オフィーリア
ART

「オフィーリア」の美しい絵画12選!ミレーなどが描いた作品を紹介

謎の美女・オフィーリア。

ジョン・エヴァレット・ミレー作の、湖に浮かぶ絵画で知っている人も多いのではないでしょうか?

実はオフィーリアはシェイクスピアの「ハムレット」に登場する悲劇の人物。

今まで多くの画家が、彼女の悲話をモデルにして絵を描いてきました。

今回は、ハムレットの物語について解説し、ミレーと、ミレー以外の描いた美しい「オフィーリア」の絵画を12作品ご紹介します。

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「オフィーリア」とは?

シェイクスピアの名作「ハムレット」

「ハムレット」を書いたのは、イギリスの劇作家・ウィリアム・シェイクスピア。

ルネサンス演劇を代表する人物で「ロミオとジュリエット」「夏の夜の夢」など、世界文学として語り継がれる名作を多く生み出しました。

彼の多くの作品の中でも、「ハムレット」は四大悲劇のひとつとも言われる傑作です。

「ハムレット」はデンマークの王子、ハムレットが、王である父を殺され、さらに母と王位を叔父に奪われた復讐を果たすという物語。

ハムレットの台詞、

「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」

この有名なセリフは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

 

「ハムレット」のストーリー

主人公ハムレットは、オフィーリアと恋仲の青年。

ある日、国王(ハムレットの父)が急死してしまい、王の弟が代わりに即位します。そして、亡くなった王の妻(ハムレットの母)は新たに王となった弟と結婚します。

しかし、後日ハムレットは王の亡霊から「私は弟に殺された。王位と妻を簒奪された」と伝えられます。

実は、弟が国王を毒殺していたのです。

事実を知ったハムレットは狂気を装い、弟を殺して復讐することを誓います。ハムレットはその後、過激な言葉で物事を批難するようになります。

恋人オフィーリアはそのハムレットの変貌ぶりに驚き戸惑いますが、宰相ポローニアス(オフィーリアの父)はハムレットの狂気をオフィーリアへの恋わずらいによるものだと予測します。

 

オフィーリアの悲劇の結末

悲劇が起こるのは「ハムレット」の第4幕7章。

ある日、ハムレットは王妃(ハムレットの母)と会話しているところを、隠れて盗み聞きしていた宰相ポローニアス(オフィーリアの父)を、王と誤って刺殺してしまいます。

父を恋人に殺されたショックのあまり、オフィーリアも狂ってしまい歌を口ずさみながら川へ出かけ、溺死してしまいます。

殺された宰相ポローニアスの息子レアティーズは、父と妹の仇をとろうとハムレットを殺そうと計画。しかし、レアティーズが用意した毒入りの酒を、誤って王妃(ハムレットの母)が飲んで死んでしまいます。

剣の試合でレアティーズとハムレットも傷を負い、死の狭間でハムレットは王を殺して復讐を果たします。

そして、この悲劇を後世まで伝えるよう親友に伝えました…。

 

「ハムレット」は”すれ違い”が原因で、国の主要人が多く亡くなってしまった悲劇の物語。

オフィーリアは、ハムレットの狂気の犠牲となった悲劇の人物なのです。

「オフィーリア」を描いた絵画12選

ウジェーヌ・ドラクロワ作

制作日 1844年
所蔵 ルーヴル美術館(パリ)

ウジェーヌ・ドラクロワは、19世紀フランスのロマン主義を代表する画家。

フランス革命の『民衆を率いる自由の女神』を描いたことで有名です。

彼は「オフィーリアの死(The Death of Ophelia)」という題名でこの絵を描きました。

物語の中では抵抗空しく死んでしまうオフィーリアですが、絵の中で彼女は左手で木の枝を掴み、必死に流されまいとする姿で描かれています。

 

レオポルド・ブルシェ作

制作日 1851年
所蔵 不明

ロココ時代に栄華を極めた「ロココの帝王」とも呼ばれる画家・フランソワ・ブーシェの息子である、レオポルド・ブルテが描いた作品。

彼は父親ほど有名ではないですが、オフィーリアを描いたこの絵は、彼の作品として知られている貴重な一枚です。

額縁からも、ロココ美術に影響を受けた耽美な雰囲気が伺えます。

 

ジョン・エヴァレット・ミレイ作

制作日 1852年
所蔵 テート・ブリテン美術館

19世紀英国の芸術グループ「ラファエル前派」に所属していた、ジョン・エヴァレット・ミレイの描いた有名な一枚。

湖に浮かびぼうっと口を開いて、恍惚ともとれる表情を浮かべるオフィーリアが描かれています。

この絵の構図や描写は、多くの画家に影響を与えました。ミステリアスな雰囲気は、唯美主義的世界観を演出しています。

 

アーサー・ヒューズ作

制作日 1852年
所蔵 不明

ロマンチックな雰囲気が魅力的な、アーサー・ヒューズの作品がこちら。

描かれているオフィーリアは、他の作品と比べて幼く見えます。

アーサー・ヒューズはラファエル前派のメンバーではないものの、1852年のラファエル前派によるロイヤル・アカデミー展にこの作品を出品。

全くの偶然でミレーの「オフィーリア」とこの作品が並んで展示されたそうです。

 

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作

制作日 1864年
所蔵 ギャラリー・オールダム

「オフィーリアの発狂」と名付けられたこの作品。

作者のダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは、詩人としても大変評価されている人物で、ジョン・エヴァレット・ミレーとともに、ラファエル前派を設立した画家です。

描かれているのは、オフィーリアの最初の登場シーンですが、後半部分を念頭に置いて描いたとも言われています。

 

フランシス・ディクシー作

制作日 1865年
所蔵 ビルバオ美術館

オフィーリアの横顔が美しい作品。右手に持った本からは、彼女の聡明さが連想されます。

作家・フランシス・ディクシーは、シェイクスピアのヒロインを多く描いて有名な画家。

ハムレットだけでなく、「ロミオとジュリエット」を題材にした作品も多く描いています。

 

ポール・ファルコナー・プール作

制作日 不明
所蔵 テートギャラリー

ポール・ファルコナー・プールの、オフィーリアの死の場面を描いたと思われる作品。

この作品が、ハムレットの「オフィーリア」について描いたものかどうかは定かではなく、所蔵するテート・ギャラリーでは題名の「オフィーリア」に「?」をつけています。

アカデミー会員でもあった彼は、歴史画やシェークスピアの題材の作品も多くあるそうで、この作品もオフィーリアを描いたものであろうと言われています。

 

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作(1889年)

制作日 1889年
所蔵 個人(イギリス)

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスが、ロイヤル・アカデミーの美術学校を卒業する際に製作された作品がこちら。

草むらに錯乱した様子で横たわっているオフィーリアが、こちらを見つめている姿が描かれた一枚です。

背景には、この後彼女が命を落とすことになる小川も描かれており、悲壮感も漂います。

彼はオフィーリアの題材を好み、この後も何枚も名作を残しています。

 

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作(1894年)

制作日 1894年
所蔵 個人

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスが描いた、有名なオフィーリア作品群の一つの作品がこちら。

蓮のある小川の辺りで、髪に手をやるオフィーリアが描かれています。

この作品では花も見どころの一つです。

一見幸せそうに見える彼女ですが、髪に飾られたポピーは”死と眠り”の象徴なのです。

 

オディロン・ルドン作

制作日 1900-1905年
所蔵 個人

象徴主義の画家の中でも、独創的なことで知られるオディロン・ルドン。

同時期に、風景画を多く描いていた印象派の画家たちに対し、ルドンはもっぱら幻想の世界を描き続けました。

この作品でオフィーリアは、花や蝶々や植物に囲まれ目を閉じています。

川で溺れてしまった彼女の最期を彷彿とさせる、異世界のような絵画です。

 

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作(1910年)

制作日 1910年
所蔵 個人

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスが描いた、スカートの裾を手に取りこちらに歩いてくるオフィーリアの姿。

鋭い目と固く結ばれた口元からは、彼女が何かを決意したようにも見えます。

よく見ると、右後方には通りすがりの2人の女性の姿が。彼女たちはオフィーリアが今から溺死してしまうことなど思いもつかない様子で、オフィーリアとの対比が見事な作品です。

 

スタンリー・ウィリアム・ヘイター作

制作日 1936年
所蔵 テート・ギャラリー

スタンリー・ウィリアム・ヘイターは、1930年代にはシュールレアリズムに、1940年以降は抽象表現主義に携わった英国の画家。

絵画、描画、彫刻、コラージュなど様々な手法に挑戦したアーティストで、この作品でも古典的なテーマである「オフィーリア」を独自の解釈で抽象的に描いています。この作品は、小川の流れる水をイメージしているそう。

スタンリー・ウィリアム・ヘイターは、幼い頃に見たミレーの「オフィーリア」の作品に言及し”良い作品”と述べた一方で、作品と直接の関係はないと言います。

 

まとめ

「ハムレット」のヒロイン・オフィーリアを描いた、様々な絵画を楽しんでいただけたでしょうか。

世に広く知られていない絵画も多いですが、それぞれ魅力的な作品ばかりですよね。

悲劇のヒロイン「オフィーリア」のテーマは、このように多くの表現者を引きつけています。

この中から、あなただけのお気に入りの一枚を見つけてみるのもおすすめです。

 

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