2021/07/27

サブカルチャー歴史
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サブカルチャーとは?日本のサブカルチャーの歴史を解説!

日本はサブカルチャーの国として世界的によく知られています。

現在では大衆的文化としても多くの人に親しまれているサブカルチャーですが、厳密にはいったいどのようなムーブメントなのでしょうか。

この記事では、戦後における日本のサブカルチャーの発展を振り返りながら、その時代ごとに事例を交えて解説していきます。

 

サブカルチャーとは?

戦後日本で発展した社会の少数派に支持される文化

サブカルチャーとは、主流の文化ではなく、一部の人々を担い手とする文化のことを指す言葉です。

1950年にアメリカの社会学者デイヴィッド・リースマンが初めて使用したのが語源であるとされています。

学問や文学、伝統的美術、クラシック音楽などの文化を享受するには一定以上の教養が必要とされるハイカルチャーや、社会の支配的文化であるメインカルチャーなどに対立するものとして、20世紀に入ってから発展してきました。

戦後の日本においてもサブカルチャーは大衆から徐々に支持されていき、近年においてはマイノリティなものではなく大衆に広く受け入れられているものが数多く存在しています。

なお、日本においてサブカルチャーは「サブカル」と略されることがよくあります。

 

メインカルチャーに反発し発展

社会において伝統的、支配的な主流文化のことをメインカルチャーと呼びます。

サブカルチャーはメインカルチャーへ対抗するためのアンチテーゼとして発展してきた経緯があります。

1960年代では、世界的に既成の文化や体制に対する反発として、カウンターカルチャーと呼ばれる文化が活発に広まっていきました。

その後、時代の保守化にともなってカウンターカルチャーが衰退した結果、それに代わるものとして注目されたのがサブカルチャーです。

日本におけるサブカルチャーは、その流れを汲んでいるアメリカ文化が戦後に入ってきたことが源流であると考えられています。

 

海外から見た日本のサブカルチャー

日本におけるサブカルチャーは、海外のそれと比べると独自の発展を遂げているといえます。

海外でのサブカルチャーは支配的文化に対するマイノリティな文化を指す際に用いられる傾向が強いですが、日本においてはアニメやアイドルなどの大衆文化を「サブカル」と呼ぶ傾向が強いです。

この傾向は1990年代以降に強まっていき、いわゆる「オタク文化」がサブカルチャーと同義、もしくはその大半を占めるものとして認識されるようになりました。

近年では、アニメや漫画、アイドルなどの異なるジャンルの統合がさらに加速しているため、日本のサブカルはますます大きな存在となり、独自の存在として世界中から注目されています。

 

日本のサブカルチャーの歴史

戦後~1950年代

日本のサブカルチャー史元年は、「太陽族」が誕生した1956年が挙げられます。

太陽族とは、1955年に発表された石原慎太郎の小説「太陽の季節」に触発された若者たちのことです。

「太陽の季節」では若者の無軌道な生活と感情の物質化が描かれており、それに影響を受けて夏の海辺で無秩序な行動と自由を享受する若者が現れました。

太陽族の間では、脇を短く刈り上げ前髪をやや長めにした慎太郎刈りと呼ばれる髪型が流行し、サングラスとアロハシャツの組み合わせを含めて新たなファッションの一大ムーブメントとなりました。

 

また、1950年代には黒人音楽のブルースと白人音楽のヒルビリー、カントリーなどが融合したロカビリーというジャンルの音楽がアメリカ南部で誕生しました。

エルヴィス・プレスリーやバディ・ホリーなどの世界的大スターを生み出し、日本においても1950年代後半からロカビリーブームが起こります。

さらに、1959年には週刊少年サンデーが創刊され、漫画を中心に据えた週刊少年誌が誕生しました。

 

1960年代

1960年代のアメリカでは、既存の規範や生活様式に対するカウンターカルチャーを担うヒッピーと呼ばれる若者たちが登場しました。

長髪や長い髭、ジーンズやサイケデリックなファッション、ロック音楽などを好んだヒッピーは、自由の享受と解放を主義とするムーブメントとしてサブカルチャーの発展に大きな影響を与えました。

さらに、イギリスからは世界的ロックバンドであるビートルズが誕生し、その影響を受けたグループサウンズが日本でも大流行します。

 

60年代中期あたりからは、それまでの近代演劇に対抗するような独自の世界観を持った「アングラ演劇」が注目されはじめ、大島渚、寺山修司らの脚本家が活躍していました。

1969年には、日本のカウンターカルチャーを代表する集会である「西口フォークゲリラ」が新宿駅西口で開催され、約3千人の群衆がフォークソングを歌い、反戦を呼びかける運動に参加しました。

 

1970年代

日本の1970年代は深夜ラジオの黄金時代と呼ばれており、「オールナイトニッポン」や「セイ!ヤング」、「パックインミュージック」などの有名番組に深夜まで夢中になる若者が続出しました。

当時のラジオ深夜放送にはそこでしか聞けない情報などが溢れており、最新カルチャーの貴重な情報発信源として若者の間で大きな役割を果たしていたといえます。

一方、70年代の音楽シーンでは、60年代から続いたグループサウンズに加えてフォークソングブームが到来し、吉田拓郎や井上陽水、かぐや姫などのミュージシャンが時代を象徴する数々の名曲を生み出していきました。

 

70年代の重要なサブカルメディアとしては、1976年には宝島社から「別冊宝島」が創刊され、カルトなサブカル情報を発信するムック本として定着していきます。

また、文学シーンでも新たな風が吹き始め、1979年には村上春樹が「風の歌を聴け」でデビューし、海外文学から影響を受けた清新な文体で注目を集めます。

 

1980年代

80年代に入ると音楽シーンが世界的に大きな変革を遂げます。

シンセサイザーなどの電子楽器を多用したディスコサウンドやダンスミュージックが流行し、日本においても「電気グルーヴ」などのテクノポップを主体としたバンドが登場しました。

また、80年代前期には漫才ブームが起こり、それまで歌手の添え物としての扱いだった「お笑い」がテレビの中で主役を担うように。

カルチャーの最先端として発展していきました。

その他のポップカルチャーとしては、アニメなどのそれまでは嗜好性の強い趣味とされていた”オタク”文化が注目され始め、バブル景気期に一般的に知られるようになりました。

 

80年代の若者のムーブメントとして有名なものには「竹の子族」の登場があげられます。

派手な衣装に身を包んだ若者たちが、路上でディスコサウンドに合わせてステップダンスを踊ることが流行。

さらに、一定の速度で流れるユーロビートに合わせて決められた振り付けで踊るディスコが最盛期を迎え、マハラジャやキングアンドクイーンなどの大型ディスコに大勢の若者が連夜詰めかけました。

 

1990年代

90年代には家庭用ゲーム機が数多く登場し、ゲームの黄金時代を迎えます。

1994年に発売された初代プレイステーションを代表格として、従来の主流だったドット絵からCGやポリゴンを使用した高画質なグラフィックへと移行していきました。

また、漫画やアニメ作品においても「新世紀エヴァンゲリオン」などの名作が数多く誕生。

それまでマイノリティだったアニメ文化がより一般的なものへと変化していきます。

 

一方、90年代では鬼畜・悪趣味ブームといった変わったムーブメントも生まれ、メディアが過激な特集を組むようになりました。ドラッグ研究の青山正明や、ゴミ漁りで有名な村崎百郎などの悪趣味系ライターが登場し、90年代のアングラサブカルの中心的存在となりました。

また「渋谷系」という言葉が生まれ、ファッションや、中古レコード店や外資系CDショップから勃興したポップミュージックが大きなムーブメントになりました。

 

2000年代

2000年代は、インターネットの普及に伴ってWeb上でカルチャーが急激に発展した時代と言えます。

特に2ちゃんねるなどのインターネット掲示板やニコニコ動画、YouTubeなどの動画プラットフォームの誕生により、それらを通して多くのサブカルコンテンツが大衆に普及していきました。

また、2006年のアメリカではTwitterが誕生し、2008年にはその日本語版がリリースされるなど、SNSの創成期となったのも2000年代です。

 

一方、音楽シーンにおいては邦ロックバンドがブームとなり、ASIAN KANG-FU GENERATIONやBUMP OF CHICKENなどの人気バンドが数多く誕生しました。

かつてはカウンターカルチャーやマイノリティな集団としての意義を持っていたサブカルですが、2000年代に入るとそれらの意味合いは徐々に薄くなっていったと言えます。

 

2010年代

2010年代はサブカルがもはやサブカルではなくなり、メインカルチャーとの違いがほとんどなくなるくらいに大衆文化の中心的存在を果たすようになりました。

しかしながら、バンドやアニメなど少しマニアックな趣味を発掘していく「サブカル女子」などのブームが起きたのは2010年代。

「サブカル」はいまだにマイノリティな趣味を指す単語として使われる場合があります。

 

 

また、2010年代ではインターネット上のプラットフォームが発達した年代で、特にYouTubeが全盛期を迎えました。

YouTubeに動画を投稿して収益を得る「YouTuber」と呼ばれる動画配信者が多く登場し、YouTubeはテレビなどのオールドメディアに変わる新時代のメディアに。

若者世代のカルチャー情報発信源として中心的役割を果たすようになります。

また、VOD(ビデオ・オン・デマンド)と呼ばれる動画コンテンツのサブスクリプションサービスが発達し、自分の好きなときに好きな映画やアニメを見られるようになりました。

このように、2010年代にはサブカルの発信や視聴が個人主義の時代へ突入したものと考えることができます。

 

もっとサブカルチャーの事を知ることができる本

宮沢章夫「ニッポン戦後サブカルチャー史」

宮沢章夫氏の「ニッポン戦後サブカルチャー史」はNHKで放送された同名の番組を書籍化したものです。

戦後70年間を10年ごとに区切り、日本のサブカルチャーの歴史を漫画や音楽、映画などのジャンルに区切って解説していく内容となっており、サブカルの発展を知るうえでとても参考になります。

ニッポン戦後サブカルチャー史

1,980円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ NHK出版 (2014/10/9)

 

革命とサブカル

「革命とサブカル」は、「機動戦士ガンダム」の作画監督を務めたことで有名な漫画家の安彦良和氏が60年代の全共闘時代を当時の関係者とともに振り返る内容となっています。

60年代末弘前大学全共闘に関係した人々の視点とサブカル研究者の視点から当時を振り返る貴重な文献であるといえます。

革命とサブカル

2,420円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ 言視舎 (2018/10/30)

 

戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」

戦後サブカル年代記、日本の戦後からの復興までの歩みを、文学や映画、漫画作品などのサブカルを通して振り返っていく内容となっています。

世界の終末と再生に焦点を当てた作品であり、「終末カルチャー」の歴史に特化している点が見所です。

戦後サブカル年代記 -日本人が愛した「終末」と「再生」

2,640円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ 青土社 (2015/8/24)

 

まとめ

こうして振り返ってみると、それぞれの時代を象徴しているサブカルチャーは当時の時代背景を強く反映した、生まれるべくして生まれたものであることがわかります。

サブカルチャーもまた文化と歴史は切っても切り離せないことを示す存在だと言えるでしょう。

今もなお進化し続けているサブカルチャー。

現在はどんなトレンドが生まれているのか、その界隈をのぞいてみてはいかがでしょうか。

 

 

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