レンブラント西洋美術史
ART

レンブラントとは?「夜警」などの代表作品と経歴を詳しく解説!

レンブラントという画家をご存知でしょうか?

彼は、17世紀のオランダ美術の黄金期に活躍した画家で、ヨーロッパ美術史を語るうえで欠かせない人物の一人と言われています。

今回は、「光と影の魔術師」とよばれた天才画家の華々しい功績と人生について、彼が残した作品と一緒に辿っていきます。

 

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レンブラントとは?

オランダのバロック絵画を代表する画家

レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レインは、1606年オランダ生まれの画家で、バロック期を代表する重要人物の一人として知られています。

レンブラントは同じくオランダ人画家であるフェルメールと同時期に活躍し、ヨーロッパ美術史を語るうえで欠かせない存在といえます。

精巧な質感描写によるリアリズムと、バロック的かつドラマチックな画風が特徴的です。

また、生涯にわたり70点以上の自画像を書いた画家としても知られており、特に晩年の作品は人間の深い内面を感じさせるもので、現在もなお多くの人を魅了し続けています。

 

光と影の魔術師

「光の画家」、「光と影の魔術師」などの異名を持つレンブラント。

彼は、強い明暗のコントラストを駆使した画風でよく知られています。

代表作である「夜警」などの作品でみられるように、光と影の描写を巧みに使い、物語性を感じさせる特徴があります。

光と影の使い方について、レンブラントの右に出るものはいない、といえるでしょう。

 

レンブラントの経歴

生い立ち

レンブラントは1606年に、現在のオランダにあたるネーデルランド連邦共和国のライデンで生まれました。

父ハルマンと母ネールチェンの間に9番目の子どもとして生まれ、父ハルマンが製粉業を営んでいたことから裕福な家庭で育ちました。

1613年にラテン語学校に入学し、1620年には14歳でライデン大学への飛び級による入学を許可されます。

しかし、レンブラントはライデン大学へ入学しものの、画家を目指すためにわずか数か月で退学することになります。

 

ヤーコプ・ファン・スヴァーネンブルフへ弟子入りし絵画を学ぶ

大学を中退し画家を目指したレンブラントですが、当時は美術学校などはありませんでした。

そこでレンブラントは、イタリア留学の経験がある歴史画家ヤーコプ・ファン・スヴァーネンブルフへ弟子入りし、絵画を学びました。

それから約3年間、スヴァーネンブルフから技法を学び、絵画の基礎を身に付けます。

この時点でレンブラントは、その類稀な技術ですでに評判を得ていました。

そして、1624年にレンブラントは、当時オランダ最高の歴史画家と言われたピーテル・ラストマンに半年ほど師事します。

その期間に、後に作品の特徴となる、明暗を用いた技法やドラマティックな表現方法などを学んだと言われています。

 

「テュルプ博士の解剖学講義」で一躍有名に

1624年ごろから、レンブラントは実家にアトリエを構え、18歳で画家として独立します。

この時期には、レンブラントと同じくピーテル・ラストマンに師事をしていた、兄弟子であるヤン・リーフェンスと互いに切磋琢磨しながら、活動していたようです。

そして1631年、さらなる名声を求めてレンブラントはアムステルダムへ移住をしますが、その一年後に医師であるニコラス・ピーデルスゾーン・トゥルプが解剖学の講義を行う様子を描いた集団肖像画を製作します。

その作品は「テュルプ博士の解剖学講義」と題され高い評価を得たことから、画家としてのレンブラントを一躍有名にした出世作となりました。

 

傑作「夜警」の制作と人生の暗転

富と名声を得たレンブラントは1640年に火縄銃組合から依頼された仕事で、市民自警団の集団肖像画を描きはじめます。

この絵は1942年に「夜警」という題名で完成し、レンブラントの最高傑作としてヨーロッパ美術史に永遠に刻まれる作品となりました。

しかし、画家として最高潮に達していたレンブラントですが、この時期から彼の人生は暗転していきます。

まず、「夜警」の制作中に最愛の妻サスキアが結核で亡くなってしまいます。

また、彼の「夜警」以降の作品が、彼の追求した芸術性と作品を発注する市民が求めるものとの間で乖離していき、しだいに世間から見放されていきます。

さらに、レンブラントには浪費癖があったことから多額の借金を抱えてしまい、ついには破産して無一文になってしまいます。

 

晩年

かつての画家としての華々しい成功から転落してしまったレンブラントの人生は、残念ながらその後に好転することはありませんでした。

晩年の彼は娘のコルネリアと雇った老女中と生活し、困窮の中で日々を送ったといわれています。

そして1669年、レンブラントは人々から忘れられたまま孤独の中でその生涯を終えました。

このように、自身の作品のように明暗の分かれる人生を送ったレンブラントですが、彼の死後に再び作品に光があたるようになり、近代西洋美術を大きく発展させた歴史的人物として高い評価を得るようになりました。

 

レンブラントの代表作品を解説

テュルプ博士の解剖学講義(1631年)

「テュルプ博士の解剖学講義」はレンブラントが初めて製作した集団肖像画です。

著名な医師であるニコラス・テュルプ博士が行う解剖学の講義を、7人の外科医が熱心に聞く様子が描かれています。

鉗子でつままれた手元をのぞき込む人や、博士の話に耳を傾ける人がそれぞれ描き分けられており、各登場人物の感情が豊かに表現されています。

また、各人物の配置はレンブラントによって慎重に考慮された構図をとっており、作品に調和と統一感をもたらしていることも特徴の一つです。

 

夜警(フランス・バニング・コック隊長の市警団)(1942年)

「夜警」はダヴィンチの「モナリザ」やベラスケスの「ラス・メニーナス」と並ぶ、世界三大絵画の一つとして現在も知られています。

1640年に火縄銃組合から発注された集団肖像画の製作をレンブラントが受けたもので、1642年に完成しました。

レンブラントの得意とする明暗法を駆使し、登場人物が隊列を作ろうとしている様子をドラマチックに描いています。

また、当時の自警団の集団肖像画は動きのない姿勢で描かれるのが一般的でしたが、この作品では集団肖像画に動きの要素が取り入れられており、各人物の活き活きとした生命力が表現されています。

 

ホメロスの胸像を見つめるアリストテレス(1653年)

「ホメロスの胸像を見つめるアリストテレス」は、ギリシャの哲学者アリストテレスをレンブラントが想像を元に描いた作品です。

アリストテレスが詩人ホメロスの胸像に、何かを考える様子で手を置いている姿が描かれています。

アリストテレスの表情からは何かを熟考している様子がうかがえ、その深い精神性を表すような独特な光の表現が特徴的です。

人間の深い心理を感じさせるこの作品は、レンブラントの最高傑作の一つとして評価されています。

 

ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴(1654年)

「ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴」は、1654年ごろに製作された油絵作品です。

旧約聖書にある、イスラエル王ダビデが沐浴するバテシバへ強引に関係を持ち、妊娠させたという一場面を官能的に描いた作品です。

バテシバの腕のカーブが特徴的で、その同心円の構成が肌着や乳房などの丸みのあるモチーフやそれらの柔らかい質感と共鳴している見事な作品です。

レンブラントの肖像画の中でも本作は専門家からの評価が高く、英国の美術史家ケネス・クラークは、「レンブラントの裸体を描いた作品の中で1番素晴らしいカンヴァスである」と述べています。

 

自画像(1658年)

レンブラントは生涯にわたって多くの自画像を描いた人物として知られています。

その中でも1658年に製作された自画像は、晩年のレンブラントの最高傑作と言われており、堂々とした威厳を感じさせる姿と力強さが、豊富な色彩で描かれています。

当時の画家が自身の自画像でよく行ったように、歴史上の人物や哲学者などに扮した自画像であると考えられていますが、人物の特定には至っておらず、作品の解釈についても様々な説が唱えられています。

 

レンブラントの作品が見られる美術館

DIC川村記念美術館(千葉)

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館には、レンブラントの1635年の作品である「広つば帽を被った男」が展示されています。

また、当館は敷地が広いため、自然の散策も併せて楽しむことができます。

開館時間:午前9時30分から午後5時 ※入館は午後4時30分まで
入館料:一般 1,000円から
    大学生・65歳以上 800円から
    小・中・高校生 600円から
    ※庭園のみをご利用の場合(大学生以上) 200円
    ※料金は展示内容によって変わります。
    ※20名以上の団体は割引が適用されます。
休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌平日に休館
    年末年始
    展示替期間の臨時休館

 

ハウステンボス美術館(長崎)

長崎県佐世保市にあるハウステンボス美術館には、レンブラントの1635年ごろの作品である「ヤン・アセレインの肖像」を鑑賞できます。

他の作品についても企画展を行っていることがありますので、公式HPを詳しくチェックしてみましょう。

開館時間:9:30~19:30
 ※季節により、異なりますのでお問合わせ下さい。
休館日:展示替え時(要問合せ)
料金:入館料 500円
 ※展示内容により、料金が異なります。
 ※ハウステンボス施設利用の場合は、別途料金が必要となります。

 

MOA美術館(静岡)

MOA美術館は静岡県熱海市にある私立美術館です。

こちらには1629年の作品である「帽子を被った自画像」が展示されています。

レンブラントらしい明暗法を使用した光の中に浮かんでくる自画像が、大変興味深い作品となっています。

営業時間:9:30~16:30(入館は16:00迄)
休館日:毎週木曜日・展示替日
 ※特別開館日あり
料金:大人1600円・大高生1000円・小中生無料・シニア割引1400円・障害者割引800円

 

アムステルダム美術館(オランダ)

こちらは、オランダの首都アムステルダムにある国立美術館です。

レンブラントが当時活動していた場所なだけに、彼の作品が多数展示されています。

また最高傑作である「夜警」も展示されているため、生涯で一度は行っておきたい美術館です。

営業時間:9:00~17:00
休館日:年中無休
料金:大人€ 20.00・18歳未満無料・4歳未満は入館いただけません。

 

レンブラント作品をもっと楽しむ

映画「レンブラントは誰の手に」

2019年に製作されたオランダ映画「レンブラントは誰の手に」は、レンブラントの作品をめぐって起きた人間同士のドラマを描いたドキュメンタリー作品です。

様々な富豪や画商、美術館がレンブラントの作品をめぐり多額の富をかけて争奪戦を繰り広げる様子が描かれています。

レンブラントの作品の特徴についての言及や、レンブラント絵画の市場価値、オランダにとってのレンブラント作品の意義などを感じることができる作品です。

映画「レンブラントは誰の手に」公式HP

 

書籍「もっと知りたいレンブラント 生涯と作品」

こちらの書籍は、レンブラントの作品の紹介や、作品をより深く理解するための解説、彼の暮らしぶりや財産目録などについてのエピソードを紹介している書籍です。

また、当時のオランダの時代背景や歴史的事実などについても関連して言及しています。

レンブラントの作品について、社会的背景も含めて深く理解したい方におすすめの本です。

もっと知りたいレンブラント 生涯と作品

1,980円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ 東京美術
発売日 ‏ : ‎ 2011/3/10

 

書籍「レンブラント 光と影のリアリティ」

こちらは、レンブラントの作品を彼の生涯をたどりながら解説している書籍です。

芸術家としての華やかな成功とその後の没落した半生から見られるように、浮き沈みの激しい人生を歩んだレンブラントですが、作品と一緒にその生涯をたどることでより一層、彼の作品についての理解が深まることでしょう。

レンブラントについて初めて触れる人にもおすすめのガイドブックです。

Kadokawa Art Selection レンブラント 光と影のリアリティ

985円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ 角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 ‏ : ‎ 2011/2/25

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

レンブラントが西洋美術史に残した功績はとてつもなく大きなものでしたが、光と影を巧みに使った彼自身の作品が象徴しているかのように、明暗の分かれる人生を歩んだ人物であることがわかります。

作品そのものの解説だけでなく、レンブラントの人生や彼の生きていた時代背景を知ることによって、より深く彼の作品を感じることができるでしょう。

 

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