2023/04/21

アーティスト支援旅行旅館直島

MAGAZINE

直島初の本格旅館「ろ霞」がオープン、自然とアートを堪能する極上の宿泊体験

直島旅館ろ霞

現代アート作品が島中に点在するアートの島「直島」。

2022年4月14日、直島に初の本格旅館「ろ霞」がオープンしました。

同館は「里山の風景に触れ、現代アートを堪能する旅館」をコンセプトとし、極上の宿泊体験の提供と若手アーティストの作品展示・販売などを行なっています。

アートと出会う旅スタイルとして、ぜひ旅行プランの参考にしてみてください。

アートと出会う本格旅館「直島旅館ろ霞」

直島旅館ろ霞

2022年4月にオープンした、岡山のA&C株式会社が運営する「直島旅館ろ霞」。

同施設は「里山の風景に触れ、現代アートを堪能する旅館」として、世界的にも現代アートの島として有名な直島初の本格旅館です。

全客室露天風呂付きとなっており、スイートルーム8室・プレミアムスイート2室・ろ霞スイート1室の全室スイート仕様の計11室で構成されています。

「家プロジェクト」が立ち並ぶ中心エリアに位置し、宮浦港への無料送迎バスもあるのでアクセスも良好です。

建築コンセプトは「自然と人間が美しく調和する里山のような風景」

直島旅館ろ霞

建築設計は「自然と人間が美しく調和する里山のような風景」を目指し、日本画家・児島慎太郎が建設予定地を見て描いた集落のイメージから着想を得ています。

日本古来の美意識である「質素美」と「内と外の曖昧さ」を基本デザインに置き、地域と隔絶した壮観な建物を作るのではなく、敷地奥に昔から広がる山林を借景とした平家とすることで、その土地と自然に馴染む宿となっています。

直島旅館ろ霞

また、素材選びや建設工程などの細部にまでこだわり、グローバルに求められる旅館の快適さと、亭主の「数奇」をバランスよく取り入れられています。

客室には、現代的な和の設えを表現した淡路島の土や土佐和紙など、一室ごとに異なる一点ものの瀬戸内海周辺の自然素材が用いられています。

客室の露天風呂には、岡山・湯郷温泉の濃縮還元した温泉水と環境に配慮したアメニティが用意されています。

「山祉水明」をコンセプトとした庭園

直島旅館ろ霞

「山祉水明（さんしすいめい）」をコンセプトとした外の庭園は、ランドスケープデザイナーのYard Worksによるもの。

オリジナルサウンドを採用した光の演出が施され、心地よい空間が広がります。

このコンセプトが高く評価され、2020年に「グッドデザイン賞」と「アジアデザインアワード2022」のブロンズ賞を受賞しています。

瀬戸内の魚や近隣の食材を使用した食事

直島旅館ろ霞

大きな窓から四季や時間の移ろいを楽しめるレストランでは、季節の瀬戸内の新鮮な魚を扱った1日限定9食の寿司会席や、一品一品趣向を凝らした会席コースを月ごとに内容を変えて提供。

瀬戸内海の旬を捉えた魚だけでなく、地野菜、小豆島のハーブなど豊かな食材をふんだんに使用しているほか、食材ごとの調理温度にもこだわっており、上質な味と香りを体感することができます。

ビーガンやペスカトリアン向けの食事にも対応しています。

若手現代アーティストと出会える宿「ROKA ART PROJECT」

直島旅館ろ霞

「若手現代アーティストと出会える宿」をコンセプトとした「ROKA ART PROJECT」では、アートプロデューサーで京都芸術大学教授の後藤繁雄をキュレーターに迎え、従来にはない現代美術と宿泊施設の関係構築を実践。

館内には、国際的に活躍する名和晃平の彫刻と写真、アムステルダムのfoam現代写真美術館での個展で高評価を得た横田大輔の写真、山本捷平の絵画などが常設展示されています。

作品を通してアートファン同志の会話が生まれ、日本現代アートにおける発信拠点としての宿泊所を目指しています。

直島旅館ろ霞

若手アーティストの作品展示/販売を行う「FEATURED ARTIST」

さらに、国内の若手現代アーティストの作品を客室にて展示販売する「FEATURED ARTIST」というプログラムを実施。

鑑賞だけでなく購入も可能となっており、全11室に展示されるアート作品は半年に一回展示替えが行われます。

第1弾品川亮（日本画家）

直島旅館ろ霞

第1弾としてフィーチャーされたのは、京都を拠点に活動する画家・品川亮。

日本の古典文学・新古今和歌集から発想を得た新作シリーズ「新古今和歌集十二選」が全11室の客室内に展示、完売しています。

第2弾山田康平（画家）

直島旅館ろ霞

第2弾としてフィーチャーされたのは、画家の山田康平。

新作油画11点が2023年4月20日まで展示販売中です。

山田康平は「刷毛でグラデーションをつくる」「刷毛で重ね合わせて面をつくる」「線で輪郭をつくる」という3つの絵画表象を組み合わせることで「絵画」の持つ可能性の再生を試みています。

続く第3弾には、ペインティングに写真を転写した作品で知られる岡田佑里奈の展示を予定。オンラインの抽選販売も行われる予定です。

自然と人々の交流が生まれる囲炉裏のような旅館

直島旅館ろ霞

「ろ霞」という名称には、旅行者と地元住民が「和」のもてなしと非日常的なアート体験を肴に交流を深めるような、つながりが自然と生まれる囲炉裏のような場にしたいという思いが込められています。

囲炉裏の火を意味する「炉火」と、朝霧や靄（もや）を連想させる「霞」という2つの言葉から、「ろ霞」という名前が生まれました。

ギャラリー開設など、今後も新しいプログラムを展開

直島旅館ろ霞

訪れる人々が現代アート・直島の自然や食事・日本のおもてなし文化を体験でき、そして、人々の交流が自然と生まれる本格旅館を目指す同館。

今後もアートの島・直島にある旅館として、アートとの向き合い方を発信し、アート界を盛り上げるため施設の価値を高めていくとのこと。

引き続き若手作家と繋がりを持ちつつ、アーティスト・イン・レジデンスやギャラリーの開設など、新しいプログラムを展開させていく予定です。

直島の自然とアートを楽しむ「ろ霞」での特別な時間を、ぜひ体験してみてください。

直島旅館ろ霞

住所：香川県香川郡直島町1234

電話番号：087-899-2356

公式HP：roka.voyage

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