2018/09/14

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「印象派」とは?代表的な画家と作品を解説

印象派とは?

日本人にも人気の高い「印象派」。

印象派は19世紀後半のフランスで始まりました。

当時、国家の保護下にあり、フランスの美術界の中心だった芸術アカデミー。

アカデミーの教育に疑問を持ったクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールなどの若い画家たちが、「画家、彫刻家、版画家等の芸術家の共同出資会社」による独自の展覧会を1874年に開催します。

そこで展示されたモネの「印象・日の出」は、批評家から「まるでスケッチのようだ」と酷評されました。
しかし、一般の民衆はモネら印象派の画家たちの絵を好意的に迎え、画家たち自身も「印象派」の名を使うようになっていきました。

その後、印象派展は回を重ねるごとに評価を高めながら、1886年まで合計8回行われることになります。

民衆からの人気を得た印象派の画家たちは、その後アカデミー主催のサロンでも認められるようになっていきました。

 

活躍したアーティスト

クロード・モネ
ルノワール
エドゥアール・マネ
エドガー・ドガ

オスカー・クロード・モネ

1840年11月14日-1926年12月5日(享年86歳)

クロード・モネはフランスの画家で印象派の創設者です。
それまでの伝統的な風景画、古典性、理想的な美などから逸脱して、近代性や自身の感覚をそのままに表現するという基本的な印象派哲学を一貫して実践しました。
光の変化と季節の移り変わりをとらえるために、時間帯や視点を変えて何度も同じ風景を描く方法を確立させました。
モネと日本の関係は深く、浮世絵を200以上収集し自宅の庭に日本風の橋をかけるなどした日本通で、「睡蓮」シリーズは、日本美術に強く影響を受けているといわれています。

ピエール・オーギュスト・ルノワール

1841年2月25日-1919年12月3日(享年78歳)

ルノワールは、19世紀末、フランスで起こった絵画運動「印象派」を代表するフランスの画家です。
彼は主に人物画を多く描いていました。
ルノワールが13歳の頃、磁器の絵付職人を目指していましたが、産業革命の影響で失業。そこから彼は、画家という道を目指し始めます。
ルノワールの作品は、初期はとても暗い色が多かったものの、友人の一言により、全体的に明るい雰囲気で柔らかく淡い印象が強い作品が増えていきました。
1880年後頃から、それまでの印象派という技法に疑問を持ち始めたルノワールは、イタリア旅行でラファエロ・サンティらの古典絵画に触れ、徐々に画風が変化していきました。
”輪郭や人物や物の色がよりはっきりと描かれるようになってから”ポスト印象派と呼ばれるようになりました。
独自の画風を生み出した彼は、穏やかな生活を送っていたものの、関節リウマチを患います。
ルノワールが生きた時代には、治せる薬があるはずもなく、曲がった指先で絵筆を持ちながらも思うように身体が動かない中でも毎日作品を生み続けていました。

エドゥアール・マネ

1832年1月23日-1883年4月30日(享年51歳)

エドゥアール・マネは、19世紀パリのモダニズムな生活風景を描いた最初のフランス画家です。
写実主義から印象派への移行をうながした重用な人物であり、「草上の昼食」や「オランピア」など娼婦裸体を描いたこれらの作品が一般的に近代美術のはじまりで、マネは近代美術の創始者とみなされています。
両作品ともに大きなスキャンダラスを起こし、のちに印象派を創始する若い画家たちに多大な影響を与えました。
マネは上流階級の人々を描くことが多く、それは自身が上流階級出身であり、基本は伝統主義の姿勢だったからだと言われています。
マネも浮世絵の影響を受けており色彩や構図だけでなく、生き生きと描かれた当世風俗の様子に感銘を受け代表作「オランピア」を描いたと言われています。

エドガー・ドガ

1834年7月19日-1917年9月27日(享年83歳)

エドガー・ドガは、19世紀末の「印象派」のなかでも最も強く古典主義の系譜を受け継いでいるフランスの画家です。
ドガは、バレエを主題とした作品でよく知られており、実際にドガの作品の半分以上はバレエの絵だったと言われています。裕福な家庭の出身であったドガは、バレエを好み、定期会員は、オペラ座の楽屋や稽古場に自由に立ち入ることが許されていたため、楽屋や練習風景、舞台袖といった一般人では出入りできない場所での場面を多く描いていました。
ドガは、アングル同様にデッサンに非常に優れており、「動き」を描写するのが得意な画家でした。肖像画では心理的な複雑さや人間の孤独性の描写に秀でていました。
1880年代後半になると、ドガは写真へ関心を持ちはじめます。ドガは多くの友人の写真撮影のほかに踊り子、ヌード写真も多数撮影しており、それらの写真は、ドガのドローイングや絵画の下敷きにもなりました。
1910年後半には視力の低下にともなっておもに彫刻で制作をおこなうようになりましたが、1912年に作品制作をやめ、ドガは生涯独身で余生を送ったとされています。

印象派の傑作4選

1.草上の昼食

 

作者  エドゥアール・マネ
制作年 1862〜1863年
所蔵  オルセー美術館


解説

『草上の昼食』は、1863年のサロンに出品されましたが、神話や歴史上の人物ではなく、普通の女性が裸体になっていると批判され、落選してしまいます。

1865年には、ベッドの上に裸で寝そべる娼婦を描いた『オランピア』を発表。

この絵もまたスキャンダルとなりました。

その後マネは、モネやルノアールなどの若手画家と知り合い、「バティニョール派」と呼ばれるようになります。

マネはその中心的存在になり、普仏戦争後もモネにアトリエを斡旋し、ともに戸外で絵を描くなど、親しい関係は続きました。

保守的なプルジョワで、あくまでサロンにこだわり、印象派展には一回も出品したことがないマネですが、印象派の画家から見れば、頼りになる先輩であり、絵画の可能性を広げた先駆者であったことは確かです。

 

2.ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会

 

作者  オーギュスト・ルノワール
制作年 1876年
所蔵  オルセー美術館


解説

1877年開催の第3回印象派展に出品された『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』。印象派の絵の中でも有名な作品のひとつといっていいでしょう。

場所はモンマルトルの丘にある同名のダンスホール。

当時近くに住んでいたルノアールは、徒歩でここへ通い、作品を制作していました。

絵の中の人たちはルノアールの友人やお気に入りのモデルたち。

休日に仲間とはしゃぐパリの人々の自然な様子が、明るい木漏れ日の中ではじけるようです。

この絵を厳しくコメントする批評家もいましたが、のちに彼のパトロンとなるシャンパルティエ夫妻など、これを期にルノアールの作品を気に入った人もいました。

『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』を購入したのは、印象派のメンバーで、裕福だったギュスターヴ・カイユボット。絵はカイユボットの死後、フランス政府に寄贈されています。

 

3.印象・日の出

 

作者  クロード・モネ
制作年 1873年(1872年という説もあり)
所蔵  マルモッタン美術館


解説

『印象・日の出』は「印象派」という名前を生み出したモネの作品です。

描かれた場所はモネの故郷、港町ル・アーヴル。港が見える部屋の窓から、霧の中を昇ってくる真っ赤な太陽と、それを写す波打つ海を描いています。

周りには、当時工業港として船の出入りが激しかったル・アーヴルらしく、立派なマストの大型船や、そこへと向かう小型船が見えます。

この絵の特徴は、水平線をあえて高めに設定していること。

光が反射する水面が主役なのです。

一時期、これが日の出なのか日の入りなのかで研究者の中で議論されたことがありましたが、モネが滞在したホテルや太陽の位置などから、現在は日の出とされています。

残念ながらモネがいた当時のル・アーヴルは、第二次世界大戦でほとんどの建物が壊され、破壊されてしまいました。

 

4.バレエのレッスン

 

作者  エドガー・ドガ
制作年 1875年ごろ
所蔵  オルセー美術館


解説

パリの銀行家に生まれ、裕福な家庭で育ったドガ。
イタリアなども訪れて美術を勉強しました。

そのため、ドガの作品には、ルネサンスの巨匠たちの影響が見受けられます。
また、他の印象派画家と同じように、浮世絵の研究もしていたようです。

ドガの作品には室内風景のものが多いのですが、それは普仏戦争で目を怪我したため、眩しさを強く感じるようになり、外出が困難となってしまったからでした。

ドガの絵の中でも特に多いのがオペラ座の裏方で行われていたバレエの練習風景。

『バレエのレッスン』では、踊り子の少女ひとり一人を個別にデッサンし、全体を計算しながら構図や人物の配置を決めています。

そのため、彼女たちの、本番の舞台では見せることのない人間らしい表情や仕草が余すところなく描かれ、動きのある作品に仕上がりました。

 

「印象派」のおすすめ関連書籍3選

『イラストで読む 印象派の画家たち』

 

印象派が活躍した頃の時代背景と、なぜ印象派というものが生まれたのか、ということを、画家同士の付き合いや、それぞれの絵にまつわる話を元に、丁寧に解説しています。

画家たちの人間性がわかる㊙︎エピソードもあり、非常に興味深いです。

また、オールカラーで、見るべきポイントを丁寧に説明してくれるのも読みやすく、印象派をよりよく理解できます。

価格¥1,728 河出書房新社

 

● 読者の感想

”印象派の画家たちの関係や基質がよくわかる本です。(本当かどうか、作者の主観があるとは思いますが)。楽しく読める本です。”

”今年の夏、新国立美術館で開かれたオルセー美術館展を観に行った際に、ミュージアム・ショップに置いてあって興味を持ち、買いました。印象派の画家ひとりひとりに対する理解のみならずお互いの関係もよく分かりました。イラスト付きで読みやすく、良本だと思います。”
参考

 

『モネのあしあと 私の印象派鑑賞術』

 

印象派の画家の中でもモネに焦点をあて、モネが時代ごとに生み出した絵と、その複雑な人生を、当時の時代背景も織り込みながら、すみずみまで伝えてくれています。

彼の画法は、筆致を残す描き方からモチーフの抽象化へと変わっていきましたが、彼の人生の節目と絵の違いがよく分かるよう解説されています。

画家の温かい性格も垣間見える内容ですので、モネファンにはぜひ手に取っていただきたい一冊です。

価格¥468 幻冬舎

 

● 読者の感想

”原田マハさんがモネの史実をまとめた本。大好きな画家の人生が、原田さんの優しい口調で語られていて、読んでいて心地がよかったです。 また、ジヴェルニーの食卓を先に読んでいてよかったと思いました♪ パリの歴史にもふれ、モネの生きた時代とその前後がわかりやすくまとめられていて勉強になりました。 モネは「もちろん人生に苦しみや悲しみがあったけれど、それを表現することはよしとしなかった」だからモネの絵を見ると人々は幸せな気持ちになるのだと書いてあり、自分が何故この画家が好きなのか納得しました。”

”若い頃はどうしてもカッコつけて、日本人が大好きな印象派って事でだいぶ斜に構えて見ていましたが、みんなが大挙して見にいく程度には自分も素直に観る事が出来る様になって、この本も読んでみた。これでまた、夏にやるモネ展ももっと楽しく鑑賞出来るかな。”
参照

 

『印象派という革命』

 

アカデミーという国家権威に対し、印象派は確かに革命でした。

国家の基準を無視し、自らで新しい基準を作る。それが革命でなくて何でしょう。印象派が登場する前、美術界は革命前のフランスのようでした。

そこに印象派が現れ、体制に反発したことで、その後の画家や絵画の可能性が大きく広がったのです。

印象派以降の画家が、個人の信条で絵画を制作できるようになったのは、印象派による革命のおかげだといえるでしょう。

価格¥4,480 集英社

 

● 読者の感想

”印象派の絵画を見るなら、この本を読んでから!と強く薦めたい。表層的な美しさだけではなく、時代背景、画家の矜持やキャラクターがわかってから見ると、理解の深みが全然違ってくると思う。印象派の絵画になって初めて、個性とか人間味が加味されて描かれるようになったようだ。非常にわかりやすい解説で、興味深い内容だった。作者の見識の広さが伺える。先ずは描かれた時代背景や文化を理解することが大事なんだとわかった。画家って貧乏なイメージがあったが、実はお金持ちの姉弟が多かったようだ。当時の絵の具代とか想像すると納得。”

”日本でも人気のある印象派の歴史をフランスの古典主義の時代からひもとく。印象派の中心となったモネやルノワールはもとより、マネなどの前史部分にも作品を紹介しながらスポットライトを当てるなど、読んでいてすらすら頭に入る。より作品鑑賞が楽しくないそうな親切丁寧な本。”
参照

 

● 知っておきたい!西洋美術史の基本知識

 



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