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CULTURE

演出家とは?現代演劇の有名演出家10選

演出家

舞台やミュージカルにおいて「演出家」とよく耳にしますが、実際に演出家って何をしている人なの?という疑問持っている方も多いのではないでしょうか。

演出家になるには?実際に有名な人は誰?など演出家についてまとめてみました。

オススメの舞台としてご紹介する作品にはこれから上演されるものもありますので、ぜひ実際の舞台もチェックしてみてくださいね。

 

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演出家とは?

演出家とは、舞台作品の演出を行う職業のこと。

演劇、オペラ、バレエなどの舞台をまとめる職業を指します。作品全体の責任者。俳優の演技や音楽、照明、美術などに指示を出し、作品の世界観を構築します。

 

演出家になるには?

1.専門の学校に通う

演出家に必要な知識を基礎から学ぶことができます。美術系の大学にも映像系や演劇などの専攻学科があり、とくに日本大学藝術学部映画学科、玉川大学の芸術学科演劇専攻科などは多くの演出家を輩出しています。

 

2.実際の現場で学ぶ

制作会社や劇団に現場アシスタントやアルバイトとして入るという選択肢もあります。現場の空気を感じながら、作品制作の進め方、先輩演出家の仕事を間近で見られます。

 

3.劇団の旗上げをする

実際にすぐにでも演出家としてデビューしたい!という場合は自分で劇団を立ち上げる方法もあります。小劇場演劇ではたくさんの若手演出家が自分自身の手でデビューしています。

 

現代演劇の人気演出家おすすめ10選

ここからは現代演劇の人気演出家10名を詳しくご紹介いたします。

蜷川幸雄など、日本の演劇界を牽引する有名演出家をピックアップしました。

演劇好きの方はぜひ各作家の活動をチェックしてみてくださいね。

 

蜷川幸雄

1935年埼玉県生まれ。挑戦的でダイナミックな演出が持ち味で、アングラ(商業性を無視した前衛的、実験的な芸術)演劇から商業演劇、世界の舞台へと活躍の場を広げていった、日本の演劇界を語る上で欠かせない人物です。

日本の戯曲からギリシャ悲劇、シェークスピアまで幅広いジャンルの作品を手掛け、特にシェークスピアを日本人の感性で読み解いた独特の演出は国際的にも高く評価され、「世界のニナガワ」と呼ばれました。

2016年5月12日、肺炎による多臓器不全のため、80歳で亡くなりましたが、今もなお伝説として語り継がれる演出家です。

 

「蜷の綿」

蜷川幸雄が亡くなる直前まで取り組んでいた作品が『蜷の綿』。マームとジプシーの演出家・藤田貴大との共作です。

蜷川幸雄の人生を描いたこの作品は、蜷川幸雄演出バージョンと藤田貴大演出バージョンと用意されていましたが、その演出が叶うことは無く、没後1年のタイミングで上演が決まりました。

静かに熱いこの作品は、蜷川幸雄の最期の願いが込められていました。

蜷川幸雄と「蜷の綿」

3,520円 (税込)

蜷川が最後に新作戯曲を依頼した藤田は、蜷川自身を題材にしたいと言った――。完成した戯曲「蜷の綿」を中心に、二人が交わした日記と、死を前にした蜷川が若き才能に語った全てを収録。

 

野田秀樹

1955年長崎県生まれ。演出家でもあり役者でもある多彩な人物。東京芸術劇場芸術監督、多摩美術大学教授、東京キャラバン総監修など演出家以外の仕事も多いです。

東京大学在学中に「劇団 夢の遊眠社」を結成し、数々の名作を生み出しました。のちに「NODA・MAP」を設立しました。日本のみならず世界を駆け巡り、意欲的に活動しています。

野田秀樹 公式HP

 

「フェイクスピア」

2021年5月から7月にかけて上演された『フェイクスピア』は壮大な作品で片時も目が離せない演出でした。

溢れ出る言葉の渦とラストシーンは涙が止まらないものがありました。大きな物語のなかであれほど自由に俳優たちが動き回るのは野田秀樹の演出ならではです。

 

松尾スズキ

1962年福岡県生まれ。演出家でもあり俳優、作家としても活動。1988年に大人計画を旗揚げし、多数の作品で作・演出・出演を務めています。

1997年「ファンキー!~宇宙は見える所までしかない~」で第41回岸田國士戯曲賞受賞。2008年映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で第31回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。2020年よりBunkamuraシアターコクーン芸術監督に就任し、現代のコメディな演出が人気の演出家です。

松尾スズキ 公式HP

 

「パ・ラパパンパン 」

2021年11月から上演されている『パ・ラパパンパン 』は脚本家・藤本有紀さんの作品を演出したものです。

3時間超の公演時間にも関わらず、常に観客をワクワクさせる演出に絶賛の声が上がっています。

脚本の面白さと演出の煌めきが舞台上で溢れています。クリスマスにぴったりの作品です。まだこれから地方公演もあるので、お近くの方はぜひその世界観を体感してくださいね。

 

ケラリーノ・サンドロヴィッチ

演出家

ソース

1963年東京都生まれ。1985年に劇団健康を旗揚げ、演劇活動を開始。1992年解散、1993年にナイロン100℃を始動して注目を集めました。

1999年『フローズン・ビーチ』で第43回岸田國士戯曲賞を受賞、現在は同賞の選考委員を務めています。

舞台活動では劇団公演に加え、KERA・MAPなどのユニットも主宰するほか、外部プロデュース公演への作・演出も多数。並行して音楽活動も行っています。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ 公式HP

 

「消失」

演出家

2004年と2015年に上演された『消失』は、大傑作の作品です。

クリスマスの夜にパーティーの計画を練るチャズと弟のスタンリー、スタンリーが想いを寄せるスワンレイク、謎の闇医者・ドーネン、兄弟の部屋を間借りしたいと申し出るネハムキン、ガスの点検に来たというジャックの6人の善意がもたらす悲劇が描かれており、その静かで淡々とした演出が、見事に不穏でぞくぞくさせられます。

 

岩松了

1952年長崎県生まれ。演出家でもあり俳優としてドラマなどにも出演しています。

89年岸田國士戯曲賞、98年読売文学賞を受賞。マルチに活躍しながらも、演出家として今も舞台を作り続ける演出家です。

岩松了 公式HP

 

「いのち知らず」

2021年10月より上演されている『いのち知らず』は男性キャストのみで演出されたものです。

岩松了の持つ独特の世界観に男性陣が応えています。上演は全国の劇場を回り12月まで行われています。

 

岡田利規

1973年横浜生まれ、熊本在住。劇団・チェルフィッチュ主宰。

その活動は従来の演劇の概念を覆すとみなされ、国内外で注目され続けています。

2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。その後も数多くの賞を受賞し、震災などをテーマに繊細な物語を作り上げています。

岡田利規 公式HP

 

「三月の五日間」

『三月の五日間』は岡田利規の代表作です。震災をテーマに作られた作品で、全国で上演されました。

独自の身体を使った表現と話し方の関係性は実に面白く、演劇界に新たな風を吹かせました。その後も震災や社会問題をテーマに作品を作り続けています。

 

蓬莱竜太

1976年兵庫県生まれ。高校時代に演劇部に入り、芝居作りの楽しさに目覚めました。上京後の1996年3月舞台芸術学院演劇科本科を卒業し、舞台芸術学院の同期生・西條義将(主宰)と劇団モダンスイマーズを1999年に旗揚げ。

以降、モダンスイマーズ全公演の作・演出を手がけながら、舞台版『世界の中心で、愛をさけぶ』や舞台版『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』などの話題作を担当しています。

骨太な筆致から若手劇作家として各方面から注目を浴びている演出家です。

蓬莱竜太 公式HP

 

「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」

演出家

演劇に興味を持つ者たち、演劇を志す者たちが「劇場」で出会い、才能を引き出し合うための場所として蓬莱竜太が立ち上げたのが「アンカル」というソロユニット。その第一回公演が2021年9月に東京芸術劇場にて行われました。

演劇を志す若い男女による公演は、みずみずしさと高校生をモチーフにした題材の中でいくつもの現代社会の問題を孕んでおり、秀逸な演出に鳥肌が立ちました。

 

藤田貴大

1985年北海道生まれ。桜美林大学文学部総合文化学科にて演劇を専攻し、2007年マームとジプシーを旗揚げ。以降全作品の作・演出を担当しています。

作品を象徴するシーンを幾度も繰り返す“リフレイン”の手法で注目を集め、2011年6月-8月にかけて発表した三連作「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」で第56回岸田國士戯曲賞を26歳で受賞。

以降、様々な分野の作家との共作を積極的に行うと同時に、演劇経験を問わず様々な年代との創作にも意欲的に取り組んでいます。

藤田貴大 公式HP

 

「cocoon」

演出家

マームとジプシーの代表作といえば2013年初演、2015年に再演された『cocoom』。

今日マチ子によるひめゆり学徒隊の漫画を舞台化したもので、その息を呑むような切迫した演出は、見る者の胸に刺さるものがあります。リフレインの演出でも、繰り返し描かれる想いや動きに目が奪われます。

2020年に再再演を予定していましたが、現在延期中。全国を回るツアーなので、ぜひお近くで上演の際は足を運んでみてください。

 

根本宗子

1989年東京都生まれ。19歳で劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げ。以降、劇団公演ではすべての作品の作、演出を手掛け、女優としても外部作品にも多数出演しています。

小劇場演劇で女の子の持つ繊細かつパワフルで過剰な姿を映し出し、現在は大きな舞台で作品を上演しています。女の子のファンのみならず、多くのファンを魅了しています。

根本宗子 公式HP

 

「20歳の花」

2021年6月にLINE上で全10話配信された『20歳の花』は、各5分ほどの短い演劇で構成されており、月刊「根本宗子」で2018年に発表した『愛犬ポリーの死、そして家族の話』の主人公“花”のアナザーストーリーを描いています。

元ハロープロジェクトの田村芽実と、ミュージシャンのチャラン・ポ・ランタン、小春による全曲オリジナル楽曲描き下ろしで、ミュージカル調になっています。オンラインでの新たな取り組みとして、面白い演出が注文されました。

 

三浦直之

1987年宮城県生まれ。2009年、主宰としてロロを立ち上げ、全作品の脚本・演出を担当しています。

自身の摂取してきた様々なカルチャーへの純粋な思いをパッチワークのように紡ぎ合わせ、様々な「出会い」 の瞬間を物語化している唯一無二の演出家です。

2015年より、高校生に捧げる「いつ高シリーズ」を始動。高校演劇のルールにのっとった60分の連作群像劇を上演し、戯曲の無料公開、高校生以下観劇・戯曲使用 無料など、高校演劇の活性化を目指すなど演劇界に大きな影響を与えています。

三浦直之 公式HP

 

「いつ高」シリーズ

2015年から2021年に連作群像劇として上演された「いつ高(いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校)」は、演劇好きだけでなくカルチャー界隈で話題になった作品群。

学内で起こる小さな事件の”ここ”と”あそこ”がまなざしで繋がれてゆき、シリーズ全体で大きな物語となっていく壮大なプロジェクトです。

シリーズ全10作品の中で特におすすめなのがvol.4『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』とvol.6『グッド・モーニング』。女子高生の持つたわいもない、けれど大切だった時間、友達とどうしてあんなに毎日笑っていたんだろう、と思い出します。

朝の駐輪場での二人の会話の眩さ、見つめあって出会うことの喜びがあります。どちらも公式ホームページで挿絵付きの戯曲を読むことができますので、ぜひご一読ください!

 

柴幸男

1982年愛知県生まれ。劇団ままごとの演出家。劇場や船上など、場所や形態を問わない演劇活動を全国各地で行っており、すべての演出を担当しています。

近年は、横浜や小豆島、台湾などに長期滞在し、地域に根ざした演劇作品を継続的に上演。2010年に『わが星』で第54回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年より『戯曲公開プロジェクト』を開始。戯曲を無料で公開し多くの上演機会を設けています。

三浦直之 公式HP

 

「ままごと」

2015年に待望の再演があった『わが星』は柴幸男の代表作です。

口ロロ(くちろろ)の音楽にのせて、円をぐるりと歩き続けながら台詞が飛び交う様には心が沸き立ち、観た瞬間忘れられないシーンとなりました。宇宙と一人の女の子の一生を描いた作品は、記憶に刻まれ続けます。

夜空に瞬く無数の光

今そのひとつが消えた

そのことに誰も気がつかない

だって夜空は広すぎるから

かつて、あの星には色んな人が住んでいて

幾度となく争いあって慈しみあって

そして静かに滅んでいった

僕は彼らを思い出す

いつか僕のことも誰かが思い出すのだろうか

あの星の話をしよう

そこに暮らしていた人々の話

今はもう誰も知らない話

 

まとめ

いかがでしたか?好きな演出家や好みの作品がこの中から見つけていただけたら何よりです。

他にも面白い作品を作る演出家がいますので、劇場に足を運んでみてくださいね。

 

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