オークション美術投資
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フィリップス史上最高、約285億円の売上高を達成!ZOZO前澤氏のバスキアも出品

2022年5月18日、老舗オークションハウスのフィリップス(Phillips)は、「20世紀&現代美術イブニングセール」を開催し、総額2億2600万ドル(約285億円)というフィリップス社史上最高の売上を達成しました。

昨年の総売上高の90%増という驚異的な売上高であり、最も売れた夜であったことを、同社は販売終了後のプレスリリースで発表しています。

 

今回のオークションで主役となったのは、ZOZO前社長の前澤友作氏が所蔵していたジャン=ミシェル・バスキアの1982年の作品「Untitled (Devil)」。この作品だけで総売上の50%に近い、8,500万ドル(約109億円)もの売上を達成しています。

他にも女性アーティストの作品の出品が多かったことや、イヴ・クライン、パブロ・ピカソといった巨匠の優良作品だけでなく、若手アーティストの作品が予想額を大幅に上回る額で落札されたことも、フィリップスが記録的な売上を達成する要因となりました。

 

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フィリップス社史上最高、約285億円の売上を達成

ジャン=ミッシェル・バスキア、イブ・クライン、草間彌生、その他多くの新進作家たちの作品が出品されたフィリップスの「20世紀&現代美術イブニングセール」。

5月18日に行われたこのオークションは、2億2,500万ドル(約285億円)を売り上げ、フィリップス社にとって画期的な一夜となりました。

 

36点の出品作品のうち、パブロ・ピカソ、ジャン=ミッシェル・バスキア、セシリー・ブラウンの作品を含む9点は、オークションハウスが第三者保証を付けて出品しました。

フィリップス・ロンドンのプライベートセールスの責任者であるヘンリー・ハイリーの指揮のもと、2時間のセールが終了した時点で、すべての作品が落札されました。

フィリップス社の新CEOスティーブン・ブルックスは、「フィリップスのベストを見た」と売却後の記者会見でコメント。副会長のロバート・マンリーも、「驚くべき一夜だ。マーケットの強さを確信した」とコメントしています。

 

前澤友作が出品したバスキア「Untitled (Devil)」(1982)

このオークションの一番の目玉は、ジャン=ミシェル・バスキアが1982年に制作した「Untitled (Devil)」です。

縦4.8メートル、横2.4以上にも及ぶバスキアの大作は、2016年にクリスティーズが開催したオークションで、ZOZOTOWN創業者・前澤友作氏が5,730万ドル(当時のレートで約62億円)で購入し、今回出品したものです。

 

作品は保証付きで出品され、7,500万ドルで落札。手数料込みで8,500万ドル(約109億円)という驚異的な落札価格を記録し、2016年に前澤友作氏が購入した時の2倍近い価格での落札となりました。

これは、バスキア作品がオークションで達成した過去3番目の高値となります。

また、2010年にフィリップス・ニューヨークのイブニングセールに出品されたアンディ・ウォーホルの「メン・イン・ハー・ライフ(Men in Her Life, 1963)」の落札額6,300万ドルを上回り、フィリップス社史上最も高額な作品となりました。

 

人気女性アーティストの作品も多数

今回のイブニングセールでは、人気女性アーティストの作品も注目されていました。

36点の出品作品のうち14点が女性アーティストによるもので、今回のオークションで最高落札額を更新したものや、若手アーティストの作品が脅威の額で落札され、会場を騒がせました。

 

セシリー・ブラウン(Cecily Brown)の抽象画「アンジー(Angie, 2005)」は、490万ドル(約6億2,300万円)で落札されました。

この価格は、2018年5月にオークションハウス・サザビーズで達成された同アーティストのオークション記録である680万ドルには残念ながら及びませんでした。

 

アンナ・ウェイアント(Anna Weyant)の「Buffet II(2021)」は、最低落札額10万ドルに対し、約5倍となる58万ドル(約7,370万円)で香港のコレクターが落札しましたが、同アーティストの過去最高落札額、150万ドルには及ばないものでした。

アンナ・ウェイアントは近年、若手女性アーティストで最も注目を集めている中の一人です。

2022年5月6日には、27歳という若さにしてメガギャラリー・ガゴシアンに所属し、同ギャラリーで最も若いアーティストとなりました。

 

ヒラリー・ペシス(Hilary Pecis)の細密な室内風景「エイドリアンヌの本棚(Adrianne’s Bookshelf)」(2020)は、最低落札額の30万ドルに対して、その倍以上の63万ドル(8,010万円)で落札されました。

 

シャラ・ヒューズ(Shara Hughes)によるカラフルでサイケデリック調な絵画「The Not Dark Dark Spots」(2017)。

この作品は、30万ドルの最低落札額に対し130万ドルで打ち止めとなり、韓国のコレクターと香港のコレクターとの間で入札合戦が繰り広げられ、最終的に5倍以上の160万ドル(約2億380万円)で落札されました。

 

ガーナ人画家であるエマニュエル・タク(Emmanuel Taku)の作品「Three Damsels(2021)」は、入札者の間で激しい争奪戦が繰り広げられ、5万ドルの最低落札額に対し、手数料込み25万ドル(約3,180万円)で落札となりました。

 

マリア・ベリオ(María Berrío)の「Burrow of the Yellow 」(2013)は、最低落札額40万ドルを上回る99万8000ドル(約1億27,00万円)で香港のバイヤーに落札され、彼女の今後のブレイクを感じさせる一夜でもありました。

 

オークションの閉会直前、ロサンゼルスの新鋭アーティスト、ローレン・クイン(Lauren Quin)の熱狂的で深いレイヤーを持つ絵画「Second Palm Third Stem」(2020)が、最低落札額の4万ドルの10倍近い、30万ドル強で落札され、観客を愕然とさせました。

 

草間彌生の1959年の作品「無題(網)」は、最低落札額500万ドルの倍となる1050万ドル(約13億3,725万円)で落札。2021年に記録した800万ドルを上回り、草間彌生作品のオークション最高額をさらに更新しました。

 

他にも、ロビン・F・ウィリアムズの作品「Nude Waiting It Out」(2017)が32万8,000ドル(約4,177万円)で落札。レジー・バロウズ・ホッジス(Reggie Burrows Hodges)の作品「Intersection of Color: Suite」(2019)も73万ドル(約9,300万円)を記録し、オークション新記録を樹立しました。

 

パブロ・ピカソ、イヴ・クラインなど巨匠作品も多数出品

今回のオークションでは、巨匠たちの優良作品も多く登場しました。

動く彫刻として知られるアメリカの彫刻家であり現代美術家のアレクサンダー・カルダー(Alexander Calder)によるモビール作品「39=50 」(1959)。

この作品は、アレクサンダー・カルダーの「Snow Flurry」シリーズのもので、彼の故郷であるマサチューセッツ州ロックスベリーの冬にインスパイアされたものです。

2007年に開催されたオークションでフランスの実業家フランソワ・ピノーが出品し、その後ニューヨークの個人コレクションに収められていたこの作品は、最終的に1,560万ドル(約19億8,600万円)で落札されました。

 

イヴ・クライン(Yves Klein)の1961年の作品「Relief Éponge bleu sans titre (RE 49)」は、1,400万ドルの最低落札額を大きく上回り、最終的に2,000万ドル(約25億4,700万円)で落札。

パブロ・ピカソが描いた、マリー=テレーズの肖像「Figures et Plante」 (1934)は、1,030万ドル(約13億1,180万円)で落札されました。

 

フィリップスのこれまでのセールで最も高い売上を記録した今回のオークション。

変わらずアートマーケットの主役に君臨し続けるバスキアもさることながら、14人の女性アーティストがこの夜のセールの過半数を占めていたことは革命的な出来事でした。

ブレイクを予感させる女性アーティストの登場など、現代アートの需要は今後さらに加速していきそうです。

 

 

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