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ART

ウクライナ館の参加チームが作品救出に成功、正式に参加表明|ヴェネチア・ビエンナーレ2022

2022年4月22日に開催が迫った第59回ヴィネツィア・ビエンナーレ。

ロシアの軍事侵攻により制作中断を余儀なくされたウクライナパビリオンの参加チームは、ウクライナパビリオンを予定通り公開すると公式Instagram(https://www.instagram.com/ukrainianpavilioninvenice/)で発表しました。

ウクライナパビリオンのキュレーターたちは、戦火のキエフから作品の断片を避難させることに成功し、ヴェネツィアでプロジェクトを継続するとのことです。

 

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ロシアの軍事侵攻により制作を中断

ロシアによる軍事侵攻は、ウクライナの主要都市のほとんどを荒廃させ、多くの人道的危機を引き起こしています。

参加アーティストたちは首都キエフで作品制作を行っていましたが、2022年2月24日、ロシアがウクライナへの攻撃を開始すると、安全面を考慮し、それぞれの家族と合流して地下シェルターに避難しました。

その後、メンバーが再び集まることは叶わず、制作はすべて中断されました。

 

ウクライナチームの代表アーティスト、パブロ・マコフ(Pavlo Makov)は、

ウクライナチームはヴィネツィアへの旅の準備を断念せざるを得ない。

とSNS上に投稿。

マコフは当時、ウクライナ北東部に位置するハリコフ市に家族と避難しており、ウクライナチームの3人のキュレーター、マリア・ランコ(Maria Lanko)、ボリス・フィロネンコ(Borys Filonenko)、リザヴェータ・ジャーマン(Lizaveta German)はキエフに残っていました。

両都市は現在も未だ、ロシア軍による激しい砲撃を受けています。

 

 

ビエンナーレ財団は彼らの報告を受け、

ウクライナチームと作品をヴィネツィアに安全に移動させるため、あらゆる方法で全面的に協力します。

と公式声明を発表。

しかしその具体的な策は発表されていませんでした。

 

戦火のキエフから作品を避難

それから2週間も経たない2022年3月8日、ウクライナパビリオンのキュレーターたちは、ビエンナーレへの参加が実現可能であると発表しました。

彼らは戦火のキエフから作品の断片を救出し、残りのプロジェクトをヴェネツィアで継続すると決定しました。

 

キュレーターのマリア・ランコは、ロシア侵攻の2日後にキエフから作品を救出するため、車での移動を開始。

安全な場所を探し求め、1週間以上かけて都市間を移動し、作品を運び出しました。

 

ウクライナ文化情報政策省のサポートもあり、彼女は同行していた数名のチームメンバーと共に国外へ逃れることに成功。

その後、ビエンナーレ財団とビデオ通話で会議を行い、正式に第59回ヴィネツィア・ビエンナーレにウクライナ代表として参加することを表明しました。

避難の経緯とメンバーたちが使用した地下シェルターなどの写真は、公式インスタグラムにも投稿されています。

 

他国との連携で展示を実現

ウクライナパビリオンではアーティスト、パブロ・マコフによる噴水のインスタレーション「The Fountain of Exhaustion」が公開される予定です。

ピラミッドのように配置された78個のブロンズ製漏斗から、水が上から下に流れ落ちる仕組みになっています。

 

当初、この作品の設計・施工はキエフの建築局「ФОРМА」に委託されていました。

キエフで試作テストを行い、その2週間後にヴィネツィアへ輸送される予定でしたが、侵攻によりすべての計画が中断。

施工はヨーロッパの業者に委託され、ФОРМАの設計に従って展示される予定となっています。

 

キュレーターのボリス・フィロネンコがウクライナで作成した英語版の展示カタログはオランダの印刷会社で、ウクライナ語版のカタログはリトアニアでそれぞれ印刷される予定となっています。

 

様々な機関、個人からの寄付が殺到

この戦火の中、作品脱出計画が成功したのは、ヴィネツィア・ビエンナーレのリトアニアチームをはじめとするリトアニア政府機関からの多大な支援に加え、イタリアのファルコーニ芸術財団、ジェノバにあるPinksummerギャラリー、パトロンからの個別の寄付によることを彼らはコメントしています。

 

キュレーターの3人は、プレスリリースの中で以下のように述べました。

このような時代だからこそ、国際的な展示でウクライナを表現することが重要なのです。

ロシアによって私たちの文化の存在意義が問われているとき、私たちの成し得たことを世界に示すことが極めて重要です。

ウクライナが国際的なアートシーンで作品を発表することは、ロシアへの抵抗を表明することに繋がると彼らは確信しています。

 

国内に残されたメンバーの安否

ウクライナパビリオンの実現が確約された今、これからの問題と懸念事項は、ウクライナ国内の情勢とキエフに残っているチームメンバーの安否です。

アーティストや他のチームメンバーがまだウクライナ国内には残されており、マリア・ランコの他に誰がビエンナーレに参加できるのか、未だ不明の状態です。

マリアは以下のようにコメントしています。

ウクライナ情勢は依然として不透明で危険な状況にあります。

アーティストのパブロ・マコフや、他のキュレーターがヴィネツィア・ビエンナーレに参加できるかどうかは、まだわかりません。

全てはこの戦争のためです。

 

戦時下に実現したウクライナパビリオン

ウクライナチームは悲惨な状況の中、リトアニアやイタリアの文化機関、ギャラリーのサポートによって、ヴィネツィア・ビエンナーレの参加を実現することができました。

 

ウクライナ国内の情勢と現地の人々の安否が大きな懸念事項ですが、ウクライナ代表として作品を発表することは世界に多大な影響力を持ち、4月22日から始まるビエンナーレを全世界のアート関係者が心待ちにしています。

ウクライナに1日も早い平穏が訪れ、今年のビエンナーレがより盛り上がることを祈ります。

 

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