紹介します。

 

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世界遺産とは?

世界遺産とは、「顕著な普遍的価値を有するもの」と規定されており、世界遺産条約に基づいて作成される「世界遺産一覧表」に記載されている物件を指します。

 

建造物や遺跡などの「文化遺産」、自然地域などの「自然遺産」、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた「複合遺産」の3種類があり、21カ国の委員国から構成される「世界遺産委員会」で議決されます。

2022年11月現在、全世界の世界遺産は、文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件の合計1154件です。

日本はその中で25件(文化遺産20件・自然遺産5件)の世界遺産を有し、保有数は全世界で11位です。

 

日本の世界遺産一覧

No. 資産名 所在地 記載年 区分
1 法隆寺地域の仏教建造物 奈良県 平成5年  文化
2 姫路城  兵庫県  平成5年  文化
3 屋久島  鹿児島県  平成5年  自然
4 白神山地  青森県・秋田県 平成5年  自然 
5

古都京都の文化財

(京都市、宇治市、大津市) 

京都府・滋賀県 平成6年  文化
6 白川郷・五箇山の合掌造り集落  岐阜県・富山県 平成7年 文化
7 原爆ドーム  広島県  平成8年  文化
8 厳島神社  広島県 平成8年  文化
9 古都奈良の文化財 奈良県  平成10年 文化
10 日光の社寺  栃木県  平成11年 文化
11 琉球王国のグスク及び関連遺産群  沖縄県  平成12年 文化
12 紀伊山地の霊場と参詣道  三重県・奈良県・和歌山県  平成16年  文化
13 知床  北海道  平成17年  自然
14 石見銀山遺跡とその文化的景観  島根県  平成19年  文化
15 小笠原諸島  東京都  平成23年  自然
16

平泉‐仏国土(浄土)を表す

建築・庭園及び考古学的遺跡群‐ 

岩手県  平成23年  文化
17 富士山‐信仰の対象と芸術の源泉‐  山梨県・静岡県  平成25年  文化
18 富岡製糸場と絹産業遺産群  群馬県  平成26年  文化
19

明治日本の産業革命遺産 

製鉄・製鋼、造船、石炭産業 

福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・山口県・岩手県・静岡県  平成27年  文化
20

ル・コルビュジエの建築作品

‐近代建築運動への顕著な貢献‐ 

東京都 平成28年  文化
21

「神宿る島」宗像・沖ノ島と

関連遺産群 

福岡県  平成29年  文化
22

長崎と天草地方の

潜伏キリシタン関連遺産 

長崎県・熊本県  平成30年  文化
23

百舌鳥・古市古墳群

‐古代日本の墳墓群‐ 

大阪府  令和元年  文化
24

奄美大島、徳之島、沖縄島北部

及び西表島 

鹿児島県・沖縄県  令和3年  自然
25 北海道・北東北の縄文遺跡群  北海道・青森県・岩手県・秋田県  令和3年  文化

 

日本の世界遺産|登録理由と見どころ

法隆寺地域の仏教建造物(1993)

登録年 1993年
種類 文化遺産

法隆寺地域の仏教建造物」は世界最古の木造建造物ということで、姫路城とともに日本初の世界遺産として登録されました。

奈良県生駒郡斑鳩町にあり、法隆寺の47棟と法起寺の三重塔の48棟が遺産に含まれています。

この地域の仏教建築物は聖徳太子との関わりが深く、また中国文化の影響も受けています。

第二次世界大戦後に国宝および重要文化財に指定されたのち、世界遺産となりました。

\ ここが見どころ /

およそ18万7千mある境内には、飛鳥時代を現在に伝える法隆寺はじめ、世界最古の木造建造物が広がります。広大な敷地にある建築物の配置や木造建築としての構造などは、現在の寺院建築の配置文化に影響を与えました。そんな初期の仏教建築の姿を残し、日本の仏教寺院建築の変遷をうかがうことができる文化遺産です。

 

姫路城(1993)

登録年 1993年
種類 文化遺産

兵庫県姫路市にある姫路城は、法隆寺とともに日本で最初の世界文化遺産となりました。

登録の理由は、「木造建築の中で美的完成度が最高の位置にあり、日本のみならず世界にも類のない優れた建築物」ということです。

400年以上の歴史を持つ姫路城は、徳川家康の次女督姫の夫である池田輝政により建てられたもので、関ヶ原の戦いの翌年にあたる慶長6年(1601)から8年かけて建設されました。

\ ここが見どころ /

シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれる姫路城。外壁は白漆喰総塗籠(しろしっくいそうぬりごめ)という手法でできており、保存状態も良く、また防御に工夫した城郭の構造は日本ならではの作りです。世界からも注目される国宝であり世界遺産の、白く美しい姫路城を堪能ください。

 

屋久島(1993)

登録年 1993年
種別 自然遺産

屋久島(やくしま)は、驚異的な樹齢の屋久杉、固有種や絶滅の恐れがある動植物など、珍しく美しい自然と生態系を数多く有していることで、世界自然遺産に登録されました。

鹿児島県の大隅半島佐多岬から、南南西へ約60kmの海上にある屋久島ですが、その中でも世界自然遺産地域は西部林道から山頂部にかけた10,747ヘクタールと、島全体の約21%にあたります。

また、遺産地域の96%は国有林です。

\ ここが見どころ /

樹齢数千年の屋久杉が立ち並ぶ景色が、歴史と時代を感じさせてくれること間違いなしです。世界遺産ではありませんが、日本で30番目の国立公園となった「屋久島国立公園」もぜひ立ち寄ってみてください。 

 

白神山地(1993

登録年 1993年
種別 自然遺産

屋久島とともに日本で初めて世界自然遺産に認定された白神山地

人の影響をほとんど受けていないブナ林は純度の高さやすぐれた原生状態の保存状態、動植物相の多様性で世界的に特異な森林であることから、登録されました。

白神山地には1,000万本ものブナがあり、豊かな生態系を育んでいます。

ブナは元々使用価値が低く、また都心部から離れた立地であることから伐採や植樹がされず残っていると言われています。

\ ここが見どころ /

世界遺産エリアの付近には、白神山地の豊かな自然をハイキング感覚で楽しめる場所が点在しています。白神山地の西側に位置する十二湖の一つ「青池」や、その中の一つである「沸壺の池」は、幻想的な世界に吸い込まれそうな澄んだ青さが美しい池で、一番の見どころでしょう。絶景が一望できる「大崩展望所」もおすすめポイントです。

 

古都京都の文化財(1994)

登録年 1994年
種類 文化遺産

京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の23市に点在する17の文化財から成る世界文化遺産です。

登録理由は主に2つあり、平安時代から江戸時代までの各時代を代表する国宝の建造物や、特別名勝の庭園など、時代的・文化的な背景を今に伝えているという点。

そして、その後の日本の建築や造園、都市の発展に大きく影響を及ぼしたという点です。

遺産そのものの保護状況が優れていたこともあり、1994年、日本で5番目の世界遺産として登録されました。

\ ここが見どころ /

必ず見ておきたいのは、やはり鹿苑寺(金閣寺)。足利義満の別邸として使われ、1950年に焼失、今の金閣寺はその後再建したものです。金箔に覆われて輝く美しい舎利殿ですが、晴れた日には池の水に写り込む「逆さ金閣」も見どころです。

 

白川郷五箇山の合掌造り集落(1995)

登録年 1995年
種類 文化遺産

岐阜県と富山県にある大小100棟余りの合掌造りの集落が世界遺産登録されており、今でもそこで人々の生活が営まれています。

合掌造りの家が一挙に見られるのは全国でここだけで、環境や風土によって生み出された合掌造りの家屋は、合理的で優れた家屋であることから世界遺産登録されました。

また、互いに支え合い繋がりを大切にした「結(ゆい)」の精神が今もなお残っていることも大きく影響しています。

\ ここが見どころ /

世界遺産に登録されているのは、岐阜県大野郡白川村と富山県南砺市五箇山の二つの地区ですが、白川村は規模が大きく、観光地として整備されているので有名です。一方で五箇山は小規模なのでより素朴な生活風景をみることができ、どちらも日本の原点である農村文化や暮らしを深く感じる「日本の故郷」のような場所です。 「平瀬温泉」等、雄大な自然が体感できるスポットも満載です。

 

原爆ドーム(1996

登録年 1996年
種類 文化遺産

原爆ドームは「二度と同じような悲劇が起こらないように」と戒めの願いを込めて登録された、負の世界遺産の一つです。

人類史上初めて投下された原爆の恐ろしさを現代に伝える建物であり、当時の状況を今に残す世界唯一の建物のため、永久保存されることになりました。

原爆投下前の広島では木造2階建てが多く、もともと広島物産陳列館として開館された本館のヨーロッパ建築は、目を引く建物でした。

原爆投下によってドーム状の骨組みの形が残ったことにより、市民の間で「原爆ドーム」と呼ばれるようになりました。

\ ここが見どころ /

一時は老朽化が激しく取り壊しの話も出ましたが、平和の大切さを願う建物として永久保存されることになりました。「広島平和記念碑」とも呼ばれており、時代を超えて核兵器の恐ろしさと廃絶、平和の大切さを訴え続けています。また、世界遺産登録はされていませんが、二度と同じ過ちを繰り返さないよう平和記念公園が造られており、あわせて立ち寄ってみてください。

 

厳島神社(1996)

登録年 1996年
種類 文化遺産

厳島神社が世界遺産に登録された理由は、瀬戸内海にそびえ立つ朱色の大鳥居はじめ、独特の景観を持つ建造物であることが挙げられます。

全国に約500社ある厳島神社の総本社であり、世界遺産に登録されているのは厳島の約14%にあたる厳島神社と弥山原始林ですが、古くから島全体が神聖な地として崇められています。

平清盛は平家の守護神として厳島神社を尊崇し、平家一門の権力が増大するにつれ増築を行い、現在の形に発展させたと言われています。

\ ここが見どころ /

厳島は一般的には「安芸の宮島」と呼ばれ親しまれており、宮島の美しい自然景観は日本三景の1つです。存在感のある大鳥居は「高さ16m、横幅24m」で海の中にそびえ立ちますが、干潮になると歩いて近くまで行くことができます。海に面した木造建築物のため、何度も大規模な修復が行われ、厳島神社の象徴と美しさを守り続けています。

 

古都奈良の文化財(1998)

登録年 1998年
種類 文化遺産

奈良の世界遺産は8つの建物(東大寺、興福寺、春日大社、春日山原始林、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡)が構成資産として登録されています。

その理由は、「東アジアの古代の都の中で8世紀の木造建築が残る場所は他になく、その建造物からは中国や朝鮮半島との文化交流の歴史が示されている」ということが評価されました。

また、現代に息づく仏教などの宗教文化の特徴をしめし、その建造物と自然が一体となった文化的景観が保管されている、という点も登録の理由です。

\ ここが見どころ /

奈良は古くから日本一美しい場所いわれており、710年には奈良に「平城京」ができました。飛鳥時代から奈良時代の日本の姿をそのまま残すため1300年の歴史を感じることができ、奈良の国宝建造物は日本最多です。8つの構成資産は1つ1つ素晴らしいですが、8つで歴史の軌跡を物語っています。

 

日光の社寺(1999)

登録年 1999年
種類 文化遺産

日光の社寺は、「日光東照宮」 、「日光山輪王寺」、「日光二荒山神社」の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)、そして景観遺跡を含む計4つの構成資産から成ります。

17世紀の日本を代表する天才的芸術家による作品が高く評価され、また、今なお文化として生きる自然と一体となった宗教空間が評価されました。

登録地域の面積は、4つの構成資産が50.8ヘクタール、さらに保護する緩衝地帯が373.2ヘクタールです。

\ ここが見どころ /

まず見ておきたい有名どころは将軍徳川家康が祀られている日光東照宮でしょう。建物の柱などには多くの彫刻が彫られており、特に「三猿」や「眠り猫」などの豪華な彫刻は必見です。日光の社寺の玄関とも言える神橋を含む二荒山神社には、縁結びのご利益があるといわれています。

 

琉球王国のグスク及び関連遺産群(2000)

登録年 2000年
種類 文化遺産

琉球王朝時代の9つの構成資産(下)からなる琉球王国のグスク及び関連遺産群

今帰仁城跡(なきじんじょうあと)、座喜味城跡(ざきみじょうあと)、勝連城跡(かつれんじょうあと)、中城城跡(なかぐすくじょうあと)、首里城跡(しゅりじょうあと)、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、玉陵(たまうどぅん)、識名園(しきなえん)、斎場御嶽(せいふぁうたき)

琉球王国が日本や中国など各諸外国との交流を通じて独自の発展を遂げてきたことを示していることが評価され、文化遺産登録されました。

またグスク跡は、今はなき琉球社会の象徴的存在として、祖先への祈願を通じて地域住民の心のよりどころとなっています。

沖縄本島南部を中心に点在するグスクは、構成資産54.9ヘクタール、それを保護する緩衝地帯559.7ヘクタールからなります。

\ ここが見どころ /

必見なのが首里城跡です。世界遺産に登録されているのは建物全体ではなく、城壁と建造物の基壇などの地下遺構だけです。もとあった建造物は沖縄戦で全て崩壊したあと再建されましたが、それも2019年の火災で正殿、北殿、南殿などが全焼してしまいました。2022年10月現在、復興に向けて進んでおり2026年には正殿が完成予定なので、再建後にぜひ見てみたいですね。

 

紀伊山地の霊場と参詣道(2004)

登録年 2004年
種類 文化遺産

紀伊山地の霊場と参詣道は、和歌山県、奈良県、三重県にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)と参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野参詣道)で構成されています。

「自然を神の宿る所」とする信仰が形作られた景観として、高く評価され登録されました。

中国から伝来した仏教と日本古来の神道の融合、東アジアの宗教文化の交流と発展を現代に伝えているとして、宗教的にも価値のある遺産と言われています。

広大な敷地なのはもちろんですが、川筋や海岸線をも含む参詣道の総延長は307.6kmに達します。

\ ここが見どころ /

熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)へと続く参詣道として古くから多くの旅人が歩いたと言われる熊野古道はおさえておきたポイントです。複数のルートがあるため、広大な遺産をじっくり味わうには何回かに分けて訪れることがおすすめです。また、日本一の名瀑で有名な那智の滝など、たくさんの自然に触れながら神秘的な雰囲気を味わってみてください。

 

知床(2005)

登録年 2005年
種類 自然遺産

知床が世界遺産登録された理由は、世界でも類を見ない生態系にあります。

知床は北海道東部に位置し、北半球で流氷が到達する最南端の地です。

そのため独自の生態系が存在し、絶えず食物連鎖を形成しています。

総面積77,100ヘクタールにもなる広大な土地に海、山、湖などの大自然が広がっており、原始性の高い生物が多く存在することが評価されました。

知床には人の手が到底及ぶことのない大自然の魅力が広がっています。

\ ここが見どころ /

代表的なスポットは原生林の中に存在する5つの湖「知床五湖」です。神秘的な自然の景観を味わえるのはもちろんのこと、知床の動植物も同時に感じられるのが魅力です。知床八景に数えられ、滝壺が天然温泉となっている「カムイワッカ湯の滝」も人気スポットの一つです。水温は30度程度で、大自然を感じながら水流を歩くことができます。

 

石見銀山遺跡とその文化的景観(2007)

登録年 2007年
種類 文化遺産

島根県大田市にある日本最大の銀山で、アジアで初めて登録された鉱山遺跡です。

登録された理由は、16世紀から17世紀初頭にかけて石見銀山が世界経済や文化の交流に大きく影響を与えたことや、銀生産に関わる遺跡が豊富で良い状態で残されているからです。

最盛期には世界の3分の1の銀を日本が産出したとも推定されており、そのなかの大部分を石見銀山が占めていたと言われています。

\ ここが見どころ /

大森地区には鉱山町として発展した町並みが残されており、代官所跡や武家屋敷、商家がいくつかあります。大森地区と銀山地区は世界遺産とは別で国の重要伝統的建造物群保存地区に認定されています。また、龍源寺間歩(鉱山の掘り口)は228年にかけて採掘され当時のままの状態で保存されており、入り口から156mが一般公開されていますので、ぜひ歴史を感じる空間を体験してきてください。

 

小笠原諸島の自然(2011)

登録年 2011年
種類 自然遺産

小笠原諸島の登録理由は、海洋島という特別な環境の中で、その土地ならではの生物の進化が行われ、固有種の豊富さやそれらが織りなす生態系が高く評価されたからです。

世界遺産となっている地域は、聟島列島、父島列島、母島列島、北硫黄島、南硫黄島、西之島の6つです(父島、母島は、集落を除いた区域と一部周辺の海域が世界遺産)。

父島と母島には約3,000人が今でも生活を営んでおり、それ以外は無人島です。

\ ここが見どころ /

とにかく海・山の自然が美しい小笠原諸島ですが、父島の小港海岸では、日中は海水浴、夜には星の観測が楽しめます。ウェザーステーション展望台から見る夕日や、長崎展望台から一望する父島の絶景などもおすすめです。周辺の海にはイルカやクジラが生息しており、アオウミガメの産卵地でもあるので、珍しい生き物とのふれあいや学びの場にもなります。

 

平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群ー(2011)

登録年 2011年
種類 文化遺産

平泉とは、岩手県南西部に古くからある地名で、平安時代末期に造られた寺院や浄土庭園など5つの構成資産からなる文化遺産です。

仏教(特に浄土)の考え方に基づいて造られた寺院や庭園、遺跡が良い状態で保存されていたことが評価され、登録されました。

また、寺院や庭園は理想世界の創出を試み、海外の文化を取り入れつつ独自の発展を遂げ、他に例がないということも登録理由になっています。

\ ここが見どころ /

平泉の遺産として登録されている史跡は「中尊寺」「毛越寺」「金鶏山」「観自在王院跡」「無量光院跡」です。中尊寺の「金色堂」は漆の上から金箔が張られており、国宝建造物の第一号にもなった建造物です。5つの構成資産の場所は比較的集中しているので、奥州藤原文化を1日で巡ることができます。

 

富士山―信仰の対象と芸術の源泉(2013)

登録年 2013年
種類 文化遺産

静岡県と山梨県にまたがる日本最高峰の富士山は、圧倒的な存在感から信仰の対象として崇拝されてきたその宗教性、富士山に芸術性を見出してきた日本人の自然観や文化観が国際的に認められ、世界遺産に登録されました。

万葉集や竹取物語の題材にも使われ、葛飾北斎と歌川広重により描かれた浮世絵の富士山の姿は、西洋の芸術の発展に大きく影響を与えたとされています。

世界でも富士山のように成層火山で登録されている山はいくつかありますが、富士山の噴火によって形造られたなだらかな姿は大変美しいといわれています。

\ ここが見どころ /

一度は登ってみたい富士山ですが、4つのルートがあり初心者の方は山梨県側の「吉田ルート」がおすすめです。頂上との標高差が比較的小さく、ルート上に山小屋がたくさんあります。また、遠くから鑑賞するなら三保の松原からの景色は見ておきたいですね。約3万本の松が生い茂る後ろに堂々とそびえ立つ富士山は、数々の絵画や和歌にも表現されてきた景色です。

 

富岡製糸場と絹産業遺跡群(2014)

登録年 2014年
種類 文化遺産

富岡製糸場は絹の大量生産を実現し日本と世界の絹産業に革命を与えたこと、またその建物が当時のまま残っていることが高く評価され、世界遺産登録されました。

19世紀後半、絹は一部の富裕層のものでしたが、この養蚕・製糸技術改良が絹の大衆化に貢献し、世界中の人々の生活を豊かにしました。

遺産の候補は複数ありましたが、最終的に富岡製糸場(富岡市)、田島弥平旧宅(伊勢崎市)、高山社跡(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)の4件の構成資産が登録されました。

\ ここが見どころ /

富岡製糸場は見学することができ、まず一番驚くのがその広さでしょう。当時300人もの女性が一列に並んで作業をしていたとされ、そのために柱が少ない「トラス構造」という工法が採用されています。館内のガラスやレンガもヨーロッパから輸入して作られた状態のまま残っており、時代を感じることができます。

 

明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(2015)

登録年 2015年
種類 文化遺産

日本は19世紀後半から20世紀初頭にかけて、西洋地域以外で初めて産業化に成功し、飛躍的な発展を遂げました。

特に造船・製鉄・製鋼・石炭産業といった重工業において急速な産業化を成し遂げ、その足跡を時系列に沿ってしめす「遺産」は世界の発展においても重要であると評価され、登録されました。

産業革命遺産は、山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・静岡県・岩手県の8県11市に分布している23の構成資産により構成されています。

\ ここが見どころ /

日本全国に分布する産業革命遺産ですが、その多くは九州地方や山口県に点在します。特に山口県萩市には5つの構成資産が存在するため、より多くの構成資産に触れることができます。また、長州藩の拠点となっていた「萩城下町」の美しい町並みを散策しながら、歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

 

ル・コルビジェの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献(2016)

登録年 2016年
種類 文化遺産

スイス生まれの“近代建築の巨匠”と称されるル・コルビュジエは、フランスのパリを拠点に活躍した建築家です。

「近代建築の5原則」という思想を元にした美しい建築物は、20世紀の近代建築文化に多大なる影響を与えたと評価され登録されました。

フランス・スイス、ドイツ、ベルギー、日本、インド、アルゼンチンと7ヵ国17資産で構成されるこの遺産は、はじめて大陸を跨ぐ世界遺産となりました。

日本では東京都の「国立西洋美術館」(上)で彼の世界観に触れることができます。

\ ここが見どころ /

国立西洋美術館は、1955年フランス政府に差し押さえられていた松方コレクションの寄付変換を受けるため、日本政府がル・コルビュジエに設計を依頼し作られた美術館です。多くの日本人建築家が影響を受けた彼の作品をぜひご覧ください。また、彼の作品を一番たくさん見ることができるのはフランスで、「サヴォア邸と庭師小屋」をはじめ、10もの構成資産が点在しています。

 

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(2017)

登録年 2017年
種類 文化遺産

4~9世紀の約500年間、東アジアとの活発な交流に伴い、沖ノ島では国の平和や航海の安全を願う祭祀が行われていました。

航海安全、対外交流の成就を願う宗像三女神への信仰の歴史が今も守られており、その際神に捧げられた約8万点の品々が、その当時のまま遺されていたことが評価されました。

世界遺産は、沖ノ島はじめ福岡県の宗像市、福津市にある8件の構成資産によってなります。

\ ここが見どころ /

島そのものが御神道とされている沖ノ島は今も立ち入ることができません。そのため、沖ノ島を見るためには同様に世界遺産となった宗像大社沖津宮遙拝所から遠くの沖ノ島を拝むことになります。世界遺産登録されたことで観光ができることが期待されましたが、保護・保全のためにも変わらず渡島禁止とされています。変わらない島の在り方を、遠くから眺めながら堪能ください。

 

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(2018)

登録年 2018年
種類 文化遺産

潜伏キリシタン関連遺産は、17〜19世紀にキリスト教が禁じられている中で、宣教師不在でありながらも信者のみで信仰を約250年間守り通したことや、孤立することなく共同体として存続するための生き方・暮らし方を創造したことが評価され、登録されました。

表向きには仏教徒として生活し、指導者を中心に密かに宗教儀式を行っていた人たちを「潜伏キリシタン」と呼びました。

世界遺産は、潜伏キリシタンにより作り守られた、長崎県と熊本県にある12の構成資産でなります。

\ ここが見どころ /

南山手グラバー通りに建つ大浦天主堂は、12の構成資産のうちの1つで、国内現存最古の教会として知られています。ステンドグラスが美しいゴシック様式の教会で、1933年に国宝にもなりましたが原爆により壊れ、修繕後1953年に再度国宝とされました。世界の宗教史上にも類を見ない「信徒発見」の舞台となった、歴史ある教会をぜひご覧ください。

 

百舌鳥・古市古墳群ー古代日本の墳墓群(2019)

登録年 2019年
種類 文化遺産

大阪府にある百舌鳥・古市古墳群は、日本の古墳時代の歴史を今に伝え、当時の社会階層を表していることが評価され登録されました。

4世紀後半から5世紀後半にかけて全国に16万もの古墳が作られたといわれますが、ここまで群として今に残る遺産は他にありません。

この世界遺産の特徴は、日本で最も大きな古墳である大仙陵古墳(仁徳天皇陵)と、二番目に大きな誉田御廟山古墳(応神天皇陵)が含まれているという点です。

\ ここが見どころ /

大阪ではじめての世界遺産登録された世界遺産です。大阪府堺市の百舌鳥エリアには仁徳天皇陵古墳含む23基、大阪府藤井寺市・羽曳野市の古市エリアには応神天皇陵古墳を含む26基があり、この古墳の多さから当時の政治的・文化的な中心地の一つとして強い権力がこの地にあったことがわかります。

 

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(2021)

登録年 2021年
種類 自然遺産

いずれの島も自然豊かな島であり、世界的に見ても生物の多様性、保全上重要な地域であることが評価されました。

約1200kmにも及ぶ列島の中から、希少生物の種類や生物の生息地である森林面積を分析し、選ばれた4つの島と地域が1つの世界自然遺産として登録されています。

登録以前から世界自然遺産の候補地として選ばれていましたが、具体的な名称にしなければならないという理由で現在の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」という名称になっています。

\ ここが見どころ /

登録された列島は透き通るような美しい海に覆われ、太平洋を見渡すことができる絶景が広がっています。特に奄美大島にある「アオンのリーフ」は美しい日の出スポットでもあります。また、熱帯地域にしか育たないマングローブが生い茂り、まるで日本とは思えないような自然環境も見どころです。ここには固有種や希少生物が生息しており、運が良ければ出会えるかもしれません!

 

北海道・北東北の縄文遺跡群(2021)

登録年 2021年
種類 文化遺産

北海道・北東北の縄文遺跡群は、約1万年以上ものあいだ、人々が自然の恵みを受けながら採集・漁労・狩猟を繰り返してこの地で定住した「生活の基盤や精神文化を築いた証」として評価され、登録されました。

発掘された考古遺跡のみで構成される国内初の世界遺産で、北海道・青森県・岩手県・秋田県の1道3県に点在する17の構成資産からなります。

\ ここが見どころ /

遺跡は複数箇所に点在していますが、その中でも青森県中央部の青森市にある「三内丸山遺跡」は大規模な集落跡があることから当時の風景を見て感じることができます。多量の土器や石器などが見つかっており、貴重な遺産を保存しながら、「ムラ」を体験できる観光地として、定期的に催し物なども開催されています。

 

登録が予想される日本の世界遺産候補

世界遺産には「暫定リスト」があり、そこには5つの候補が記載されています(2022年11月現在)。

1つ目は現在推薦中である新潟県の「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(上)です。

「石見銀山」同様に金が世界的経済に大きな影響をもたらしたことが推薦の理由です。

 

続いて、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(上)と滋賀県の「彦根城」も登録を目指しています。

さらに神奈川県の「古都鎌倉の寺院・寺社ほか」などが候補として上がっており、文化庁のHPに随時更新がされますので、気になる方はチェックしてみてください。

 

まとめ

世界遺産は過去からの贈り物であり、未来へ受け継ぐべき日本の大切な宝です。

自国の素晴らしい世界遺産に目を向けてみると、今見えている何気ない景色もまた違って見えることでしょう。

日本が世界遺産の数で世界TOP10入りする日も近いかもしれません!

今後の世界遺産登録に期待をするとともに、日本の世界遺産スポットを巡ってみてください。

 

 

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