有名建築家が設計した美術館15選!建築好きなら一度は訪れたい美術館をご紹介
一度は訪れたい!
フォトジェニックな美術館をご紹介
旅行先での観光スポットや、休日のお出かけスポットとしても人気の美術館。
金沢21世紀美術館や国立新美術館など、一度は訪れたい美術館が一つはあるのではないでしょうか?
全国には有名建築家による設計の美術館だけでなく、歴史の趣きを感じる美術館、その土地ならではの風土や景観と融合した美術館、庭園やランドスケープ自体が作品となった美術館、さらには地中や水面下という特別なロケーションの美術館など、様々な魅力を持った美術館があります。
今回は、建築好き・美術好きなら一度は訪れたい有名美術館15選をご紹介。
気になる美術館があったら、ぜひ休日に訪れてみてはいかがでしょうか?
「アート診断」
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1.十和田市現代美術館
青森
街の景観をアートにする
ダイナミックな建築
真っ白な箱型の大小さまざまな建物を、ガラス製の廊下でつなぐようにして建てられている十和田市現代美術館。
世界的に有名な建築家ユニットSANAAの西沢立衛による建築設計で2008年に開館した、建物そのものがアート作品のような美術館で、官庁街の通りの景観にもすんなり溶け込んでいます。
ダイナミックな構造ながらアート作品が映える建築のシンプルさも魅力で、草間彌生やロン・ミュエクなどを含む常設作品のほか、気鋭の現代アートの企画展も随時開催しています。
フォトジェニックな屋外アート
屋外にも奈良美智の「夜露死苦ガール2012」、オノヨーコの「三途の川」、チェ・ジョンファの「フラワー・ホース」など、十和田市現代美術館でしか見られないフォトジェニックなアート作品が多数点在しています。
常設展有料エリアでは、一部の作品を除き写真撮影が可能です。
カフェ&ショップ「cube」
併設のカフェ&ショップcubeでは、床にマリケル・リンによる作品を配置し、アートな空間で季節の地元産食材を使ったパスタサンドイッチなどが食べられます。
ショップスペースでは常設展示アーティストのグッズだけでなく、秋田県の工芸品や、地元クラフト作家の作品なども購入することができます。
2.青森県立美術館
青森
縄文遺跡、奈良美智、シャガールの融合に出会える美術館。
青森市の三内丸山縄文遺跡に隣接する地に2006年に建てられた青森県立美術館は、遺跡にインスパイアされた建築が特徴です。
建築家・青木淳は、発掘現場のようなトレンチ(壕)、その上に重ねた白塗りのレンガ材、そして箱型の建物「ホワイトキューブ」と土壁の展示室で、遺跡の趣きと融合するまったく新しい建築を生み出しました。
日本画から現代アートまで幅広く取り扱い、中でも吹き抜けのホールに展示されたシャガールによるバレエ「アルコ」の巨大な舞台背景画は、同美術館の目玉となっています。
奈良美智「あおもり犬」
青森県立美術館といえば、棟方志功、奈良美智、成田亨など青森県にゆかりのあるアーティストの作品を多くコレクションしていることで有名です。
中でも特に、屋外に展示されている奈良美智の「あおもり犬」は8.5メートルにもおよぶ巨大さながら愛くるしいたたずまいが魅力で、同美術館のシンボルとなっています。
美術館シンボルのネオンサイン
「木」と「a」をモチーフにしたロゴマークや、館内表示のフォントやピクトグラムなど、随所にデザインのこだわりが光る青森県立美術館。
屋外の白い壁には青いネオンサインのロゴマークを無数に並べ、たくさんの「木」で「森」を表現しています。
日没後、いっせいにネオンが点灯される様子は、青森県立美術館のもう一つのシンボルとなっています。
3.金沢21世紀美術館
石川県金沢市
SANAAの代表作にして
金沢のフォトジェニックスポット
国内トップクラスの入館者数を誇る金沢21世紀美術館は、石川県金沢市の兼六園と金沢城に近い市の中心エリアに建つ現代美術館です。
建物の設計を担当したのはプリツカー賞受賞の建築家ユニット、SANAAの妹島和代と西沢立衛。
円形の本体は総ガラス壁で、館内には白い壁面を持つ複数の展示室にわかれています。
自然光がたっぷり差し込む明るい館内では、多くの作品を無料で鑑賞することが可能です。
レアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」
金沢21世紀美術館といえば、屋外に恒久展示されたレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」という作品が有名です。上から覗くとただの青いプールですが、別の角度からも鑑賞可能というユニークな作品で、写真撮影スポットとしても人気です。
SANAAがデザインを手がけた「ラビットチェア」
館内の無料交流スペースには、ウサギの耳のような形の背もたれの椅子がたくさん並んでいます。
このラビットチェアも建物と同じくSANAAが手がけたもので、遊び心のあるアシンメトリーのデザインは美術館の雰囲気をやわらかく居心地良くしてくれています。
4.国立新美術館
東京 六本木
日本で最も大きく新しい
森のような国立美術館
国際的に活躍した建築家・黒川紀章が、設計を手がけた最後の美術館となった国立新美術館。
東京・六本木という大都会にありながら、美術館として日本最大の面積を誇り、森の中にいるようなくつろぎを感じられる建築です。
ゆるやかな波のように曲線を描く外壁、広いガラスの壁による自然光が木漏れ日のように差し込むロビー、広々とした休憩スペース、窓の向こうに広がる青山霊園の豊かな緑。
2007年に開館した国立新美術館は、独自のアート作品のコレクションを持たず企画展だけを行う美術館としても知られ、斬新な展示は毎回話題をさらい、日本国内ナンバー1の来館者数を誇ります。
ガラスカーテンウォール
吹き抜けによる高い天井を持つロビーは、ガラスカーテンウォールと呼ばれる壁面に囲まれています。
壁面のガラスは水平と垂直の2方向のガラス板を組み合わせて作られ、水平に設置されたガラスは建物の内部に熱や光が入りすぎるのを妨げ、館内を快適に保つ役割を果たしています。
映画「君の名は」にも登場したレストラン
広々としたロビーの中には、円錐形を逆さにした形の構造物があります。
実はこの円錐形の上部が、大ヒット映画『君の名は。』のあるシーンに登場した円形のカフェ「サロン・ド・テ ロンド」になっています。
映画の登場人物の気分を味わいながら食事をすることもできるため、人気スポットとなっています。
他にも、各階にカフェやフレンチのレストランなどが充実しています。
5.東京都庭園美術館
東京都 目黒
皇室の邸宅を改築した
アールデコの館
1983年に都立美術館として開館した、白金台の東京都庭園美術館。
その名の通り広大な敷地の庭園の美しさも見ものですが、もともと皇室が所有する邸宅(旧朝香宮邸)だった経緯から、建物の優美な内装も必見です。
建築設計は宮内省内匠寮、室内装飾の基本設計はフランスのインテリアデザイナー、アンリ・ラパンが担当しました。
玄関のガラスレリーフや大客室のシャンデリアなど、フランスの宝飾デザイナー/ガラス工芸家のルネ・ラリックの作品も是非チェックしたいポイントです。
アール・デコ建築
1933年に完成した建物はシンプルな外観とはうらはらに、一歩館内に足を踏み入れると、当時流行したアール・デコ様式の瀟洒なインテリアが。
壁面のデザインや扉、照明など、館内のいたるところにアール・デコの特徴が確認でき、美しい曲線模様による優雅な空間を体験できます。
東京都庭園美術館は、世界に数あるアール・デコ建築の中でも、特に保存状態の良いものとして有名です。
日本庭園
同美術館は、西洋庭園と日本庭園の2つの庭園を有します。
日本庭園には池や築山、茶室があり、四季折々の花、秋の紅葉など、いつの季節に訪れても散歩を楽しめる日本情緒あふれる造りです。
レストラン「デュ パルク」
美術館の正面横にあるレストラン デュ パルクは、南青山の老舗フレンチ、ロアラブッシュの姉妹店です。
ランチやディナーだけでなく、14〜17時はカフェとしても利用できます。
広いガラス窓の外に広がる美しい庭園の緑を眺めながら楽しむ食事やお茶は、デートコースの仕上げにもぴったりです。
6.三菱一号館美術館
東京都 丸の内
文明開化をしのばせる
赤レンガの建築
東京駅から徒歩5分という都会にある、クラシックな赤レンガの建築が特徴の三菱一号間美術館。
現在の建物は、イギリスの建築家ジョサイア・コンドルの設計で1894年に建てられた「三菱一号館」を復元したものです。
ジョサイア・コンドルは、鹿鳴館やニコライ堂など、日本で数々の名建築を手がけたことで知られます。
三菱一号館美術館は、建物と同時期19世紀末の美術に注目し、ロートレックやルドンなどの作品をコレクションしています。
赤レンガのレトロな洋館
明治時代の文明開化後、日本政府が招聘した建築家として新政府関連の建築設計を手がけたコンドル。
三菱一号館は三菱が初めて丸の内に建てた洋風の事務所建築で、当時イギリスで流行していたクイーンアン様式を採用しています。
同じ頃に建てられた三菱二号館は老朽化で取り壊しとなりましたが、一号館はレプリカとして復元されました。
Café 1894
三菱一号館の建物の、かつて銀行営業室として使われていたスペースを復元して作られた「Café 1894」。
落ち着いたクラシカルな雰囲気の店内、開放感のある高い天井など、店名に付けられた「1894」年の当時をしのばせるムードがあふれています。
7.根津美術館
東京都 青山
都会の真ん中で四季を感じる
庭園のある美術館
東京都心にほど近い南青山に、突如としてあらわれる和風建築の根津美術館。
現在の本館は2009年に完成したもので、建築家・隈研吾が設計・監理を担当し、さまざまな建築の賞を獲得しています。
そこだけ時間がゆっくり流れているような落ちついた空気の中で、国宝や重要文化財などを含む日本と東洋の貴重な美術コレクションを見ることができます。
私立美術館とは思えない所蔵品の充実ぶりに加え、都会のオアシスといわれる美しい日本庭園も人気の秘訣です。
四季折々の自然を都内で堪能「日本庭園」
美術館創業者が茶人でもあったことから、日本庭園には茶室が建てられています。
ほかにも薬師寺や石灯籠などが点在し、緑豊かな庭園の一角にはカキツバタが。
同美術館が所蔵する尾形光琳の燕子花図屏風に描かれたカキツバタと、実物を共に見られるという粋な演出になっています。
NEZUcafe
美術館に併設のおしゃれなカフェでは、美しい庭園を眺めながらコーヒーを飲むことができます。
お茶の時間だけでなく、BLTサンドやパスタ、ハンバーグなどのメニューでランチを楽しんでから、庭を散歩して帰るのも良さそうです。
8.原美術館
東京都 品川
2020年が鑑賞のラストチャンス
銀座のアイコン的存在である和光ビルなどを手がけた渡辺仁による設計の洋風邸宅を、1979年に改築してオープンした東京・品川の原美術館。
原美術館は、建物の老朽化を理由に2020年12月に閉館することが決定しており、今見ておくべき建築の一つといえます。
日本のモダニズム建築として貴重な存在で、建物が中庭を包み込むように弧を描いた形をしているのが特徴です。
館内では現代美術の作品を展示しており、森村泰昌や宮島達男などの有名アーティストの常設作品など、クラシカルな建物にも不思議とマッチする数々の作品を鑑賞できます。
国内外の注目アーティストの企画展も多数開催しています。
奈良美智「My Drawing Room」
女の子をモチーフにした作品で知られる日本の現代アーティスト奈良美智の作品を、原美術館では専用の部屋「My Drawing Room」に展示しています。
この部屋は奈良美智のアトリエを再現したもので、デスクの上には書きかけの絵や色鉛筆が。
アーティストの仕事部屋を覗き見るような、楽しい常設展示です。
カフェ ダール
美術館に入館した人だけが入ることのできるカフェ ダールは、原美術館の中庭に面した抜群の眺めを誇るカフェです。
お茶の時間、ランチやディナータイムのほか、週末のブランチ専用メニューも用意されています。
企画展ごとにアーティストや作品をイメージした期間限定の「イメージケーキ」も人気です。
9.MOA美術館
静岡県 熱海
大パノラマの海を望む美術館
温泉でも有名な熱海市にあるMOA美術館は、海が見えるロケーションに1956年から建つ私設美術館。
広い敷地内に日本庭園や円形ホールを備えた巨大な美術館です。
2017年にはロビーエリア、展示スペースの設計を、現代美術作家・杉本博司が建築家・榊田倫之と共に主宰する「新素材研究所」が手がけました。
国宝や重要文化財のほか、日本や中国などの東洋美術に注力し、尾形光琳から葛飾北斎まで、絵画、書、彫刻、工芸などさまざまな作品のコレクションを公開しています。
相模湾を一望する最高のロケーション
MOA美術館のロビーからは、相模灘に浮かぶ伊豆大島などの島々を一望できます。
美しい眺めはアート鑑賞をよりいっそう豊かなものにしてくれそうです。
なお、ロビーエリアと展示スペースの設計は、現代美術作家・杉本博司と建築家・榊田倫之による「新素材研究所」が手がけました。
黄金の茶室
戦国時代、豊臣秀吉が天皇に茶を献じるために建てた黄金の移動式茶室の復元版が、原美術館にあります。
その名の通り、茶室の中はエンジ色に塗られ、茶巾と茶筅以外のすべての茶道具が金でできているという豪華な茶室。
贅沢な空間で飲む茶の味を想像してみるのも面白そうです。
日本庭園
MOA美術館を出ると、「茶の庭」と名付けられた日本庭園の散策が楽しめます。
緑豊かで広々とした庭園の中には、尾形光琳の屋敷のレプリカのほか、食事処や甘味処もあり美味しい蕎麦やスイーツを味わいながら休憩できます。
入園料などは不要で、美術館の来館者以外でも自由に立ち入ることが可能です。
10.豊田市美術館
愛知県 豊田市
モダニズム空間で愛でる
フォトジェニックな近代美術館
愛知県豊田市にある公立の美術館で、ニューヨークのMoMAを手がけた建築家・谷口吉生の設計で1995年にオープンした豊田市美術館。
建物は鉄とガラスを多用したモダニズム建築で、シンプルで機能的なつくりが特徴です。
20世紀以降の美術とデザインに特化したコレクションが特徴で、近現代の日本のほかバウハウスやシュルレアリスムのアートを所蔵し、話題の企画展も数多く世に送り出しています。
建物周辺のランドスケープデザインはピーター・ウォーカーが担当し、敷地内には人工池や遊歩道、茶室などがあります。
鏡のオブジェ
美術館の2階のテラスには、大きな鏡を使ったオブジェがあります。
反射という鏡の性質を上手に生かした展示で、訪れるたびに季節や天候ごとに作品お違った表情を楽しむことができます。
茶室 童子苑
美術館の西側の敷地に建つ茶室「童子苑」は、美術館の建物と同じく谷口吉生が手がけた建築です。
心癒される庭園の眺めを楽しみつつ、鑑賞した美術作品の記憶を噛み締めながらお茶をするのにぴったりのロケーションです。
11.佐川美術館
滋賀県
水庭の地下展示室と茶室に注目
1998年に滋賀県の琵琶湖を望む絶好のロケーションに建てられた佐川美術館。
平山郁夫(日本画)、佐藤忠良(彫刻)、樂吉左衞門(陶芸)の3人の日本人芸術家の作品を中心にコレクションしています。
豊かな水をたたえる湖のほか、比叡山や比良山も見える自然あふれる立地で、大きな平屋を思わせる佐川美術館の悠然たる建築は日本の古くからの景色と美しい調和を見せています。
グッドデザイン賞(施設部門)のほか、日本国内外の建築や照明の賞を受賞している建築美に、ぜひとも注目したい美術館です。
水庭の地下に広がる展示空間
佐川美術館の建築の中でも白眉といえるのが、樂吉左衞門(らく きちざえもん)の作品を展示する「樂吉左衞門館」です。水庭に埋設された地下展示室は、静けさの中で茶器などの作品の美しさをいっそう引き立ててくれます。
水庭に浮かぶ茶室
樂吉左衞門が自ら設計案に携わったことでも知られる茶室は、まるで水面に浮かんでいるように見える美しい建築です。
千利休も好んで使ったといわれる樂家の茶碗や茶道具の、伝統と斬新さの融合が、茶室にも体現されているようです。
茶室の見学は事前申し込み制なので、訪れる際には予約を忘れずに。
12.MIHO MUSEUM
滋賀県
山間の神殿のような美術館
日本の私立美術館の中でも有数の規模とダイナミックさを誇る、滋賀県のMIHO MUSEUM(ミホミュージアム)。
フランスのルーブル美術館のガラスのピラミッドなどで知られる世界の建築家、I. M. ペイが建築設計を担当しました。
山の中腹に建ち、周りの景観を損なわぬよう配慮し、建物全体の8割が地中に埋設されています。
コレクションはエジプトやギリシア、ローマや中近東から中国、日本までの古美術2,000点ほどで、その収集には数億円がかけられ、日本の私立美術館として最大級のものです。
休館日は毎週月曜のほか、夏季、冬季、春季にも数週間の休みがあるので訪れる前に確認を。
桃源郷をイメージした広大な敷地
自然と一体化したようなMIHO MUSEUMの建築は、桃源郷をイメージして作られました。
水と緑の豊かな日本の古来からの自然を抱き、自然に抱かれるような雄大な空気は、ゲートからエントランスまでののどかなアプローチロードを歩く中でも体感できるようになっています。
ガラスのエントランスホール
MIHO MUSEUMの建築の中でも、象徴的といえるのがガラスを多用したエントランスホールです。
ガラスを駆使し、光を効果的に操るのは建築家I. M. ペイの真骨頂。
中国・上海のフランス租界で英米系の教育を受け、同時に儒教・道教の伝統にも触れ、渡米後はマサチューセッツ工科大学などで建築を学び活躍した、アジア系アメリカ人としてのペイの人生の物語をも、建築から感じることができるかもしれません。
13.足立美術館
島根県
名画と庭園で、
心の散歩を楽しむ美術館
横山大観の日本画と美しい日本庭園で知られる、島根県の1970年オープンの足立美術館。
絵画の収集に並々ならぬ情熱を傾けた実業家・足立全康は、「庭園も一幅の絵画である」という理念のもと、訪れる人の心に残る庭づくりに努めました。
所蔵作品は「紅葉」など日本一といわれる横山大観のコレクションのほか、速水御舟や平山郁夫などの近現代の日本画、北王子魯山人の陶器など。
日四季の移り変わりとともに存在し続けてきた、日本の芸術と工芸の美を堪能できます。
日本庭園
美術館の建物の周りには、枯山水庭、苔庭、池庭、白砂青松庭など、この世のものとは思えないほど美しく広大な日本庭園が広がっています。
四季を通して花や紅葉、新緑、雪景色など、春夏秋冬それぞれの自然の美を足立美術館の庭園で体験することができます。
茶室「寿楽庵」
美術館の来館者限定で、茶室「寿楽庵」での茶席を楽しむことができます。
絵のような美しい庭園を五感で感じながらたてて飲む抹茶は、格別の味わいです。
茶室は座布団ではなく椅子の仕様なので、服装などを気にせず楽しめます。
14.豊島美術館
香川県 豊島
瀬戸内海を見下ろす丘で、
特別なアート体験を
SANAAの西沢立衛が設計を手がけた豊島美術館は、瀬戸内海に浮かぶ豊島の小高い丘に建つ美術館です。
地面に落ちた水滴のような不思議なドーム型の建物に一歩足を踏み入れると、今までにない斬新かつ心安らぐアート体験ができます。
展示されているのは現代アーティスト内田礼による「母型」という作品。
時間の経過とともに変化していくインスタレーション作品で、風や太陽光の入るつくりの豊島美術館と不可分な存在です。
写真にも映像にも完全には記録することのできないユニークなアート作品を、ぜひ体験してみては。
15.地中美術館
香川県 直島
アートのためだけに作られた地下建築
アートな島として知られる香川県の直島に2004年に開館した地中美術館は、安藤忠雄の設計です。
「自然と人間を考える場所」をテーマに、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアというたった3人のアーティストの作品を恒久展示する、なんとも贅沢なアート空間。
建築設計に際しては、建築家とアーティストが共に構想し、アイディアをぶつけ合ったことでも知られる、シンプルかつ大胆な建物です。
その結果として、それぞれの作品がもっとも生きる、まるで祭壇のようにおごそかな美術館が出来上がりました。
迷宮のような地下空間
建物のほとんどが地下に埋設されている構造でありながら、一部は自然光が差し込み、美しい陰影の中でアート作品を鑑賞できるようになっています。
地面の下であることを忘れさせるような広々としたつくりが特徴で、外界の雑音に遮られることなくアートの世界に没入できる、不思議な迷路のような空間です。
モネ「睡蓮」
地中美術館の訪れるべき理由の一つが、印象派の画家クロード・モネの絵画「睡蓮」です。
「睡蓮」はモネ晩年のシリーズ作品で、そのうち5点が地中美術館に展示されています。
モネの繊細な筆使いや色使いを、静謐な空間で、自然光のみという最高の環境で楽しむことができます。
国内最大のジェームズ・タレル作品を堪能
アメリカの現代アーティスト、ジェームズ・タレルの作品を、日本でもっともリラックスして体験できるのは地中美術館かもしれません。
タレルの光と色の世界は、見るというより感じるアート。
「オープンスカイ・ナイトプログラム」として、日没後の限られた時間にだけ鑑賞できる特別プログラムも用意されているので、事前予約を忘れずに。
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