荒木飛呂彦とは?『ジョジョの奇妙な冒険』作者の経歴・魅力について詳しく解説
シリーズ累計発行部数1億部以上の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の作者としてその名を轟かせる漫画家・荒木飛呂彦。
代表作である『ジョジョの奇妙な冒険』はシリーズ累計発行部数1億部以上を記録しており、今もなおその記録を伸ばし続けています。
今回は、その類まれなる才能で漫画・ファッション・アートと幅広く活動する荒木飛呂彦の魅力や経歴、代表作を詳しく解説していきます。
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荒木飛呂彦とは
荒木飛呂彦は『ジョジョの奇妙な冒険』『バオー来訪者』などの作品で知られる、日本を代表する漫画家の1人。
17歳から「週刊少年ジャンプ」に漫画の投稿を始め、20歳で『武装ポーカー』が第20回手塚賞の準入賞し、デビューを果たします。その後いくつか連載を経て、1987年より『ジョジョの奇妙な冒険』の連載を開始し、大ヒットを記録しました。
最近では漫画のみならず、そのアート性の高さを買われ、ファッション雑誌の表紙やアパレルブランドとのコラボなど漫画家の枠を超える活躍を見せています。
荒木飛呂彦の魅力
アート性・ファッション性に秀でた作画
荒木飛呂彦といってまず挙げられるのが、作画のアート性の高さ。
ルネサンス期の彫刻のような美しい肉体と、抜群の色彩センスからなる絵柄は、漫画業界のみならずアパレル業界やあのルーヴル美術館からも声がかかるほどです。
その色彩感覚が存分に発揮された『ジョジョの奇妙な冒険』では、カラーリングに決まった色が存在しません。地面がピンクのこともあれば空がグリーンで塗られていることもあり、キャラのカラーもその時々で変化していきます。
そして外せないのがファッション。ファッション雑誌「VOGUE」を愛読しており、ベルサーチやフランコ・モスキーノから影響を受けた荒木作品のファッションは、上半身裸に黒のレースのトップスを合わせたり、全身穴だらけのセットアップなど変態性と奇抜さを兼ね備えたものばかり。
普通に考えれば間違いなくダサいファッションですが、アート性の高いキャラクターデザインとずば抜けた色彩センスにかかれば「アリかも」と思ってしまうところに、荒木飛呂彦という人物のスゴ味を感じさせます。
革命的な言い回しと擬音
一般的な漫画だと、物語のアクセントとして癖のあるキャラクターを何人か登場させるということがよくありますが、荒木作品に登場するキャラクターは漏れなく全員アクが強いです。
特徴的なのがその口調。「〜じゃあないか」「じゃあないぜ」などの翻訳調から、「ッ!!」を多用するエキセントリックな言い回しが多く、ファンからは「荒木節」と言われ、男らしい荒木作品の濃い世界観を構築する上で欠かせないものとなっています。
また荒木氏は擬音に関しても独自のものを生み出しています。それが有名な「ゴゴゴゴゴゴ・・・」や「ドドドドドド・・・」。
一般的に擬音は物音や打撃音など物理的な音であることが多いですが、荒木氏はサスペンス映画などで心理状態を表す際に使われる効果音を漫画に取り入れることで、緊迫感のあるシーンをより効果的に魅せることに成功しています。
知略に溢れる戦闘描写
彫刻のような美しい肉体に、男らしい癖の強い口調。
どう考えてもパワーとパワーのぶつかり合いのようなドラゴンボール的な戦闘描写が頭に浮かんでしまいますが、荒木作品に主人公補正やご都合主義といった言葉は存在しません。一般的な少年漫画が「パワーと運」勝つのであれば、荒木作品は「頭脳と知略」で勝利を掴むのです。
「相手に物事を3つまでしか覚えさせない」といった一見戦闘向きじゃない能力でも、巧みな心理戦で相手の行動を封じて追い詰めていくなど、敵味方問わず全員が能力を使いこなしてIQの高い戦いを繰り広げていくのは荒木作品ならでは。
稀に敵も味方も頭が良すぎて読者を置いていくこともありますが、それを差し置いても余りある魅力が荒木作品の戦闘描写には溢れています。
滲み出る哲学
ハイセンスな絵柄、強烈な言い回しや擬音などの奇抜さに目を惹かれる荒木作品ですが、実は荒木飛呂彦の価値観や哲学がキャラクターの台詞や物語の構図に大きく反映されています。特に顕著にみられるテーマが「決定論と自由意志」というもの。
「世の中に起こり得る事象は全てあらかじめ決定されたものである」とする決定論に対し、「ならば私たちが勇気を持って、覚悟を持って行動するというこの自由意志すらも決定された事象なのか」という疑問が常に物語全体に漂っています。
定められた「運命」や「宿命」に抗う主人公たちは、時にその運命に打ち勝ち、時にその運命から逃れられず打ちひしがれることもあり、「運命」というものを決して軽々しく描かない荒木作品。
この滲み出る哲学的なテーマが荒木作品をより味わい深いものへと昇華させています。
荒木飛呂彦の経歴
若干17歳の天才
幼少期から「ひとりの世界」に浸ることが好きだった荒木氏は早くも漫画描き始めていており、当時愛読していた『サスケ』や『カムイ外伝』などの理論的な作風の漫画は、後の荒木作品の知略的な戦闘描写に影響を与えています。そんな荒木氏が高校生のとき本気で漫画家になることを決意する出来事がありました。
それが当時16歳の漫画家・ゆでたまごの「週刊少年ジャンプ」でのデビューです。
同じ高校生、しかも1つ年下のゆでたまごがデビューしたことに焦りを感じた荒木氏は17歳に漫画を初投稿。以後何度も投稿を重ね、専門学校在学中の1980年、20歳の時に「武装ポーカー」で第20回手塚賞に準入選しデビューを果たしました。
魅力的なキャラクターや読者を引きつけるストーリー構成など、後年の荒木作品にも散りばめられている漫画的要素がいくも見受けられるまさに荒木飛呂彦の原点とも言える作品です。
また会場に居合わせた巨匠・手塚治虫に「まれに見る才能」と手放しに褒められたことも、当時から抜群のセンスを持っていたことが伺えます。
『ジョジョの奇妙な冒険』連載開始ッ
デビュー後「週刊少年ジャンプ」にて『魔少年ビーティー』『バオー来訪者』の短期連載を経て、1987年に『ジョジョの奇妙な冒険』の連載を開始。
「当初からこれまで読んだことのないような新しいストーリー作りを意識した」と語っているように、激しくも知略的な戦闘描写、血統を巡る今までになかったシリーズ構成を意識したストーリーなど、挙げればキリがない程少年漫画と思えない実験的な要素が詰め込まれています。
また『ジョジョの奇妙な冒険』といえば、物語の構成のみならず、その時の流行を捉えた絵柄の変化も魅力の1つです。
『北斗の拳』『魁!!男塾』といった劇画調の男らしい画風が主流だった連載当初の絵柄は劇画風に、『ドラゴンボール』がヒットした第3部では劇画風の絵柄からよりソフトな漫画的な絵柄に変化しました。
その後、女性読者を取り込む働きかけや青年誌への移動を背景に、マッシブな体格はファッションモデルのような華奢な体格に、漫画的でアクの強い顔は写実的で淡白な顔にスタイルを変えていき、その変貌ぶりは同一の作者とは思えないほどです。
そんな「王道にして実験的」な『ジョジョの奇妙な冒険』は多くの漫画ファンを虜にし、連載35周年の2022年現在で巻数にして全131巻、シリーズ累計発行部数は1億部以上と驚異的な数字を叩き出す大人気長寿作品となりました。
ファッション・アート業界でも活躍
『ジョジョの奇妙な冒険』で大成功を収めた荒木飛呂彦の活躍は、漫画の留まらず、荒木作品の高いアート性とファッション性からファッション雑誌の表紙に起用や、GUCCIなどのアパレルブランドとのコラボでファッション業界から大きな注目を集めています。
そしてその活躍はアート業界でもみられ、2018年には漫画家としては手塚治虫以来2人目28年ぶりとなる国立新美術館での個展「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」が開催され、連日多くのファンが訪れ大盛況を博しました。また、ルーヴル美術館にも招かれるなど世界からその才能を認められています。
荒木飛呂彦の現在の活動
『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部にあたる『ジョジョリオン』の連載を終了した2021年の9月に、連載誌である「ウルトラジャンプ」にて第9部『JOJO LAND(仮)』の製作を仄めかしていますが、今のところ詳細は不明です。
2022年で62歳を迎え、一般的には年齢に不安を覚え始める頃合いですが、ジムでのトレーニングや水泳を欠かさず行うなど常に若々しい姿を維持している荒木氏のことなので、気長に続報を待ちたいです。
荒木飛呂彦の代表作
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まとめ
今回は漫画家・荒木飛呂彦の魅力、経歴について紹介しました。
その類まれなる才能で漫画・ファッション・アートと活動の幅を広げる荒木飛呂彦の今後の活動、そして最新作である『JOJOLAND(仮)』の連載に期待です。
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