「芸術は爆発だ!」岡本太郎が残した名言・おすすめ書籍をご紹介
岡本太郎ってどんな人?
日本を代表する芸術家、岡本太郎。
「太陽の塔」や彼の遺した格言などで、その名を知る人は多いのではないでしょうか?
奇抜・鮮烈なその作品や考え方に、現在でも多くの人が影響を受けています。
その彼自身の人生を紐解けば、誰にも媚びず、何かに屈することも決してなく、常に自分自身であることを貫いた、ということがわかるでしょう。
例えば、戦後の1947年(昭和22年)、岡本太郎は新聞に対して以下のこんな宣言をします。
「絵画の石器時代は終わった。
新しい芸術は岡本太郎から始まる。」
また、1950年代から当時のバラエティ番組であったクイズ番組などに多数出演し、
「芸術は、爆発だ!」
「なんだ、これは!」
と叫ぶ演出が人気を博し、流行語にもなりました。
画家としての姿とはうって変わって、お茶の間では「変なおじさん」として認知されていた岡本太郎ですが、彼の名言や著書は多くの人に生きる意味を問いかけ、勇気を与えています。
今回は、そんな彼の生き様を表すような名言をご紹介します。
「アート診断」
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岡本太郎の名言<人生編>
面白いねぇ、実に。オレの人生は。
だって道がないんだ。
眼の前にはいつも、なんにもない。
ただ前に向かって身心をぶつけて挑む瞬間、瞬間があるだけ。
少年時代、太郎は逆境の連続でした。
漫画家の父と歌人の母という芸術一家に生まれた太郎。
独特な家庭環境はそれだけではありませんでした。
父親は母親以外の女性と恋におち、財産を使い果たし、一方で母親は、父親公認で愛人を家に住まわせていたと言います(しかしそれでも太郎は生涯母親に慕い続けたのでした)。
小学校に馴染めず、いつも成績は一番下。
そんな岡本太郎が、自身の道を切り開いた強さがこの言葉にはあるのではないでしょうか。
なにもないことに対して嘆くのではなく、前に突き進む。その力強さを感じる言葉です。
逃げない、はればれと立ち向かう、それがぼくのモットーだ。
家庭では両親の影響もあり、自由奔放に生きてきた太郎でしたが、小学校では逆にルールや慣習に縛られ、息苦しさを感じてしまいます。
家庭と学校の価値観の違いに戸惑い、小学校も転校を繰り返すも、馴染めず、小学1年生をやり直すなど決して順調とは言えない少年時代でした。
──自分の価値観を持って生きるってことは嫌われても当たり前、人生は自分自身が決意し、貫くしかない──。
岡本太郎の名言は、このような少年時代だったからこそ、生まれてきたものだったのだと思います。
逃げる道を選んでいたら、決して今のような岡本太郎は生まれなかったでしょう。
向かい続けること、その強さを感じるこの言葉こそ、岡本太郎の強さの根源であるともいえます。
自分が何をやりたいか、何を伝えたいかが分かっていたら、技術は後からついてくる。
実は、岡本太郎が芸術の道を進むと決意したのはピカソがきっかけだと言われています。
10代の頃、父親の仕事の都合で太郎はパリに引っ越すことになります。
その頃、絵を描くことは好きでしたが、「何のために描くのか」という疑問の答えを求め、太郎はさまよい、民俗学なども学んでいます。
その頃、たまたま立ち寄ったポール=ローザンベール画廊でピカソの作《水差しと果物鉢》品を見たことで、太郎は強い衝撃を受け、「ピカソを超える」ことを目標に絵画制作に取り組んだと言われています。
その後、岡本太郎は精力的に作品を制作し、晩年になってもさまざまな有名な作品を世に送り続けました。
ゴッホは美しい。しかしきれいではない。ピカソは美しい。
しかし、けっして、きれいではない。
この言葉は、技術の高さや手先の上手さ、美しさなどは芸術の本質とは関係がなく、むしろ不快感や疑問、嫌悪感などがあるような、見る者を激しく引きつけ圧倒することこそが真の芸術と説いています。
いかにも岡本太郎らしい、芸術に対する言葉です。
彼自身が描く作品も、決してきれいではなく、衝撃的な作品が多いのは、このような考え方によるものなのでしょう。
これは芸術だけに当てはまる考え方ではなく、文化や人々の暮らし、あるいは人間そのものにもあてはまるのではないでしょうか。
信念のためには、たとえ敗れると分かっていても、おのれを貫くそういう精神の高貴さがなくて、何が人間ぞと僕は言いたいんだ。
太郎にとっては、他人と比べる勝敗云々よりもずっと、「自分自身が持っている主義」が大切であり、それを貫くことを何よりこだわっていたのだと思います。
他人と比べがちな現代社会の私たちですが、太郎のもつ精神は、今を生きる私たちにも必要なものなのかもしれません。
岡本太郎の名言<恋愛編>
人間は男でも女でも、本当に「生きる」ためには、自由でいきなきゃいけない。
だからぼくは「結婚」なんて枠にはまりたくないんだよ。
少年時代、母親の愛人とともに生活をしていたこともあり、太郎の恋愛観は通常とは少し違っていたようでしたが、それでもパリ時代から多くの女性にモテて、ある意味で女性関係に関してはマメであったとも言われています。
それでも結婚ということを意識することはなかったと言います。
戦後、絵画制作を再開した頃、岡本太郎は、のちの生涯のパートナーとなる平野敏子と出会います。
生涯籍を入れることはありませんでしたが、敏子は後に秘書、そしてのちに養女となり、ずっと岡本太郎の傍にいつづけました。
自分らしくいられる生き方、それを認め・愛してくれる女性。
岡本太郎の恋愛観とはそういうものだったのかもしれません。
ためらい、投げだし、そしてまともに自分の行為に対して、悪びれない女性。
そういう人こそ、いじらしく、可愛らしく、また頼もしい。
この言葉は敏子のことを言っているのでしょうか。
敏子自身も、恋愛については、「自分自身を投げ出すことのできる相手でないと」と言う言葉を残しています。
お互いを認め合ったうえで、自身のやりたいことに忠実に向き合い、“生きる”。
それがお互いができているからこそ、このような言葉を残すことができたのでしょう。
お互いを認めることのできる愛。それを表した言葉であるともいえます。
愛をうまく告白しようとか、自分の気持ちを言葉で訴えようなんて、構える必要はない。
きみの体全体が愛の告白なのだ。
岡本太郎のプレイボーイぶりについて、敏子が不安になった、あるいは逃げだしたという記録はなく、敏子と太郎の愛の格言は今でも数多く残っています。
お互いの恋愛観・人生観を認め合うことで、同時にお互いを愛し、また自分らしく人生を送ることができたのではないでしょうか。
口説く必要なんかないんだ。目と目があえばいい。
あとは行動あるのみさ。
身体と身体でぶつかることを説くこの言葉は、太郎の情熱の強さを表しているともいえます。
作品と同じく、恋愛についても全力で、自分を貫きつつ、ぶつかる。
「芸術は爆発だ」という言葉と同様に、まさに恋愛も爆発のように向かっていったのではないか──。
そんなことを思わせる言葉です。
誰でも恋愛を経験して大人になる。
生きることに対して、全身全霊で取り組んでいた岡本太郎だからこそ、この言葉の力強さには説得力があるように思います。
そしてこの言葉はある意味で、ひとつの恋愛が終わるときに、自分の心にじわりと響いてくるような重みもあります。
ひとつの恋愛を経験して、自分はちょっと大人になったんだ。
そう思うことで、自身の今の気持ちに踏ん切りをつけようとするときに、きっと役立つ言葉なのではないでしょうか。
いかかでしたでしょうか?
岡本太郎の名言を「人生編」と「恋愛編」の2つに分けてご紹介してきました。
生きる力、どんな逆境にも負けない精神、そしてユーモアを与えてくれる岡本太郎の言葉。
ここからは、今回ご紹介した名言が多く載っている著書を3冊ご紹介します。
岡本太郎の言葉が刺さるおすすめ著書
1.「自分の中に毒を持て」
「いつか、やりたい」と思っていて、未だにできていない。
目の前のことに追われて、本当に自分のしたいことが見つかっていない。
そんな人におすすめの本です。
本書を通して、「失敗を怖れて、やりたいことに挑戦しないでもいいのか」という太郎の問いかけが胸に響きます。
また、見出しには、
「意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない」
「きれいになんて生きてはいけない」
「他人と同じに生きてると自己嫌悪に陥るだけ」
といった言葉が並び、人生とは、困難に出合い無我夢中で試行錯誤することにこそ、生きる感動があるのだと教えてくれる本です。
● 読者の声
”普段の慌ただしい生活で考えることをおろそかにしてしまっている「生きる」、「死」について改めて考えさせてくれる本。”
”何かに迷い、何を目指せば良いか分からなくなった時に読むと再び何かに向かう気になります”
(Amazonのレビュー)”とかく、なあなあで事を済まそうとする現代人にとって、岡本太郎の生き方は見習うべき所が多いと思います。”
(楽天みんなのレビュー)”数々の前衛的な芸術作品に込められた熱く厳しいメッセージが伝わってきて勇気づけられる。”
(読書メーター)
2.「壁を破る言葉」
「壁を破る言葉」は、何かにつまづいたとき、困難に立ち向かったときに読みたくなる本です。
「すべてのモノをつくる人へ」というキャッチコピーがこの本にはついていますが、ものづくり関係なく、生きるすべての人への心に届きます。
自分の殻を破ることができない、破ろうと思ったことさえない、という人が読めばきっと目からウロコになるような型破りな言葉が溢れている他、「殻を破りたい!」と思っている人にとっては、それを後押ししてくれるような力強い言葉がたくさん並んでいます。
心地よさや美しさ、というものではなく、激しさ、戸惑い、衝撃……そういった過激な言葉が並んでいるからこそ、作品と同様に、太郎の言葉は多くの人の心をうったのでしょう。
● 読者の声
“人生において色々な場面で壁にぶつかったときこの言葉を思い出します。岡本太郎さんが活躍されていた時代を知らない世代のわたしにも刺さる言葉で溢れています。”
(Amazonのレビュー)“人生は絶望的・悲観的であるとしながらも、その中で強く、自由に”生きる”ための言葉がつめられた本。塞ぎこみがちな自分の殻を破ってくれる言葉がたくさんあった。”
(読書メーターより)
3.「愛する言葉」
岡本太郎と敏子が呼びかけあうように、互い違いに言葉を紡ぎ合っています。
束縛された人生や、彼らの恋愛観に興味のある方、もっと自由に人を愛したいと思う人にはおすすめしたい1冊です。
2人の恋愛観がわかるだけでなく、むしろ2人の生き方、人生観、相手の価値観に対する自分の価値観が見えてくるような本でもあります。
お互いを束縛しないことはもちろん、相手らしさを全面的に受け止めること。
それがたとえ、自分の心を傷けることであっても。
例えば、敏子は、太郎がほかの女性とどこかへ行ってしまっても、文句を言うことはないと言います。
誰かほかの人が惚れてしまうくらい、岡本太郎は魅力的なんだから仕方がない、というのが彼女の考え方。そのかわりのちに自分のところに戻ってきてくれると、やっぱり嬉しい!という気持ちが湧いてくる。
だからこそ恋愛は素晴らしいと。
彼らの独自の愛の貫き方が紡がれている本です。
● 読者の声
“もしかすると、男と女は、ほんとうの「自分」をわかろうとして、ほんとうの「自分」になろうとして、互いに求め合うものなのかもしれない。”
(Amazonのレビューより)“恋愛においても、結局は、「瞬間瞬間を生きる」ということ、“今”だけに集中するということが、相手により誠実に向き合うことに通じてくるのかもしれない、そう感じた。”
(Amazonのレビューより)“男女は相手に依存するんじゃなくてお互いの良いところを引き出す積極的姿勢が必要だなと感じます。それではじめて落ち着くしいつもの自分になれるんですな。”
(読書メーターより)
岡本太郎についてもっと詳しく
いかがでしたか?
こうして見てみると、岡本太郎という人の魅力が作品だけでなく、考え方や遺した言葉に多く込められていることがわかります。
名言やエピソードを知った上で、岡本太郎の作品を見てみたり、さらに詳しい人生を知ると、彼の名言の理解がより深まるのではないでしょうか。
作品や言葉によって、多くの人を勇気付け、魅了する岡本太郎。
岡本太郎についてもっと知りたい!という方は以下の記事もチェックしてみてください。
岡本太郎のグッズについて知りたい方はこちら
岡本太郎の人生について知りたい方はこちら
岡本太郎の展示について知りたい方はこちら
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