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ジェフ・クーンズ初のNFT作品が宇宙へ、月面に永久展示するプロジェクトを発表

ジェフ・クーンズ NFT

Jeff Koons. ©Jeff Koons.

存命中のアーティストで最も高い売上記録を持つ作家、ジェフ・クーンズ。

2022年3月、クーンズのNFTデビュー作品として、彼の彫刻作品を宇宙へ打ち上げ、月面に永久展示するプロジェクトが発表されました。

作品は民間航空宇宙企業「Intuitive Machines」の指揮のもと、月に打ち上げられ、月面に設置された物理的な彫刻とリンクしたNFTが販売される予定です。

 

クーンズ初のNFT作品「Moon Phases」

ジェフ・クーンズ NFT

Photo: Leon Neal/Getty Images.

67歳の現役アーティスト、ジェフ・クーンズ。

彼はオークション市場で最も高価格で取引されている現代アーティストの1人です。

 

今回、彼は人類の技術的進歩と月への果てしない憧れにインスピレーションを得て、自身初のNFT作品となるプロジェクトを発表しました。

「Moon Phases」と名付けられたこのプロジェクトは、月へ打ち上げられた彫刻作品とリンクするNFTを販売する、というもの。

クーンズの彫刻作品は月面に永久展示され、世界初の「月面着陸遺産」に指定される予定です。

 

2022年、アメリカがアポロ17号で有人月旅行を成し遂げてから50周年を迎えます。

彼の作品はその記念として、2022年7月にフロリダ州にある「ケネディ宇宙ステーション」のパッド39Aから打ち上げられる予定となっています。

 

作品と紐づけられたNFTはクーンズの所属ギャラリー「PACE」(ペース)が持つNFTプラットフォーム「ペース・ヴェルソ(Pace Verso)」上で限定販売され、初回販売分の一部は国境なき医師団に寄付されます。

 

クーンズはこのプロジェクトについて以下のようにコメントしています。

私は、人間的で哲学的な思想に根ざした、歴史的に意義のあるNFTプロジェクトを作りたかったのです。

私たちが宇宙で成し遂げたことは、人類の無限の可能性を象徴しています。

宇宙探査は、私たちが世界の制約を超越する能力を持つという視点を与えてくれました。

このような考えは、私のNFTプロジェクトの中心を成しています。

 

NASA、民間宇宙企業の協力により実現した世界初のアートプロジェクト

今回のプロジェクトは、ジェフ・クーンズとペース・ヴェルソ、デジタルアートの専門会社「NFMoon」、女性が経営する初の民間宇宙企業「4SPACE」、そして、クーンズの作品を運ぶ月着陸船Nova-Cを設計した「Intuitive Machines」と「NASA」の協力体制によって実現しました。

 

Intuitive Machines社の副社長で元NASA宇宙飛行士でもあるジャック・フィッシャー(Jack Fischer)は、作品の打ち上げについて、以下のようにコメントしました。

この彫刻は、月面に設置される初の公認芸術作品です。

彼の作品は月の南北軸に1600マイル以上にわたって広がる「Oceanus Procellarum」に設置され、キューブサット(CubeSat)という小型衛星に永久に保存されます。

Oceanus Procellarumとは

日本名で「嵐の大洋」と呼ばれる、月の西に位置する広大な「月の海」(=濃い色の玄武岩で覆われた平原)の一つ。南北の長さは2,500キロメートルにおよび、マグマが凝固した洪水玄武岩によって厚く覆われている。

 

世界的な「宇宙ブーム」の波はアート業界にも

宇宙 作品 

Photo courtesy of Uplift Aerospace.

世界的な「宇宙ブーム」の波は、アート業界にも広がっており、民間宇宙企業とアーティストによる共同プロジェクトはこれまでにも数多く発表されてきました。

 

2021年8月、ウィーン在住のガーナ人アーティスト、アモアコ・ボアフォ(Amoako Boafo)による3点の絵画が航空宇宙企業ブルーオリジン社のロケットに乗って11分間飛行し、パラシュートで地球上に戻ってきました。

 

これまで多くの芸術作品が宇宙に打ち上げられましたが、月面への着陸が承認されたのは、クーンズの「Moon Phases」プロジェクトが初の事例となります。

 

クーンズの所属ギャラリー、PACE(ペース)のCEO、マーク・グリムチャー(Marc Glimcher)は、このようにコメントしています。

ジェフ・クーンズの革新的なアイデアを長年支持してきた当ギャラリーは、彼のNFTデビュー作を紹介できることを大変嬉しく思います。

このプロジェクトは、我々がこれまで紹介してきた中で最も野心的な挑戦と言えるでしょう。

彫刻、絵画作品を通して芸術の歴史に大きな足跡を残してきたジェフは、世界で最も重要なアーティストの一人です。

月を舞台にしたNFTプロジェクトは、ジェフの記念碑的なキャリアとなり、後世の芸術界に多大な影響力を及ぼすものとなるでしょう。

 

クーンズなしには成立しなかった今日のNFTアート

ジェフ・クーンズ 作品

mirror-polished stainless steel with transparent color coating 121 x 143 x 45 inches 307.3 x 363.2 x 114.3 cm © Jeff Koons 5 unique versions (Blue, Magenta, Yellow, Orange, Red) 1994-2000

プロフィール画像としてデザインされた1万点のサルの画像のNFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」に代表されるように、NFT業界でメインコンテンツとなっている「アバター」。

アバターを中心とするNFTアートの流行は、クーンズをはじめとする現代アーティストの活躍無しには成立しなかったとも言えます。

 

ジェフ・クーンズ 作品

mirror-polished stainless steel with transparent color coating 168 x 80 3/4 107 xinches 426.7 x 205.1 x 271.8 cm © Jeff Koons 5 unique versions (Red, Magenta, Blue, Yellow, Violet) 2005-2010

クーンズはこれまで、複製可能で一般に普及しやすく、理解されやすいアバターやアイコンを用いた作品を多く発表してきました。

クーンズの作品といえば、「ラビット」(1986年)や「バルーン・ドッグ」(1994年)など、風船動物の形をした彫刻作品が有名ですが、彼はこうしたアイコン的なモチーフの彫刻作品を70年代から発表しています。

鏡面処理を施したステンレス製の彫刻作品は、全く同じ形で様々なカラー、サイズで生産されています。

 

ジェフ・クーンズ 作品

クーンズが1986年に発表したシリーズ作品「Luxury and Degradation」では、酒類の広告をプリントして額装するなど、クーンズはキャリアの初期からブランドやアイコンの持つ意味、広告・マスメディアへの疑問を投げかける作品を提示してきました。

 

ジェフ・クーンズ 作品

eff Koons, Art Magazine Ads (Art in America) 1988–9 © Jeff Koons

1988年に発表した「Art Magazine Ads」では、自身が開催した「BanalitySeries」展の宣伝広告を作成し、それを全国の美術雑誌に掲載することで、ショービジネス的なアート市場を揶揄する姿勢を取っています。

 

ウォール街のコモデティ仲買人として初の投資会社を設立した経歴を持つ彼は、アンディ・ウォーホル以降、アート市場のメカニズムを探求し、作品の複製に興味を持ったアーティストの一人です。

マーケットと純粋芸術の境界線を完全に破壊しないまでも、彼はその境界線を曖昧にすることにキャリアの全てを費やしてきました。

彼の功績があって初めて、今日の大量生産されたNFT作品やアバターが正当化され、NFTアートの価値が一般に受け入れられるようになったと言っても過言ではありません。

 

クーンズのこれまでのキャリアを振り返ると、彼のNFTデビュー作がこのように大規模なプロジェクトとなるのも頷けます。

 

「Moon Phases」プロジェクトの詳細は公式HPに随時更新されるとのこと。

打ち上げの成功、そしてNFTの落札価格がどうなるのか、クーンズのNFTデビューから目が離せません。

 

「Moon Phases」プロジェクト公式HP

https://www.jeffkoonsmoonphases.com

 

 

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