最も高額なNFTアート作品は?2021年のトップ10作品を発表
アート以上で大きな盛り上がりを見せるNFTアート。
NFTアートとは、無限に複製可能なデジタルアートをNFT(非代替性トークン)などに紐付けることで、唯一無二の価値を生みだせるデジタルアート作品のことです。
2021年初頭から取引が活発になり、Beeple(ビープル)をはじめとするクリプトアーティストたちの作品が高額で落札されると、世界中で大きな話題となりました。
ルイ・ヴィトンやNIKEといった有名ファッションブランドも次々とNFTに参入。
日本では村上隆や草間彌生といった有名アーティストの作品が高額で取引されています。
2021年は、老舗アートオークションで14点のNFT作品が、100万ドル(約1億1千万円)の売上を突破。
最も高額で落札された、世界のNFTアート作品トップ10をご紹介します。
(*このランキングは2021年12月27日現在の取引価格を元に作成しています)
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第10位|XCOPY「Some Asshole」4億3千万円
この作品が発表された「SuperRare」は、2018年に開始されたNFTマーケットプレイスです。数あるNFTマーケットプレイスの中でも、質が高いNFTが多く扱われています。
XCOPYは、2018年のサイト開設と同時に登場したクリプトアートのパイオニアであり、ロンドンを拠点にしているクリプトアーティスト。
漫画的な造形と旧型テレビの放送休止画を思わせるツギハギの点滅グラフィックが特徴的な作品で知られています。
クリプトアート(Crypto Art)
仮想通貨・ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)。リアルなモノや、デジタルデータと紐付けることで、固有の価値を表現できるという特性を持つのがNFT技術。特にデジタルアートの分野では、NFTを活用してアート作品を発表・販売するアーティストのことを、仮想通貨技術を使うということになぞらえて「クリプトアーティスト」と呼ぶ。
第9位|Mad Dog Jones「Replicator」4億7千万円
クリスティーズとサザビーズの世界2大オークションハウスに続き、フィリップスも2021年の初頭にNFTの世界に足を踏み入れました。
フィリップスが発表したカナダ人アーティスト、マッド・ドッグ・ジョーンズ の作品は4億7千万円もの高値で落札され、カナダ人アーティストの過去最高取引額を記録しています。
この作品は、職場にあるコピー機をモチーフに描いたもので、NFTそのものが複製可能になっており、28日ごとに合計180~220のNFTを生成するように設計されています。
第8位|Edward Snowden「Stay Free (Edward Snowden)」6億2千万円
有名なクリプトアーティストがランキングに連ねる中、米国中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデンが、異色の人物としてランキングしています。
アメリカ史上最大級の機密情報を流出し、世界で大きな話題となった人物です。
彼は2013年に、米国家安全保障局(NSA)が世界中で個人の電話や電子メールに関する情報を集めていたと告発。日本を含む各国の大使館や欧州連合(EU)、国連本部の通信傍受なども暴露し、アメリカの監視網が世界中に広がっている実態を明らかにしました。
スノーデンが発表したこの作品は、NSAによる大量監視が法律違反であるとする、2020年のアメリカ合衆国第9巡回区控訴裁判所の判決文の上に写真家のプラトンが撮影したスノーデンの肖像を重ねた、記念碑的な意味を持つ作品となっています。
プラトン(platon)
イギリス人の写真家。 イギリスのヴォーグにて数年間働いた後に、故ジョン・ケネディ・ジュニアと彼の政治誌「ジョージ」にて働くためにニューヨークに招かれ、国際的に著名な人物のポートレートを撮影。中でもプラトンはタイム誌と特別な関係を築き、25枚以上の表紙を撮影した。2007年には、ロシア連邦大統領プーチンを撮影。
第7位|freeross「Ross Ulbricht Genesis Collection」6億8千万円
この作品を制作したロス・ウルブリヒトは、2011年から2013年までダークネットマーケットのウェブサイト「シルクロード」を設立・運営していた人物です。
ダークネットマーケット
ダークウェブとは通常のウェブブラウザでアクセスできず、秘匿性が高いウェブサイト。ダークマーケットとは、ダークウェブ上に存在する電子商取引のためのウェブサイトのこと。Chromeなどの主要なウェブブラウザからアクセスできず、特殊なブラウザを利用するため、一般ユーザーからのアクセスは難しい。違法な商品やサービスなどを犯罪者たちが取引するために利用されている。
ウルブリヒトは逮捕され、最終的にはマネーロンダリング、コンピュータハッキング、麻薬取引などの罪で終身刑2回分の有罪判決を受けましたが、「シルクロード」はビットコインで運営されていたため、ウルブリヒトは仮想通貨コミュニティの間で、ビットコインの成功に拍車をかけた人物として評価されています。
彼は出所資金を集めるため、自分の文章とアート作品を集めたNFTを作成しました。その中には、幼少期に描いた絵と収監中に黒鉛筆で描いた作品が含まれています。
彼の釈放を目的とした組織「FreeRossDAO」が約4,000人から2836ETH(約14億円)資金を調達し、この作品を落札しました。
第6位|XCOPY「A Coin for the Ferryman」6億9千万円
「A Coin for the Ferryman」は、XCOPYが4年前に発表した作品です。
最初の所有者は、この作品をXCOPY本人からわずか0.5ETH(当時約139ドル)で購入したと言います。
その数カ月にXCOPYがNFTのパイオニアとして認知され始めると、価格は急激に高騰し、最終的に6億9千万円もの高額で落札されました。
第5位|Beeple「Ocean Front」6億9千万円
この作品は、最も有名なクリプトアーティスト、Beeple(ビープル)が、気候変動がもたらす環境破壊について警告を呼びかける目的で制作しました。
NFTの著名なコレクター、ジャスティン・サン氏が落札し、収益は環境問題に取り組んでいる慈善団体に寄付されました。
第4位|XCOPY「Right-click and Save As guy」7億5千6百万円
この作品は、XCOPYがNFTアートに対する批判を込めて2018年に発表した作品です。
「Right-click and Save As guy」というタイトルは、サイト上で右クリックして無料で作品を保存できることをさりげなく一蹴しています。
第3位|Beeple「Crossroads」7億5千9百万円
2020年のアメリカ大統領選挙と連動して発表されたアート作品「クロスロード」。
米国現大統領ジョー・バイデンが選挙に勝利を宣言すると、肥大化し落書きされたドナルド・トランプの遺体が、道路脇の野原に無視されて横たわっている画に注目が集まりました。
2020年末には既に約700万円で落札され、最終的には100倍の約7億5千9百万円で落札されました。
第2位|Beeple「HUMAN ONE」33億円
Beepleがデジタルと身体性を融合させた作品「HUMAN ONE」。
この作品はスイス、チューリッヒ在住のクリプト億万長者、ライアン・ツアラー氏によって落札されました。
実物の立体LEDスクリーンに映し出される映像型の作品で、スクリーンには宇宙服を着た人物が様々な環境を移動する動画が流れ続けています。
Beepleが遠隔でスクリーン上のコンテンツを変更したり追加したりすることができる仕組みになっており、この作品はBeepleが生きている限り常に更新され、新しいストーリーが生まれていきます。
第1位|Beeple「Everydays—The First 5000 Days」79億円
世界で最も有名なNFT作品と言っても過言ではない、Beepleの「Everydays – The First 5000 Days」。
Beepleが2007年に開始した「デイリーアートプロジェクト」の最初の5,000日間を記念したコラージュ作品で、初期の粗い落書きから、最新のデジタルアートまで含まれています。
2021年3月、老舗オークションハウスのクリスティーズは、従来の顧客がブロックチェーンやNFTの価値を理解しきれていないことを懸念し、この作品をわずか100ドルのオープニング入札で出品しました。
クリスティーズの不安をよそに、既にクリプトアート界で人気だったBeepleの作品は、1時間足らずで100万ドルにまで跳ね上がり、最も高額なNFTアートとして世界に知られるようになりました。
2021年はBeepleがNFT市場を独走
2021年のNFT市場はBeepleの作品がトップ3を独占し、彼が独走する形となりました。
現在は、24✕24ピクセルのデジタルキャラクター画像で構成されるコレクション「CryptoPunk」(クリプトパンク)が急上昇中。
1万点の画像からなるコレクションの総取引額は2300億円を超えており、エイリアンなどレアなキャラクターをモチーフにした作品がトップ10に次々とランクインしています。
果たして今後どのようなNFTアートが生まれていくのでしょうか?急速に進化するNFT市場の世界から目が離せません。
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