サウジアラビアソウルパリフランスポンピドゥー・センター美術館韓国
ART

ポンピドゥー・センターが韓国 ソウルに進出、2025年に新美術館開館予定

2023年3月、ポンピドゥー・センター(パリ市・マレ地区)が、韓国のハンファ文化財団とパートナーシップを締結し、ソウルでの近現代美術館建設に向けた協働を発表しました。

ポンピドゥー・センターにとっては、メッツ(フランス)、ブリュッセル(ベルギー)、マラガ(スペイン)、上海(中国)に続くサテライト美術館開設計画となります。

ポンピドゥーは同月にも、サウジアラビアと協働締結し、ネットワークをさらに拡大しています。

昨今、アジア圏で香港に次ぐアート市場の拠点として注目が集まるソウル。美術館の開館は2025年を予定しています。

 

あなたの部屋に合うアートは?
「アート診断」

Q1.希望の価格帯は?

Q2.気になるジャンル・モチーフは?

国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
23件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
30件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
34件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
55件見つかりました!
診断をやり直す

ポンピドゥー・センターとハンファ文化財団がパートナーシップ協定を締結

2023年3月19日、ポンピドゥー・センターとハンファ文化財団は、ソウルに近現代美術館を建設するプロジェクト「ポンピドゥー・センター・ハンファ・ソウル(仮称)」の枠組みでパートナーシップ協定を締結しました。

今回の協定は2020年に行われる予定でしたが、パンデミックの影響によりその協定は一時中断されていました。

 

このプロジェクトを最初に報じたフランスのLe Monde紙によると、ハンファ文化財団は、ポンピドゥー美術館の商標に関する4年間のライセンス権を取得するため、同館に2,000万ユーロ(約28億円)を支払うとのこと。

ライセンス権は、現在2025年初頭に予定されている開館と同時に適用され、延長も可能とのことです。

ポンピドゥー・センターは、同館コレクションによる展覧会をソウルで年に2回、4年間で計8回開催する予定です。

 

超高層ビルを建築家ジャン-ミシェル・ヴィルモットが全面改装

ハンファ文化財団は、産業用爆薬・金融・生命保険・太陽エネルギーなどの事業を展開する韓国の企業連合ハンファグループの慈善事業部門です。

同財団は2025年の新美術館の開設にあたり、同財団が所有するソウル西部の超高層ビル「63スクエア」の全面改装予定しています。

ビルの改装はルーブル美術館や大英博物館などの内装設計を担当したフランスの建築家、ジャン-ミシェル・ヴィルモットが手がけます。

 

世界各地にサテライト美術館を開設するポンピドゥー・センター

ポンピドゥー・センターはこれまで、メッツ(フランス)、ブリュッセル(ベルギー)、マラガ(スペイン)にサテライト美術館を開館しており、近年積極的に海外進出を続けています。

同館のアジア進出は今回が初めてではありません。

2019年には大規模な再開発が続く上海の元工業地帯「ウェストバンド地区」で「ウエストバンド・ミュージアム・プロジェクト」と呼ばれるパートナーシップを開始し、同地区の再開発を担うウエストバンドグループと協定を締結。2024年までの5年間限定で美術館を共同運営しています。

 

また、2022年6月にはアメリカ・ジャージーシティとの協定「ポンピドゥー・センター×ジャージーシティ」を発表。

ポンピドゥー・センターにとっては最初で唯一の北米におけるパートナーシップであり、2024年初頭に美術館のオープンを予定しています。

 

同月にサウジアラビアとのパートナーシップを締結

ハンファ文化財団との協定発表の1週間前、2023年3月14日にも、ポンピドゥー・センターはサウジアラビアと同様の協定を結んでいます。

ポンピドゥー・センターのローラン・ル・ボン会長は、サウジアラビアのアルーラ王立委員会(RCU)と提携し、同国北西部の砂岩の山と砂漠に囲まれたアルーラに現代美術館を建設することを発表しました。

この施設は「Perspective Galleries」と呼ばれ、古代アルーラ地域に計画されている広範な文化複合施設の中に設置される予定です。

 

新美術館のコレクションは、南西アジア・北アフリカ・南アジアの美術品を中心に、ランドアートやデジタルアートを中心とした様々なメディアで構成され、アラブのアーティストや海外のアーティストに、没入型のインスタレーションやパブリックアート作品を委嘱予定となっています。

また、この協定にはサウジアラビアの美術館関係者に対する教育トレーニングや、両機関のそれぞれのコレクション間での作品貸し出しの機会も含まれているとのこと。

サテライト美術館は2028〜29年頃の開館を予定しており、政府は2035年までにこの地域が年間200万人の観光客を迎え、そのうちの約40%が外国人観光客になると見込んでいます。

 

サウジアラビアでは、既にルーヴル美術館、サウジアラビア・リヤドのMisk Art Institute、ドイツ考古学研究所、カリフォルニアの野外ビエンナーレDesert Xとの協働プロジェクトを開始しており、2030年までに200以上の文化施設を開設し、国の経済的・世界的イメージを刷新することを目標としています。

 

パリ本館は2024年から大規模改修のため休館

ポンピドゥー・センター

パリ市内にあるポンピドゥー・センター本館は大規模改修のため、パリ五輪後の2024年から長期休館が予定されています。

改修工事の間は全面閉館となる予定ですが、ソウルとサウジアラビアの新館建設が成功すれば、大きな資金獲得になります。

両国はいずれもこの大規模改修に先立ち、資金提供を約束しています。

 

アジア圏で香港に次ぐアート市場として注目が集まる韓国・ソウル。

2022年9月には、アジア圏では初の「フリーズ・ソウル」が開催され、ソウルに支店をオープンする欧米のギャラリーも増えています。

今回のパートナーシップによって、ソウルのアート市場拡大が予想され、国際社会からソウルに対する期待はさらに高まっていくことでしょう。

 

 

関連記事

シンガポールの国際アートフェア「ART SG」が2023年1月に開催!150以上の出展ギャラリーが決定

2023年1月にシンガポールで初開催される、東南アジア最大規模の国際アートフェア「ART SG」。 このフェアに出展する150以上のギャラリーが発表されました。   近年シンガポールでは、シンガポール美術館と現代美術

環境問題へのアート業界の取り組み、オンラインへの移行など近年の動向を詳しく解説

近年アート業界では、作品輸送や販売、資金源など、作品の制作から販売にかかわるすべての過程において環境問題の解決を促すために、サスティナブルな選択をすることが重要視されており、アーティストやギャラリーをはじめとする、アート業界にかかわ

美術品やアートで節税対策はできる?税金対策について分かりやすく解説

美術品の購入で、節税対策をしよう ビジネスの継続を考えるとき、最も重要なのは節税です。 節税対策に頭を悩ませている事業者の方も多いのではないでしょうか? 意外かもしれませんが、美術品やアートの購入で節税対策をすることができます

東京ビエンナーレ プレ展示「東京ビエンナーレ 2023 はじまり展」開催、10/6から

2023年7月から10月にかけて開催される「東京ビエンナーレ2023」。 翌年の開催に先駆け、2022年10月からプレイベント「東京ビエンナーレ2023 はじまり展」が開幕。 本展では、2023年の開催に向けた計画展示と、すでに

ピカソの作品から消された「犬」の絵を発見?グッゲンハイム美術館の保存修復チームが発表

パブロ・ピカソの初期の最も有名な絵画の一つとして知られる、パリのダンスホールでの賑やかな光景を描いた「Le Moulin de la Galette(1900)」。 2023年5月12日、この作品を所有するニューヨークのグッゲンハ

TOP