バンクシー風刺画
CULTURE

風刺画の傑作まとめ7選!ビゴーを中心に歴史の教科書に載っている有名風刺画を解説

”バンクシー”という名前は多くの人が聞いたことがあると思います。

彼は世界各地のストリート、壁、および都市の橋梁に痛烈な政治および社会を批判する風刺画を描くことで世間を賑わせている風刺画家です。

絵画というソフトな手法で社会を批判する風刺画

この風刺画を見ると、その時代の表の歴史と、それを庶民がどう感じていたかが非常によくわかります。

今回は誰もが一度は見た事がある歴史の有名な風刺画を紹介。その裏にある真実を絵の中から読み抜いていきましょう!

 

風刺画とは?

社会を皮肉る漫画

毎日を過ごしていると、不合理なことや矛盾したことが起こっていることに気づきます。

すべてが杓子定規に進まないことはもちろんですが、目に余るようなことも起こっているのが事実です。

そういうものを皮肉を込めて1枚の絵として批判している漫画アート作品が「風刺画」です。

風刺画の対象となるのは人間や社会、国家権力などですが、それを物、動物などを比喩として描きながら人間性への批判を暗に訴えています。

ユーモアを交えながら表現し、見る人がどれだけ背景を分かっているかによって見え方が違ってくるというのも風刺画の特長です。

 

ビゴーと風刺週刊誌『トバエ』

日本の明治期の風刺画作家として有名なのがフランス人画家ジョルジュ・ビゴー

日本では伊藤博文や板垣退助が現代日本の基礎を作るために奔走していた1980年代に来日し、一般庶民の目線で当時の日本の風刺画をたくさん残しています。

ビゴーの風刺画は、当時の庶民からみた政治やその他の出来事を風刺としてあらわしていると同時に、外国人からみた日本の生活様式を表しているものとして貴重な資料となっています。

そのビゴーが1887年に創刊したのが風刺漫画雑誌『トバエ』です。

日本に居留していたフランス人向けに日本の政治を中心として風刺漫画を集めて発刊していました。

 

日本の有名な風刺画7選

ビゴー「メンザレ号の救助」(1886年)

フランスの郵便船メンザレ号が上海沖で沈没した事件との題名がありますが、題材はこの事件の1年前に起こったイギリス船ノルマントン号事件。

紀伊半島の沖で沈没した際に、西洋人乗組員はほとんどが救助されたにもかかわらず日本人乗客は全員死亡した事件を風刺しイギリスへの批判をしています。

この画の上の方で沈没している船はフランス国旗が掲げられていますが、遭難している人はすべて日本人、救助ボートにはイギリス国旗が掲げられています。

船長は「金をいくら持っているか言え!」と救助ボートから言っていることから、日本人が当時かなり貧乏に見られていたことがわかります。

 

ビゴー「魚釣り遊び」(1887年)

この頃、朝鮮半島をめぐって当時の日本と清(現在の中国)が激しく対立していました。

この画は朝鮮半島を魚に見立てて、日本と清が1匹の魚をどちらが釣るか頑張っていますが、それを橋の上からロシアが高みの見物をして、機を伺うかのようにじっと見ています。

この画が描かれた7年後、実際にこの画がそのまま現実となります

1894年になって朝鮮をめぐり日清戦争が始まり、そこで勝利はしたが体力の落ちた日本に対してロシアが争いをしかけ、日露戦争が1904年に発生しています。

 

ビゴー「言論統制」(1888年)

この画が描かれた前年に保安条例という自由民権運動を弾圧する条例が即日施行という形で制定されています。

これにより言論の自由は制限され、この画にあるように警察が右側に座っている新聞記者たちに好きなことは言わせないとばかりに口に猿轡をして一方的に話をしています。

右上の窓から見ている者が作者のビゴーだと言われていますが、その姿をみて苦笑しています。

言論の自由が統制され始めると、次は戦争がはじまるという西洋の歴史を知っているビゴーが何を思うか、この表情から読み取れます。

 

アンリ・マイヤー「中国分割」(1895年)

1894年から始まった日清戦争が日清講和条約締結という形で翌年終結しました。

しかし、中国の領有権を巡り三国干渉という形でドイツ・フランス・ロシアが介入し、またアヘン戦争によって中国に進出していたイギリスも加わり、日本を含めた5カ国で中国を切り分けることになっていきます。

この風刺画はまさにこの状況を、左からイギリス(ヴィクトリア女王)、ドイツ(ウィルヘルム2世)、ロシア(特長ある帽子)、フランス(国旗にちなんだ三色の服)、日本(サムライ)が「中国」と書かれたケーキを切り分ける風景として風刺しており、後ろでお手上げになっている清の皇帝が描かれています。

 

ビゴー「火中の栗」(1903年)

ロシアが栗(中国)を焼いています。

それをイギリス・アメリカが奪いたいと思っているのですが、ロシアと揉め事を起こして火傷したくはない。

そこでイギリスは日本をそそのかしてロシアの元に送り出そうとしていますが、当時の日本はイギリスやアメリカの協力を得たいと思っているのでその囁きにそそのかされて、ロシアの元に向かっている様子が描かれています

日本人だけ小さな少年のように描かれていますが、これが当時の国力を表しているとも言われています。

 

ビゴー「日露戦争」(1904年頃)

こちらもロシアに対して日本に刀を持たせて戦わせようとしているイギリスが描かれています。

軍服なのがロシアと日本だけで、イギリスとアメリカはまるで遊びに行くような姿で高みの見物感を出しています。

ロシアの南下政策を押しとどめるためにやむなく起きた日露戦争ですが、最終的にはアメリカが仲介してポーツマス条約により終結しています。

日本が望んだ戦争ではなくもともとイギリスとアメリカにけしかけられて行った戦争でありましたが、仲介をアメリカが行い美味しいところをもっていかれ、日本は賠償金すら取れなかったことを痛烈に風刺しています。

 

和田邦坊「どうだ明るくなっただろう」(1928年頃)

これは大正時代に第一次世界大戦の戦争特需がおこり、そこで巨万の富を得た「成金」が生まれました

お茶屋さんで芸子を従え、薄暗い玄関で靴を探す芸子のためにために、100円札に火をつけ明かりにする成金の姿が描かれています。

今のお金に換算すると、100円札は40万円ほどの大金です。

お金のありがたみを忘れ、お金を労働の対価とは思っていない様子、戦争特需によって日本人の良識が崩れていった様子を「成金栄華時代」というタイトルで風刺しています。

 

風刺画をもっと楽しめる本

ビゴーが見た日本人

江戸から明治へ、文明開化と伴に近代化が大きな流れとなって劇的な社会を変えていきました。

日本に起こった変化とそのウネリの中で日本を風刺したフランス人画家ジョルジュ・ビゴーが日本で17年間にわたり描き続けた風刺画の100点を厳選して紹介しています。

外国人が描いた風刺画を通して当時の日本人を浮かび上がらせている一冊です。

ビゴーが見た日本人 (講談社学術文庫)

1,023円 (税込)

出版社 : 講談社 (2001/9/10)

 

風刺画で読み解く近代史

その時代背景を皮肉を含みながら「言い得て妙」な表現で描かれるアート作品である風刺画を通して、風刺画の専門家が日本近代史を解説しています。

言論の自由が制限される中、表現できるギリギリ一杯の範囲の中に幕末から昭和にかけての日本人のリアルな姿を詰め込んだ風刺画を解説し、日本人目線だけでなく外国人の目線からもどう見えていたかを知ることができる1冊です。

風刺画で読み解く近代史―――厳選した図とともに、 幕末から昭和前半までを旅する本

649円 (税込)

出版社 : 三笠書房 (2015/7/21)

 

まとめ

日本の近代史に描かれた風刺画を、ビゴーを中心に見てきました。

見れば見るほど、また背景を知れば知るほど見え方が変わってくる風刺画の魅力を楽しんでいただけましたでしょうか。

現代においても風刺画は社会の矛盾を鋭く刺すアートとして、人々の心を打っていくことでしょう。

 

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