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CULTURE

世界の有名な写真家11選!巨匠の知っておきたい代表作を紹介

世界の有名な写真家11選

誰もがスマホを使って手軽に写真を撮れる時代。

とても身近になった”写真”という表現ですが、たった1枚の写真によって大きく心を揺さぶられることもありますよね。

今回はご紹介するのは1900年代以降に活躍した、世界の有名な写真家です。

写真家の生年月日順になっていますので、現実と虚構の世界から、報道写真へ、そしてコンセプチュアルへと広がっていく流れを分かりやすくご紹介します。

 

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1.マン・レイ

ソース

マン・レイはダダイストまたはシュルレアリストの芸術運動を推進したアメリカ出身の画家、写真家、彫刻家です。

マルセル・デュシャンと親交とも親交があり、マン・レイの作品からも影響が見受けられます。

フランスでは『VOGUE』や『Harper’s BAZAAR』の紙面を撮影する商業写真家として活躍し、商業写真とアートの境界線を曖昧にした作品を発表します。またカメラを用いずに印画紙の上に直接物を置いて感光させる「レイヨグラム」を考案、実験映画の制作など、多彩な才能を発揮したアーティストです。

 

年代

1984-1976(享年81 歳)

 

代表作


「Tears」

ソース

マン・レイの作品の中で最も有名で、最も評価の高い作品「Tears」シリーズは1930年代から制作されました。大きな涙はガラス玉で出来ており、顔全体、両眼だけ、片目だけトリミングされた作品があります。コンセプトは「芝居」で女性の苦悩を表現していますが、このモデルは人間ではなくファッションマネキンが使われています。現実と非現実の境界を探求するマン・レイの代表作です。

 

2.アンセル・アダムス

アンセル・アダムスはアメリカで生まれました。28歳の時、写真家ポール・ストランドの作品に出会い、写真の世界に興味を持つようになります。

14歳の時に家族と一緒に初めてヨセミテ国立公園を訪れ、圧倒的な自然に感動し17歳で自然保護団体シエラクラブに入会、生涯環境問題に取り組みました。1920年代から50年代にかけてモノクロで撮影されたアメリカの雄大な風景が代表作です。

その功績が認められ1980年78歳の時、アメリカでもっとも栄誉ある大統領自由勲章を授与されています。

年代

1902-1984(享年82歳)

代表作


「Half Dome, Merced River,(Winter, Yosemite National Park, California)」

雄大な自然を撮影し続け、環境問題を広く注目されるきっかけを作ったアダムス。

その中でも代表作はアンセル・アダムスの原風景を捉えた「half dome, merced river,(winter, yosemite national park, california)」(1938年)です。

14歳で訪れたヨセミテ国立公園に感動し、それからはヨセミテ渓谷とシエラ・ネヴァダの風景を中心に、アメリカの雄大な自然を撮影した多くの傑作が残っています。

 

3.アンリ・カルティエ=ブレッソン

1947年に設立された国際的な報道写真家集団「マグナム・フォト」の創立メンバーの1人アンリ・カルティエ=ブレッソンはフランス出身の芸術家です。

幼いころからカメラと絵画に親しみ、シュルレアリスムの影響を受け、マン・レイの作品に刺激を受け、本格的に写真の世界に取り組み始めます。

アンリ・カルティエ=ブレッソンはガンジーの死、インドネシアの独立など歴史的瞬間を撮った報道写真の先駆けでもありました。晩年は写真作品ではなく、絵画の制作に打ち込み1975年には海外の展覧会も開催されました。

年代

1902-2004(享年95歳)

代表作


「hyères」

「The Decisive Moment」(1953年)、和訳すると「決定的瞬間」と称したブレッソンの作品は幾何学的な構図が特徴です。何を撮るか、ではなく、どう撮るかに焦点が当てられています。

この言葉は世界中のアーティストに大きな影響を与え、写真を芸術領域まで高める礎となります。

「The Decisive Moment」はアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真集のタイトルにもなっており、パリ、ニューヨーク、東京でも大規模な個展が開かれました。

 

4.ユージン・スミス

アメリカ人の報道写真家で日本ともつながりが深いユージン・スミス。

第二次世界大戦中には戦争写真家としてサイパン、硫黄島、沖縄などへ派遣されます。26歳の時に沖縄戦で被弾し、全身負傷する大けがを負い、生涯苦しめられます。

1961年に日立製作所の依頼で来日し、帰国後もう一度日本を撮りたいと願い、1971年に再来日しユージン・スミスの代表作となる水俣の写真の撮影を始めます。帰国後はアリゾナ大学で教鞭とっていました。

年代

1918-1978(享年59歳)

代表作


「楽園への歩み、ニューヨーク郊外」

ソース

暗い木立から光の差し込む道へ歩きだす二人の子供は、ユージン・スミスの息子と娘です。戦後の大負傷から生還後、人間家族展に出展され大きな話題となりました。

「ぼくの一生の仕事は、あるがままの生をとらえることだ」と人間のありのままの輝きを撮影し続けたユージン・スミスの「楽園への歩み」(1946年)は、未来へ歩き出そうとしている子どもたちを撮影した代表的な作品シリーズです。

 

写真集「MINAMATA」

ユージン・スミスは熊本県水俣市にあるチッソ水俣工場で発生した四大公害病の一つ水俣病を撮り続けた「MINAMATA」(1975年)は、公害汚染に苦しむ水俣の漁民たちに寄り添い取材された写真集として世界中で大反響を呼びました。

1972年にはユージン・スミスは水俣患者の抗議運動のため千葉県市原市に同行し、従業員数十人に暴行され失明寸前になりましたが、日本を恨むような言葉は一切口にしなかったと言われています。

 

5.リチャード・アヴェドン

リチャード・アヴェドンは商業写真、アート写真の世界で成功をおさめ、50年以上にわたり活躍し続けたアメリカ出身の写真家です。

その名声は写真の枠を超えアメリカ文化のアイコン的存在とも言われています。『vogue』や『harper’s bazaar』などのファッション誌の革新的なファッション撮影を足掛かりに、文化的人物、歴史的人物、市井の人々も撮り続けていました。

1978年にはニューヨーク近代美術館で大規模個展が開催されるなど、時代の最先端を切り取った写真家でした。

年代

1923-2004(享年82歳)

代表作


「マリリン・モンロー」

1957年に撮影された歴史的な大女優で、ポップカルチャーのアイコンであるマリリン・モンローの作品。

このポートレートは数時間にわたり踊ってるところを撮影し続け、その後疲れて放心状態で部屋の隅で座ったマリリン・モンローを撮った一枚です。この無表情ともいえる、素のマリリン・モンローの写真はリチャード・アヴェドンの代表作です。

 

 

6.ロバート・フランク

スイス生まれのロバート・フランクは1947年23歳の時にアメリカ、ニューヨークに渡ります。『harper’s bazaar』でファッション写真のカメラマンになりますが、1955年〜56年にグッゲンハイム財団の奨励金を得て、9ヶ月間アメリカ国内の30州を撮影する旅をします。

この時撮影された写真集『アメリカ人』は、50年代の繁栄に沸くアメリカの真の姿を捉えたとし「20世紀のアメリカの在り方を大きく変えた一冊」と称されました。

その後、映画の世界にも進出し、ローリング・ストーンズの北米ツアーに同行した『コックサッカー・ブルース』(1972)などが作品を残しています。

年代

1924-2019(享年94歳)

代表作


「Trolley — New Orleans」

1958年にフランスで初版が発売され、1959年にアメリカ版が発売され、ベストセラーになった写真集『アメリカ人』は、「アメリカ人を撮る」という目的でグッゲンハイム財団から奨励金を受給したロバート・フランクの代表作です。

ロバート・フランクが撮影したアメリカの姿は、繁栄と理想を謳歌しているはずのアメリカを外国人的な客観的目線で社会問題をあぶりだした作品となり反響を呼びました。

 

7.ヴィヴィアン・マイヤー

ヴィヴィアン・マイヤーの経歴は謎に包まれたアメリカのアマチュア写真家です。

アメリカのシカゴで40年間ベビーシッターの傍ら、休暇を使って写真撮影・研究をしていました。

生前に作品が発表されることは一度もなく、2009年に83歳で死去します。しかしコレクター、ジョン・マルーフが死後ヴィヴィアン・マイヤーの膨大な作品を入手し、インターネット上のサイトにアップロードしたところ、その作品たちは世界中のアートファンを魅了しました。

年代

1926-2009(享年83歳)

代表作


「untitled」

謎多きヴィヴィアン・マイヤーの作品はストリートスナップ、セリフポートレイトが主となります。

ネガだけでも15万枚以上残されており、そのストレートな被写体との向き合い、生き生きとした写真作品とミステリアスなプライベートは、世界中のアートファンから注目されました。彼女の生涯を描いたドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』も制作され、第86回アカデミー賞にノミネートされました。

 

8.ゲイリー・ウィノグランド

アメリカ人写真家のゲイリー・ウィノグランドは、第二次世界大戦中空軍に所属していた時期に写真を始め、ニューヨーク市立大学、はコロンビア大学で絵画と写真を、アレクセイ・ブロドビッチのアシスタントとして、フォトジャーナリズムを学びました。

ゲイリー・ウィノグランドは写真という手法を使い、社会問題を調査するフォトジャーナリストでした。1960年代にロバート・フランクやウィリアム・クラインに出会い商業写真の世界から遠のき、ストリートスナップの世界に入っていきます。

年代

1928-1984(享年56歳)

代表作


「new york, 1955」

1960年にロバート・フランクの写真集「アメリカ人」に影響されたゲイリー・ウィノグランドは、自らの撮影手法を研究し視覚的戦略を展開させました。

その手法はハンディタイプのカメラに広角レンズを使用し、至近距離で撮影を行う方法で、近い距離から撮影したいすべてを映し出すことが出来ました。この手法では・ウィノグランドオリジナリティあふれるストリートスナップ作品を数多く残しています。

 

9.セバスチャン・サルガド

ブラジル出身の写真家セバスチャン・サルガド。サンパウロ大学で経済学を学び、修士課程では軍事政権に反対する学生運動に身を投じました。妻がカメラを購入したことがきっかけで写真に触れることになります。

1971年にロンドンに移住し国際コーヒー機構の職員なりますが、アフリカでの仕事の合間に撮影していた写真を本格的に追求するため辞職しました。

経済学を基盤とし徹底的な取材を行うフォトジャーナリストとして認められ、その荘厳な作風から神の目を持つ写真家と評されます。

年代

1944-

代表作


Serra Pelada Gold Mine

セバスチャン・サルガドは、1986年にブラジルのセラペラダ金鉱を取材します。この場所は1970年代にゴールドラッシュを迎えますが、劣悪な労働環境、暴力、治安問題などの問題が数多くありました。労働者の彫刻的な肢体が目を引く写真ですが、モノクロがより一層植民地時代・奴隷制度を彷彿させ、政治による搾取を考えさせられます。

 

映画「地球へのラブレター」

『セバスチャン・サルガド-地球へのラブレター』はヴィム・ヴェンダース監督によるセバスチャン・サルガドに焦点を当てたドキュメンタリー映画のタイトルです。

戦争や飢餓、宗教、環境などをエコノミストであった自身の経験を照らし合わせ、切り取っていく報道写真家でもあり、環境活動家セバスチャン・サルガドの足跡が映し出されています。

映画「地球へのラブレター」を見る

10.スティーブ・マッカリー

アメリカ出身の報道写真家スティーブ・マッカリーは、20年以上にわたりナショナル・ジオグラフィック誌のフォトグラファーを務めています。

1970年代後半からアジアを中心に長期取材をし、ソビエト侵攻直前のアフガニスタンの取材では、アフガン紛争を捕らえた初めての写真として、ロバート・キャパ賞を受賞しました。

近年は報道写真家としてファッションブランドとのコラボレーションも話題になっています。

年代

1950-

代表作


「アフガンの少女」

1984年、スティーブ・マッカリーはパキスタンの難民キャンプで緑の瞳が美しい12歳の少女に出会い、その姿を撮影します。

「アフガンの少女」と名付けられたこの写真は1985年6月に創刊125周年『ナショナルジオグラフィック』の表紙に選ばれ、当時の国際情勢の象徴になりました。

2002年スティーブ・マッカリーはこの少女を探し出し、国際的な難民問題を改めて問題提起をし、アフガニスタンでの教育支援活動にも携わるようになりました。

 

11.シンディ・シャーマン

アメリカ出身の写真家、映画監督のシンディ・シャーマンは自らを被写体とするコンセプチャル・セルフポートレイトが代表的な作品です。

映像や写真を表現主体としたピクチャー・ジェネレーションの代表的な一人でもあり、そのコンセプトは支配的な伝統的女性らしさ、消費され続ける女性性、アイデンティティを問い続ける社会派で、フェミニズムの先鋒的存在です。また現代美術における「セルフポートレート」の分野を確立したアーティストで、現在もピエロや銀幕の大女優に扮したセルフポートレート作品を公開し続けている第一線の現代アーティストです。

年代

1954-

代表作


「untitled film still #21」

「アンタイトルズ・フィルム・スティール」(1977年-1980年)はシンディ・シャーマンが1950年代から1960年代の大衆映画に出演する女優たちのワンシーンに扮して撮影するシリーズです。

お決まりのポーズで出演するステレオタイプの女性役から着想を得て、このシリーズは全体で69枚のモノクロ写真の構成になっています。

 

「untitled #96」

1981年から「アンタイトルズ・フィルム・スティール」の発展版としてカラー写真で撮影されました。

シンディ・シャーマンが横たわったり、仰向けになったセルフポートレートは本人の近くから撮影されており、その構図はグラビア写真の見開きのページのように男性が女性の上から俯瞰するような視線を際立たせています。

 

まとめ

ご紹介した写真家たちがファインダー越しから見た世界は、人々の日常、社会問題、世界情勢、ジェンダーなど様々で、それは私たちの心にまっすぐ訴えかけていきます。

毎年「WORLD PRESS PHOTO21 世界報道写真展」が開催されていたり、世界的な写真家集団マグナムフォトのサイトでも作品を見ることが出来るので、ぜひ写真家がシャッターを押した一瞬の世界をのぞいてみてください。

 

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