ゴッホ美術館
ART

ゴッホの「ひまわり」は7枚ある?描かれた理由について詳しく解説

ゴッホのひまわり全作品を解説

 

ゴッホの代表作の一つ「ひまわり」。

ゴッホの筆遣いや色合いの特徴が大きく現れているひまわりシリーズは、現在も多くの人の心を魅了していますよね。

実は、ゴッホが描いたひまわりは連作で、全部で7作品あります。その中には日本で鑑賞できる作品も。

今回はゴッホの「ひまわり」にこめられた想いや、それぞれの作品の魅力について詳しく紹介していきます。

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連作「ひまわり」とは?

ゴッホが「ひまわり」を描いた理由

今でこそ知らない人はいないというほど有名な画家であるゴッホですが、生前は苦労の絶えない人生であり、作品もそれほど売れたことはありませんでした。

オランダにて6人兄弟の長男として生まれた彼は、画家になってからも貧しい生活を送っていて、弟の仕送りがなければ生きていけないほど。

そんなゴッホは気難しい性格でもあり、仕事においても人間関係においても苦悩がつきまといました。

しかしそんな中、パリでの出会いが彼を変えました

のちに共同生活を送ることとなるゴーギャンと出会った彼は、芸術家たちと情熱を分かち合える喜びを体験します。

そして彼は、芸術家たちのユートピアを南フランスのアルルに作ろうと決意。

ゴッホの「ひまわり」シリーズはゴーギャンとの共同生活の際、部屋に飾る装飾画として描いたのが始まりでした。

 

ひまわりを描いた作品には2パターンある

ひまわり2シリーズ

ゴッホの代表作である「ひまわり」シリーズは大きく2種類に分かれています

多くの人がイメージするゴッホの「ひまわり」は花瓶に活けられている作品ですが、初期に製作されたシリーズは弟と住んでいた時期パリで描かれたものであり、土の上に寂しげに置かれたひまわりを描いたものでした。

 

アルル滞在時に製作された作品が後期のものであり、有名なのはこちらの方です。

後期に描かれた「ひまわり」は、すべて花瓶に活けられています。

前期に描かれたひまわりが悲観的に横たわっていたのに比べると、後期の作品は明るい印象を与えます

 

ゴッホはなぜ何枚も「ひまわり」を描いたのか?

南フランス・アルルに移り住んだゴッホは、アルルの土地の明るい雰囲気を大変気に入りました。

そして、「黄色い家」という愛称で呼ばれていた借家を共同のアトリエにしてパリで知り合った画家たちに集まってもらおうと思います。

そうしてゴッホは弟・テオを通して何人かの画家に手紙を送りましたが、結局この案に良い返事をくれたのはゴーギャンだけでした。

 

1888年、ゴッホは「黄色い家」で画家・ゴーギャンと共同生活を始めます

「ひまわり」はそんなゴーギャンとの共同生活に向けて、彼を歓迎するために描かれた作品でした。

ゴッホは、この作品を2人で利用する予定の家のインテリアにしようとしました。

 

「ひまわり」シリーズはゴッホの作品の中では珍しく明るい作品であり、彼との共同生活に向けての希望が伺えるようです。

ゴッホにとっての、ユートピアの象徴となっていたのが「ひまわり」というモチーフなのです。

ゴッホは壁に飾るために何枚も描きました。

しかし、そんなゴーギャンとの共同生活も、方向性の違いにより仲違いしてしまい2ヶ月で終わってしまいました。

 

「ひまわり」全7作品を解説

シリーズ最初の「ひまわり」

制作年 1888年8月
所蔵 個人蔵(アメリカ)

南フランスの田舎町・アルルで最初に描かれた3本のひまわり。

水色と黄色のコントラストが鮮やかで目を惹く作品です。

鮮やかな水色の背景は、ゴーギャンと過ごす「黄色い家」の壁紙の色です。またこの後6作品続く「ひまわり」の中でも、最も生命力の強さが溢れていると言えるでしょう。

 

焼失してしまった「ひまわり」

制作年 1888年8月
所蔵 なし(消失)

別名「芦屋のひまわり」と呼ばれる2作目がこちら。

5本中2本が花瓶の外に出ており、前作に比べると暗いイメージを与えます。

この作品は実業家の山本顧弥太氏が所蔵していたのですが、1945年8月6日に第二次世界大戦の空襲により焼失してしまいました。

空襲当時、他の画家の作品は避難させたのですが、「5本のひまわり」のみ壁に固定してあったため、移動させることができなかったのです。

ゴッホの連作「ひまわり」では残念ながらこの作品が現存していません。

 

ミュンヘンの美術館の「ひまわり」

制作年 1888年8月
所蔵 ノイエ・ピナコテーク(ドイツ)

その名の通り12輪描かれており、全て花瓶に活けられていますがその様子はさまざまです。

咲き方が異なるのは、それぞれのひまわりの品種が違うため。さらに3作目では、1作品目と同じような作品のコントラストにも注目されています。

現在はドイツのミュンヘンにある美術館・ノイエ・ピナコテークが所蔵しており、「12輪のひまわり」目当てに訪れる観光客も多くいるほどです。全部で7作品ある「ひまわり」ですが、どの作品を見ても違った印象を受けることがわかりますね。

 

ロンドン・ナショナル・ギャラリーの「ひまわり」

制作年 1888年8月
所蔵 ロンドン・ナショナル・ギャラリー(イギリス)

3作品目と同じように、ひまわりの数は12本描かれています。

ゴーギャンと過ごす「黄色い家」に飾るため、12枚のひまわりの絵を制作する予定だったゴッホでしたが、花の時期がすぎてしまい実際に描き上がったのは当時4枚だけでした。

その4枚目がこちらの「ひまわり」であり、花も花瓶も背景までも、全て黄色で描かれています。

絵の具の塗り方で厚みや遠近感を出し、ひまわりの存在感がグッと引き出されているのに注目です。

 

東京・SOMPO美術館の「ひまわり」

制作年 1888年12月
所蔵 SOMPO美術館(東京)

続いて紹介するのは、4枚目と1888年に描かれた「15輪のひまわり」です。

ひまわりの数は15本。4作品目と同じように、黄色のコントラストが印象的ですね。ゴッホは「ひまわり」の作品以外でも度々黄色を用いており、この黄色の使い方はゴッホ作品の特徴とも言えるでしょう。

そしてこちら5作品目の「ひまわり」は日本が所持しています。バブル時代の1987年、損保ジャパン日本興亜が53億円で落札しました。

こちらの「ひまわり」は有名な「耳切り事件」の数週間後、療養院にて描かれました。

 

ドイツ・ノイエ・ピナコテークの「ひまわり」

制作年 1889年1月
所蔵 ノイエ・ピナコテーク(ドイツ)

6作品目の「15輪のひまわり」は1889年1月に描かれ、5作品目と同じように15本のひまわりが描かれています。

まるで4作品目のように鮮やかな黄色で描かれており、ひまわりの生命力を感じることができるでしょう。

耳切り事件後、病院から「黄色い家」へ戻ったゴッホが、現在東京にある4作品目を模写したものとされております。

現在はオランダ・アムステルダムのファン・ゴッホ美術館に展示されており、振動や湿度・気温などによる作品の劣化を避けるため、館外への貸し出しは禁止されております。

フィラデルフィア美術館の「ひまわり」

制作年 1889年1月
所蔵 フィラデルフィア美術館(アメリカ)

「ひまわり」シリーズでは最後の作品である7作品目のひまわり。ひまわりの数は12本です。

「ひまわり」シリーズの3作品目であり、現在ミュンヘンに所蔵されている作品を模写したものとされています。水色と黄色のコントラストが印象的です。

連作「ひまわり」はこちらの作品により幕を閉じました。

現在こちらの作品は、アメリカのフィラデルフィア美術館が所蔵しており、「ひまわり」目当ての観光客も多く訪れています。

 

「ひまわり」を日本で見るには?

全部で7作品あるゴッホの「ひまわり」ですが、東京・新宿のSOMPO美術館で見ることができます

損害保険ジャパン(当時:安田火災海上)が、バブル時代にロンドンのオークションでにて約53億円にて落札。

バブル真っ最中とはいえ53億円の落札価格はかなり大きいものであり、国内外を驚かせるニュースとなりました。

一時はこの「ひまわり」が贋作であるという説が囁かれたこともありましたが、ゴッホ美術館の学芸員が調査を行い、ゴッホ本人が描いた本物であるということが証明されています。

 

SOMPO美術館詳細

開館時間:10:00 – 18:00

休館日:月曜日/展示替期間/年末年始

入館料:一般1,500円(オンラインチケット)、1,700円(窓口チケット)

大学生1,100円(オンラインチケット)、1,300円(窓口チケット)

小中高校生 無料

 

アクセス

〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1

まとめ 

ひまわり全7作品

以上、ゴッホの代表作である「ひまわり」に関する解説でした。

全部で7作品ある「ひまわり」ですが、それぞれに違った魅力があります。

生前は思うように絵が売れず、苦悩の多い画家であったゴッホでしたが、現在彼の「ひまわり」シリーズは、世界中の人々を魅了し続けています。

「ひまわり」シリーズに彼の人生を重ねてみると、より深い魅力を感じることができるかもしれません。

 

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