16年ぶりとなる大竹伸朗の回顧展が東京国立近代美術館で開催!11月1日から
東京国立近代美術館では、大竹伸朗の回顧展「大竹伸朗展」が開催されます。
2006年に東京都現代美術館で開催された「全景1955–2006」以来、16年ぶりの開催となる大竹伸朗の大規模回顧展。
本展では、1982年の初個展開催から40周年となる、大竹伸朗の創作活動を象徴する約500点の作品が一堂に集結します。
会期は 2022年11月1日(火)–2023年2月5日(日) 。愛媛県美術館、富山県美術館に巡回を予定しています。
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現代アーティスト、大竹伸朗
日本を代表する現代アーティスト・大竹伸朗(1955年東京都生まれ)。
彼は1980年のデビュー以降、絵画・版画・素描・彫刻・映像・インスタレーションなど幅広いジャンルで、エネルギッシュで膨大な数の作品を手がけ、日本の現代アートの先陣を切ってきました。
これまでに、熊本市現代美術館/水戸芸術館現代美術ギャラリー(2019)、パラソルユニット現代美術財団(2014)、高松市美術館(2013)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2013)、アートソンジェセンター(2012)、広島市現代美術館/福岡市美術館(2007)、東京都現代美術館(2006) などで個展を開催。
他にも、国立国際美術館(2018)、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート(2016)、バービカン・センター(2016) などの企画展に出展しているほか、ハワイ・トリエンナーレ(2022)、アジア・パシフィック・トリエンナーレ(2018)、横浜トリエンナーレ(2014)、光州ビエンナーレ(2010)、瀬戸内国際芸術祭(2010、13、16、19、22) など多数の国際展にも参加しています。
ドクメンタ(2012)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)にも参加し、日本の現代美術を代表するアーティストとして海外でも高い評価を得ている大竹伸朗。
近年では、「東京2020公式アートポスター展」、国指定重要文化財「道後温泉本館」の保存修理工事現場を覆う巨大なテント幕作品《熱景/ NETSU-KEI》など、精力的に活動を続けています。
今回、16年ぶりに開催される大竹伸朗の回顧展では、最初期の作品から近年の海外発表作、そしてコロナ禍に制作された最新作まで、およそ500点の作品が一堂に集結。
小さな手製本から巨大なインスタレーション、サウンド・パフォーマンスなど、モノと音が空間を埋め尽くす展示となっています。
7つのテーマで体感する大竹伸朗ワールド
今回の回顧展は、年代順に作品を紹介するのではなく、7つのテーマ「自/他」「記憶」「時間」「移行」「夢/網膜」「層」「音」で大竹伸朗のこれまでの作品を振り返る構成となっています。
各セクションのテーマと見どころを詳しくご紹介します。
「自/他」
1つ目のセクション「自/他」では、「全く0の地点、何もないところから何かをつくり出すことに昔から興味がなかった」と語る大竹伸朗が「既にそこにあるもの」と呼ぶ、既存のモノ、あるいは他者との共同作業によって完成した作品が紹介されます。
人物や風景など、アーティスト・大竹伸朗を形成してきたイメージの数々や、幼少期の作品から近年の大作が壁にひしめき合い、大竹伸朗を取り巻く世界を凝縮した展示となっています。
関東初公開となる「モンシェリー:自画像としてのスクラップ小屋(2012)」
本展では、2012年にドイツ・カッセルで開催された「ドクメンタ13」で発表された「モンシェリー:自画像としてのスクラップ小屋」関東初公開となります。
「ドクメンタ13」に唯一日本人として参加した大竹伸朗。
ネオンサイン、トレーラー、舟、ギター、映像、巨大なスクラップブックなど、モノと音が凝縮された小屋型のインスタレーション作品は、ドイツで好評を博しました。
本展では、会場にあわせた再構成バージョンが展示されるとのことです。
「記憶」
「記憶」と題されたセクションでは「時憶」「憶景」「憶片」など、記憶に関するテーマで制作された作品が展示されます。
大竹伸朗は、たわいもない印刷物やゴミとされるようなものまで、ありとあらゆるものを記憶に留めるように、作品に直接貼り付ける制作スタイルを貫いてきました。
記憶の痕跡とも言えるそれらの作品は、大竹伸朗個人の記憶にとどまらず、物質に刻まれた記憶の可能性を問いかけます。
「時間」
「時間」と題されたセクションは、30年もの時間をかけて変化した素材を使用した作品や、わずか30分で無計画に描きあげた作品など、時間と物質の変化に焦点を当てた作品で構成されています。
大竹伸朗にとって「時間」は素材の一つであり、ときには不確定な偶然を呼び寄せてくれる道具でもあるのです。
「移行」
大竹伸朗は「時間」だけでなく「移行」をテーマに模写、コラージュなど、元々あった場から何かを移動させることで作品を完成させてきました。
このセクションは大竹伸朗が世界各地、日本全土から集めたローカルな図像によって構成され、作品に刻まれた「時間」と。様々な場所への「移行」によって彩られています。
「夢/網膜」
ポロライド写真と樹脂が重なり合う「網膜」シリーズ。
捨てられたポラロイド写真が、漠然と思い描いていた夢のようなイメージを「あまりに忠実に再現している」ことを発見した大竹伸朗は、その上に樹脂を重ねました。
樹脂の質感と写真の色彩は独立したまま重なり合い、鑑賞者の目の網膜や脳中で混ざり合うことで、作品が完成します。
「層」
大竹伸朗の制作スタイルを象徴するキーワード「層」。
このセクションでは、印刷製本技術の粋を凝らした豪華本と、主に既製印刷物のカラーコピーを編集して綴じた手製本を一挙公開。
「覆われて消えながらも残る下層の気配こそが重要」だと大竹伸朗は語っています。
「音」
大竹伸朗にとって最も重要なテーマ、ライフワークである「音」。
このセクションでは、貴重な初期のサウンド・パフォーマンスや、ステージそのものを作品化した大作「ダブ平&ニューシャネル」(1999年)のほか、音に関連する作品が展示されます。
「残景」シリーズの最新作を初公開
本展では、2019年から大竹伸朗が取り組んできた「残景」シリーズの最新作《残景 0》(2022年)が初めて公開されます。
その制作過程に迫るドキュメンタリー映像「21世紀のBUG 男 画家・大竹伸朗」(BS8K、2022年6月放送)も会場内で上映予定です。
スクラップブック全71冊を公開
スクラップブック全71冊を一挙公開。
大竹伸朗がライフワークとしてほぼ毎日制作しているスクラップブックは、ノートや既製本にあらゆる印刷物を貼り込み、インクや絵の具を塗り重ねたもので、中には895ページ、重さ28.9kgものボリュームにおよぶ作品もあります。
2013年のヴェネチア・ビエンナーレでは、当時の最新作66冊目までが出品され注目を集めました。
本展では1977年の1冊目から最新作の71冊目まで、全ての作品が展示されます。
東京国立近代美術館が「宇和島駅」に変身!?
愛媛県の宇和島駅舎のリニューアルにともない駅名の古いネオンサインをもらい受けた大竹伸朗は、これまでも個展開催の度に、会場にそのネオンサインを作品として設置してきました。
美術館の外壁に輝く「宇和島駅」(1997年) のネオンをお楽しみに。
グッズも要チェック
今回の回顧展では、展覧会オリジナルのニューグッズも多数登場します。
スナックの看板をモチーフにした代表作「ニューシャネル」(1998年)をはじめとした「大竹文字」Tシャツなどで人気を博す大竹伸朗グッズをチェックしてみてください。
グッズ詳細は公式SNSから近日発表予定となっています。
大竹伸朗展
会期:
2022年11月1日(火)– 2023年2月5日(日)会場:
東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー、2F ギャラリー4開館時間:
10:00–17:00(金・土曜は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで休館日:
月曜日(ただし1月2日、1月9日は開館)、年末年始(12月28日–1月1日)、1月10日(火)美術館公式ウェブサイト:
https://www.momat.go.jp展覧会公式サイト:
https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/観覧料:
一般 1500円
大学生 1000円 高校生以下 無料
*本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMAT コレクション」も鑑賞可能。
巡回情報:
愛媛県美術館 2023年5月3日(水・祝)–7月2日(日)
富山県美術館 2023年8月5日(土)–9月18日(月・祝)[仮]
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