2017/05/30

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神出鬼没のグラフィティアーティスト バンクシーとは?

Banksy バンクシーとは?

 

バンクシーは、壁にスプレーで絵を描くというゲリラ的なスタイルで作品を残し、スプレーグラフィティ文化をアートとして広めた神出鬼没のアーティスト。

 

● 制作している姿を人に見せない

● 人の前に一切姿を現さない

● 本名を知る人はごく少数の彼の友人のみ

● 社会風刺的な作品が多い

 

といった特徴から、普通のアーティストとは一線を画し世界中の注目を集めています。

 

彼の作品は個人住宅の壁や公共の場にある日突然出現するため、その所有権がはっきりとしない場合が多く、壁の持ち主が落書きと勘違いして決してしまったり、壁ごと盗み取られたりする事もあります。

 

 

作品のメッセージ性もさることながら、その設置場所や作品の行方、オークション、アート市場への皮肉など、彼の作品が引き起こすハプニングそのものが1つのドキュメンタリー的な要素を持って、世界に疑問を投げかけいるバンクシー。

 

今回は、そんなバンクシーが世に知られるようになった経緯と、今までに行った数々のハプニングについてご紹介します。

 

 

そもそもグラフィティアートとは?

 

 

グラフィティアートとは、スプレーやマーカーペン(フェルトペン)で、壁などに書かれた落書きのことです。

日本でもトンネルや電車、裏道などで特殊な形の文字をよく見かけますね。

 

 

● HOPHOPの4代要素

1.ラップ
2.DJ
3.ブレイクダンス
4.グラフィティ

 

の1つとして、1970年代のニューヨークを中心に始まったのがきっかけです。

 

しかし、もとは「落書き」

許可を得ていない場所では器物損壊罪、立派な犯罪です。
犯罪率が高く治安が悪い地域ほど落書きが多いのも確かです。

 

かつて世界犯罪都市だった80年代のNYでは、地下鉄の落書きの清掃を務めるなどし、その犯罪率を半減させました。「割れ窓倫理」というものです。

その一方で、国境付近や貧困地域といった規制の対象外の地域では落書きが後を絶たず、依然として落書きには負のイメージが付きまとっていました。

 

ニューヨークの地下鉄公団によってNYの地下鉄の車両やホームから落書きが消されると、犯罪は激減していった。

 

しかしその後、キース・へリングの活動によってグラフィティアートは、美術の世界にその存在を示します。

 

キース・へリングが注目されたのも、実はグラフィティアートがきっかけです。

1980年に、彼はニューヨークの地下鉄構内で使用されていない広告掲示板に黒い紙を張り、その上にチョークで絵を描く「サブウェイ・ドローイング」という活動を始め、電車を利用する常連客からの人気を集めました。

 

 

ニューヨークの地下鉄の広告掲示板にドローイングするキース・へリング

 

2000年代に入り、バンクシーがゲリラ的にグラフィティアート作品の発表を開始すると、やがてそれがオークションなどで高額で売買されるまでになりました。

 

しかし、グラフィティアートが美術的価値があるものとして認められた訳ではありません。

落書きとして消される事がなく、高額で取引されるのには「バンクシーの作品だから」という理由が大きくあります。

 

それでは一体、バンクシーの描くグラフィティアートは他のグラフィティアートと何が違うのでしょうか?

 

バンクシーのグラフィティアート

バンクシーの代表的なグラフィティアート作品と共に、彼の作品の魅力を追っていきましょう。

 

Napalm (2004-5) 

 

ピューリッツァー賞にも輝いたバンクシーの代表作。

タイトルの「Napalm(ナパーム)」はアメリカで開発された油脂焼夷弾のこと。

南ベトナム軍のナパーム弾を浴びて全裸で逃げ惑う少女を捉えた写真「ナパーム弾の少女」は、世界をベトナム反戦運動に駆り立て歴史を動かした1枚として有名です。

 

作品の中央には、その少女を配置しています。

マクドナルドとミッキーというアメリカの資本主義を代表するキャラクターにナパーム弾の少女が捉えられているように見える、戦争への盛大な皮肉が入った作品です。

 

 

Well Hung Lover(2006)

 

こちらも、バンクシーが有名になるきっかけとなったグラフィティアートです。

 

裸の男性が窓の外にぶら下がり、部屋の中の男は血眼で浮気相手を探す様子が描かれています。

当時のイギリスではグラフィティアートは景観を損なうとして消されるのが通常でしたが、そのユーモアと芸術的センスが認められ、近隣住民によってこの作品を残すべきかどうか投票が行われました。

 

結果、99%以上の住民の賛同を得て、この作品は残されることとなりました。

 

 

 

パレスチナのガザ地区に描かれた作品。

この地区にはパレスチナとイスラエルを分断する巨大な壁がそびえ立っています。

 

 

難民キャンプのテントで占められたカレー地区に、スティーブ・ジョブスの姿が突如現れる。

 

難民キャンプがあることで有名な、フランスの都市カレーに突如出現したバンクシーアート。

片手に初期のパソコンと、肩に大きな袋を下げたスティーブ・ジョブズが難民の一人のように描かれています。

 

「難民の入国を禁止すれば、未来のスティーブ・ジョブズの可能性を奪う可能性がある」というのが、この作品の投げかけるメッセージ。

すでにご存知の人もいるかもしれませんが、スティーブ・ジョブズ自身も実はシリア移民の息子なのです。

 

バンクシーは『The Independent』紙への声明で、この作品を描いた動機をこう述べています。

 

移民は国のリソースを枯渇させると考えられがちだが、ジョブズ氏はシリア移民の息子だった。

 

アップルは、世界で最も高い利益を上げている企業で、年70億ドル以上の税金を支払っている。

 

アップルが存在するのはひとえに、シリアの都市ホムス出身の若者を受け入れたからだ。

 

 

普段テレビのモニターから見ているものが果たして真実なのか?

日本でも、やらせや情報規制がかかった情報がそこらへんに転がっていますよね。

 

バンクシーが起こした数々のハプニング

 

美術館に作品をゲリラ展示

 

 

彼が世界で注目されるアーティストになったきっかけは、2005年に行われた作品のゲリラ展示です。

 

● MoMA
● メトロポリタン美術館
● アメリカ自然史博物館
● ブルックリン美術館
● 大英博物館
● ルーブル美術館

 

といった有名美術館に自らの作品を無断で設置するという斬新なアイデアでした。

 

MoMAに置かれた作品「Discount Soup Can」

 

メトロポリタン美術館に置かれた作品
「You Have Beautiful Eyes」

 

アメリカ自然史博物館に置かれた作品
「Withus Oragainstus」

 

ブルックリン美術館に置かれた作品
「Soldier with Spray Can」

 

大英博物館に置かれた作品「Wall art」

 

作品制作から美術館に作品を飾るまでの映像がこちら

バンクシーが作品を美術館に展示する様子が見えます。

 

メトロポリタン美術館の作品は1日のうちに発見されましたが、中には誰にも気づかれずそのまま放置される作品も…

 

そして、これらの作品は完成度の高さも認められ、なんと同博物館の正式なコレクションに追加されることに。

バンクシーはこれらのゲリラ作品を機に、街の片隅のグラフィティから完全に脱却し、アート市場で一気に注目されることになります。

 

 

バンクシー作品の価格が高騰

 

 

現在は離婚してしまいましたが、アンジェリーナジョリー、ブラッド・ピッド夫妻もバンクシーの作品を購入しています。

 

そのお値段は、なんと総額4,000万円

彼らは、この作品以外にも何点か購入しており、バンクシーファンとして有名です。

 

アンジェリーナジョリー、ブラッド・ピッド夫妻が購入したバンクシー作品はこちらの2点。

 

バンクシーのオリジナル作品が販売されている場所は、個展会場がメインになりますが、無断で作品が描かれた壁をまるごと切り抜いて、勝手にオークションにかけられる場合もあります。

 

 

バンクシーの絵が壁から削り取られています。

推定金額4.3億円にもなるそうです。

 

2007年2月に行われたサザビーズ主催のオークションで彼の作品6点は8500万円以上の値を付けました。

作品がどのような形であれ、バンクシー作品の市場価格が高いことが伺えます。

 

アート市場だけでなく、バンクシーが作品をゲリラ展示した場所には作品を見ようと、その街に多くの観光客が訪れるため、それが経済効果を生んでいます。

それまで取り締まり対象だった「落書き」を積極的に残す街が増えました。

 

それは同時に、バンクシーが作品で皮肉っていた資本社会に彼自身が飲み込まれてしまった瞬間でもありました。

 

 

「Art Sale」

 

しかし、そこで終わらないのがバンクシー。

この状況を逆に面白がり、逆手に利用した「Art Sale」という作品を発表しました。

 

 

NYの路上で自身の作品を、

1枚=60ドル(約6000円)

という破格で販売するというゲリラパフォーマンスを発表したのです。

 

動画に写っている人物は売り子としてバンクシーが雇ったおじさんです。

ここはセントラルパークの仮設エリアで、よく露店販売が行われている場所。

 

 

1日の購入者は数人で、売上金額は420ドル(約41,000円)程度でした。
もし、オークションで販売されて入れば総額1億円にはなっていたと言われています。

 

 

購入した人の何人が本物のバンクシーの作品と気づいたのでしょうか?

ほとんどの人が見向きもしなかったのもそのはずで、ニューヨークの路上では、彼の偽物がたくさん路上販売されています。

この作品からも彼の皮肉なユーモアセンスが伝わってきますね。

 

バンクシーは高所得者たちによって価格高騰が起きている現在のアート市場にも一石を投じたのです。

 

「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」

 

 

2013年10月1日、バンクシーはニューヨークで告知無しのゲリラ野外展示「Better Out Than In」をスタートさせました。

1ヶ月の間に毎日1点、ニューヨーク各地の路上に作品を残し、場所を明かさず公式サイトに投稿するというバンクシーの前代未聞のパフォーマンス。

人々はバンクシーの作品を求めてニューヨーク中を駆け回り、ニューヨークはまるでストリートとネット上の「宝探し競争」となりました。

 

突如NYの街に現れたトラック。中には食肉用に飼育される動物、ブタ、ウシ、ヒツジなどのぬいぐるみがひしめいている。

 

中には、ワールド・トレード・センターで起きた9.11アメリカ同時多発テロを彷彿とさせるストリートアートも。作品の前には、鑑賞者たちによって追悼を祈る花がたむけられました。

 

発見された場所からギャラリストによって無断で運び出される作品も。
この作品の行方が映画の見せ場となり、バンクシー作品の価値、果てはアート作品の価値やアート市場のあり方について疑問を投げかける。

 

1ヶ月間の作品ゲリラ展示の模様と、それに翻弄される人々の様子は「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」というドキュメンタリー映画になり、日本でも放映されました。

 

「Dismaland(ディズマランド)」

 

 

2015年8月には、ディストピア版ディズ●ーランド「Dismaland(ディズマランド)」をイギリスの観光地ウェストン・スーパー・メア海岸で1カ月期間限定でオープン。

 

企画者であるバンクシーだけでなく、

 ダミアン・ハースト
 ジェニー・ホルツァー
 ジェフ・ギレット

といった、世界50ヶ国以上の現代アーティストによる作品やパフォーマンスなどが展示されました。

 

来園者を出迎えるのはボロボロのシンデレラ城と歪んだアリエル。

 

ディズマランドの全景MAP

 

ディズマランドの語源となっている「dismal」は、英語で「陰鬱・暗い」といった意味を指します。

 

全くやる気のない従業員

 

シンデレラ城の中には横転した馬車が展示されており、シンデレラが半身を乗り出して死んでいます。

この作品はパリで亡くなったダイアナ妃の不慮の死を暗示していると言われています。

 

悲劇の様子を捉えようとカメラのフラッシュをたくパパラッチ。

 

色を失った殺風景な園内、笑顔も愛想も無い従業員。まさに悪夢の遊園地です。

しかし、たった5週間の開催で計15万人を動員する大成功を収めました。

 

 

 

「Walled Off Hotel」

 

 

2017年3月20日、バンクシーは、ベツレヘム(パレスチナ自治区内)地域に「The Walled Off Hotel」というホテルをオープンしました。

 

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の3つの宗教の聖地でもあるエルサレムから南へ約10kmの位置にあるゲストハウスを改装し、建物の至るところにバンクシーの作品が展示されています。

パレスチナ人アーティストのSami Musa(サミ・ムサ)やカナダ人アーティスト・Dominique Petrin(ドミニク・ペトリン)といった外部のアーティストたちも同プロジェクトへ参加、各部屋のデザインを担当しています。

 

ゲストルームの壁にもバンクシーのアートが

 

難民キャンプを彷彿とさせるドミトリールーム

 

パレスチナ分断壁のジオラマといったユニークなお土産も販売しています。

 

気になるホテルの宿泊料金は、

一泊30ドル〜

宿泊の予約は以下の公式サイトから可能です。

● Walled Off Hotel 公式サイト

 

 

バンクシーの最新情報はどこで入手する?

 

今後も目が離せないバンクシー。
バンクシーの最新情報を入手したい!という方も多いのではないでしょうか。

バンクシーの公式HPでは、最新作が順次公開されている他、バンクシー公式ツイッター、Instagramの更新からも目が離せません!

 

●バンクシー公式Twitter

 

● バンクシー公式Instagram

 

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● バンクシー公式HP

Banksy公式HP

 

 バンクシーについてもっと詳しく

 

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