アルフレッド・アドラー心理学歴史
CULTURE

アドラー心理学とは?現代社会を生き抜くための思考法をわかりやすく解説

トップ

 

ベストセラー「嫌われる勇気」をきっかけに日本で多くの人が知ることとなった「アドラー心理学」。

アドラーが提唱した「目的論」「課題の分離」といった思考法は、複雑な現代社会を生き抜くための重要なメソッドとして、世界的に注目されています。

今回は、アルフレッド・アドラーが提唱した心理学の特徴や、フロイト・ユング心理学との違い、日常生活における実用性についてわかりやすく解説していきます。

 

アドラー心理学とは

オーストラリアの心理学者アルフレッド・アドラーが提唱

アドラー心理学とは、オーストラリアの心理学者であるアルフレッド・アドラーによって提唱された心理学の体系です。

アドラーは心理学者フロイトやユングと同時期の20世紀前半に活躍し、現代のパーソナリティ理論の基礎を確立させた代表的人物の一人として数えられています。

近年では、アドラー心理学をわかりやすく解説した「嫌われる勇気」が日本でベストセラーになったことからも、多くの人から注目されている心理学といえます。

 

人は目的のために生きているという「目的論」

アドラー心理学の最大の特徴は「目的論」を基礎にしている点にあります。

フロイトが特定の原因によってその人の人格や行動が決定されると考える「原因論」を基礎としているのに対し、アドラーは「人は目的のもとに生きている」という思想を根底に持ち、その目的を達成するためにその人の心理が形成されると考えていました。

 

過去のトラウマや苦しさの原因を追求しない

トラウマ

ソース

アドラー心理学では、苦しみの原因となる「トラウマ」に着目しないという大きな特徴があります。

フロイトの心理学などでは、その人のトラウマが原因となって苦しみが生まれると考えられていますが、アドラー心理学ではトラウマを原因ではなく目的として扱っているため、苦しみの原因を追求しない考え方をとっています。

 

フロイト・ユング心理学とアドラー心理学の違い

フロイト心理学の特徴

フロイト心理学はオーストリアの精神科医であるジークムント・フロイトによって体系化されました。

人の心に「無意識」が存在する無意識論を初めて提唱したことで知られています。

無意識論では、その人の「自我」や「超自我」が意識と無意識の間を調整しており、無意識を様々な感情や記憶が集合しているものと捉え、その働きを重要視しました。

この無意識論は20世紀の世界に大きな影響を与え、その後の心理学や精神分析の源流ともなりました。

 

ユング心理学の特徴

ユング心理学はスイスの精神科医カール・グスタフ・ユングによって創始された分析心理学です。

ユングは人の無意識が2種類あると定義し、一つは個人ごとに存在している「個人的無意識」、そしてもう一つが万人に普遍的に存在している「集合的無意識」を初めて提唱しました。

また、人間の心を8つのタイプに分離し、それぞれに適した自己実現の実践方法を提唱したことから、現代の心理分析の基礎を築いた人物としてもよく知られています。

 

フロイト・ユング心理学とアドラー心理学の違い

「人間は、過去の経験が原因となって今の行動が規定される」という「原因論」を提唱したフロイト心理学。「人の無意識の深層には、個人の枠を超えた先天的な構造領域がある」と提唱したユング心理学。

両者の理論はどちらも、現在起きている問題は過去の出来事にその原因があるという考え方が基本でしたが、フロイト・ユングの提唱した「運命論的な要因に原因を求める人間観」に対し、アドラーは「目的論」を通して異を唱えました。

人間を意識と無意識に分けることを、「身体の症状を精神と切り離せず、精神と身体は一体でありこれ以上分割することのできない一つの全体としてのわたし」と否定し、過去のトラウマについて、「現在の自分の性格は、自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自ら決定している。」と否定しました。

 

アドラー心理学の考え方の特徴

人の行動にはすべて「目的」がある

「目的論」とは、人の行動にはすべて目的が存在しているといった考え方で、アドラーによれば人の心理は特定の目的を達成するために自らその感情を作り出していう考え方です。

例えば、「過去のトラウマが原因で新しい恋愛に踏み出せない」という悩みを抱えている人がいるとします。

この因果関係の向きは「トラウマがあるから新しい行動をとれない」といった原因論の考え方です。

しかし、目的論を採用した場合は、「また失敗するのが怖くて新しい恋愛に踏み出したくないから、過去の出来事をトラウマにして負の感情を作り出している」と考えます。

このように目的論は、原因論の因果関係とは真逆の発想をとっていることが大きな特徴です。

 

人間関係は「共同体感覚」で築く

人間関係は共同体感覚で築く

アドラー心理学のもう一つの大きな特徴は、人間関係は共同体感覚で築くべきであると主張している点です。

共同体感覚とは、個人の利益追求だけではなく他者へ貢献することを意識し行動することで、「自分の居場所がここにある」と思えるような感覚のことです。

他者を敵ではなく仲間とみなし、上下間の支配的な人間関係ではなく横並びの信頼関係を結び、共同体の一員であると感じることによって幸福感を得られるとしています。

 

自分と他者の課題を分離する

アドラー心理学独自の考え方として、「課題の分離」というものがあります。

これは、対人関係において何か問題が起きたときに、それが自分の解決するべき課題なのか相手のものなのかをしっかり区別して考えることです。

例えば、「自分が会社の同僚からどう評価されているか気になって仕方がない」人がいるとします。

この場合は、自分に評価を下すといった課題は同僚のものであり、自分ではどうしようもありません。

そして、与えられた仕事をしっかりこなすといった自分の課題に集中するべきであることに気づくことができます。

これが課題の分離のわかりやすい事例です。

課題の分離を実践し、「いま自分はどの課題に向き合うべきなのか」「自分にできることは何か」を整理する習慣をつけることで、今まで感じていた周囲に対する劣等感や羨望とは無縁の人生を送れるようになります。

アドラーは「人間関係の悩みはすべて対人関係によるものである」と考えており、課題の分離はその対人関係を円滑にするうえで実践的な考え方と言えるでしょう。

 

「勇気づけ」による新しい自分の構築

アドラー心理学では、「勇気づけ」を行うことで新しい自分を構築することをすすめています。

勇気づけとは、自分や他者へ「困難に立ち向かう活力を与える」ことであり、アドラー心理学の対人関係におけるテクニックです。

人間は常に変化して成長し続ける存在であると考えていたアドラーは、生きて行く上では必ず困難や課題が現れ、それを乗り越えていく必要があるとしています。

そのために外的な要因ではなく、自身の内側から出てくる力をアドラー心理学では重要視しています。

 

「今、ここ」を生きるために集中する

どうすれば幸せに生きられるかについて、アドラーはドイツ語で「sachlich」と表現しています。

これは「即時的」といった意味の単語であり、アドラーは、今生きているこの瞬間に集中することが大切であると主張しています。

過去や未来とは自分でコントロールできません。

それらを考えすぎて囚われてしまうのではなく、今この瞬間に自分が成すべきこと、したいと思っていることに全力で集中することで、幸福な人生を歩むことができるというのがアドラーの教えです。

 

アドラー心理学のメリット

抱えている問題との向き合い方が分かる

抱えている問題との向き合い方が分かる

「課題の分離」などの考え方にもみられるように、アドラー心理学では「いま自分が取り組むべき課題を明確にする」ことを重視しています。

自分が抱えている問題を解決するために自分が今何をすべきなのか教えてくれるアドラー心理学のテクニックは、現実社会において非常に実践的なものといえます。

 

「自分軸」で物事を判断できるようになる

自分軸で物事を判断できるようになる

アドラー心理学では対人関係において、「他者からの評価は自分の課題ではないため、それについてあれこれ考える必要はない」と提唱しています。

自分が向き合うべきことは他者からの評価ではなく、「未来のためにいま自分がやるべき課題」です。

この考え方を実践することで、他人の目線を恐れた意思決定ではなく、自分の軸で物事を判断できるようになります。

 

「どのように生きたいか」が明確になる

どのように生きたいかが明確になる

アドラー心理学を実践することで、過去のトラウマに目を向けたりその要因を考える悪い習慣を断ち切ることができる他、他者の評価や目線が気にならなくなり、自分を根底から勇気づけることで人生の困難に立ち向かう活力が得られます。

これによって「自分がどのように生きたいか」「どのような人間になりたいのか」がより明確になります。

アドラー心理学は、現代社会を生き抜く上で欠かせない思考法であるといえるでしょう。

 

もっとアドラー心理学について知ることのできる本

嫌われる勇気

「嫌われる勇気」は2016年に日本でベストセラーとなった書籍で、アドラーの名前が日本中に知られるきっかけとなりました。

「課題の分離」や「承認欲求を捨てる」といったアドラーの教えが話題となり、2017年にはテレビドラマ化されるほどの人気を得ています。

登場人物たちの対話形式によってアドラー心理学が説明されているおり、心理学初心者の方にも体験的に理解しやすい構成になっています。

嫌われる勇気

1,650円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社 (2013/12/13)

 

アドラー心理学入門

こちらは「嫌われる勇気」の著者の一人である岸見 一郎氏が1999年に出版した本であり、「どのように生きれば幸せになれるのか」についてアドラー心理学の見地から考察を行っています。

現代社会に存在する課題の中でも対人関係について注目した内容となっており、アドラー心理学の入門書としても高い評価を得ている書籍です。

アドラー心理学入門

713円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ ベストセラーズ (1999/9/1)

 

アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉

こちらは、アドラーが残した数々の名言をまとめた書籍です。

見開き2ページに名言とその解説が載っており、とても読みやすい内容になっています。

心理学などの学術的な内容が苦手な方でも楽しめるため、超入門書としてもおすすめです。

アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉

1,760円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社 (2014/2/28)

 

生きるために大切なこと

こちらはアドラー自身によって書かれたアドラー心理学入門用の本です。

アドラー自身の言葉に触れることができる原典であるため、アドラー心理学を本格的に学んでみたい方、より深く理解したい方におすすめです。

本書を読む前に、「嫌われる勇気」などでアドラー心理学について一通り学んでいると、よりスムーズに内容を理解できるでしょう。

生きるために大切なこと

1,540円 (税込)

出版社 ‏ : ‎ 方丈社 (2016/9/23)

 

まとめ

ストレスの多い現代社会において、アドラー心理学は非常に実践的な教えであるといえます。

「心理学と聞くとなんだか難しそう」と思いがちですが、アドラー心理学は専門的な用語が少なく、実生活で実践しやすい内容が多いので、心理学初心者の方には特にオススメです。

アドラー心理学について少しでも興味がある方は、ぜひ入門書を手に取って理解を深めてみてくださいね。

 

\ おすすめ記事 /

 

 あなたの部屋に合うアートは?
 LINEで 無料診断!

アート作品を購入してみたいけど、

どこで買えば良いかわからない…

どんな作品を購入すれば良いかわからない…

という方も多いのではないでしょうか?

そんな方のために、thisisgalleryの公式LINEアカウントから、気軽に相談できる 無料アート診断 サービスをリリースしました!

専門アドバイザーが、あなたに最適な作品をセレクト。

インテリアに合った作品のご提案や、オーダーメイドのご相談など、様々なお悩みを解決します。

\ こ ん な 方 に お す す め /

部屋に合った絵画・アート作品が欲しい

作品をどこで探したら良いかわからない

似顔絵・オリジナルのアートギフトを贈りたい

手軽な価格で絵画をオーダーしたい

\ L I N E で い ま す ぐ 診 断 ! /

 

関連記事

【2021年最新】ホラー映画のおすすめランキング20!怖すぎる映画をジャンル別に紹介

怖いもの見たさでついつい観てしまうホラー映画。 今回はあなたが観たことを後悔させるようなホラー映画を洋画、邦画でそれぞれランキング形式で紹介します。 人間の狂っていく様を描く洋画ホラー、何かが忍び寄ってくる恐怖を描く邦画ホラーを

世界の有名な写真家11選!巨匠の知っておきたい代表作を紹介

誰もがスマホを使って手軽に写真を撮れる時代。 とても身近になった”写真”という表現ですが、たった1枚の写真によって大きく心を揺さぶられることもありますよね。 今回はご紹介するのは1900年代以降に活躍した、世界の有名な写真家です。

村上春樹の代表作品や経歴を解説

日本で最も有名な作家といえば、「村上春樹」ではないでしょうか。 近年では唯一ノーベル文学賞候補となっている日本人作家であり、英国ブックメーカーサイトでは毎年必ず有力候補に挙げられるほど世界的にも知名度が高い作家です。 ノーベル賞

アインシュタインとは?「相対性理論」などの発明・生涯について詳しく解説

アインシュタインといえば、舌を出している写真でよく知られた物理学者です。 世界的に最も有名な物理学者と言っても過言ではありませんが、実際にどのようなことを成し遂げたのかについてまでは、詳しく知らない方も意外と多いのではないでしょう

東京都内のおしゃれなブックカフェ・バー31選!本が読めるおすすめ空間

ソース おしゃれなブックカフェで いつもと違う読書体験を 休日に欠かせないもの。それは「本とコーヒー」。 一冊の本と美味しいコーヒーがあれば、他には何も必要ありません。でも、せっかくの休日。たまにはいつもと違う場所で読書を楽しん

TOP