藤田嗣治とは?レオナール・フジタの生涯と代表作品を分かりやすく解説!
藤田嗣治、あるいはレオナール・フジタという画家を皆さんはご存知ですか?
藤田はエコール・ド・パリを代表する画家として知られています。
猫や女性を多くモチーフに描き、その女性像は「乳白色の肌」と呼ばれフランスで大絶賛されました。
そんな輝かしい経歴の持ち主の藤田ですが、晩年は戦争に翻弄される人生を辿りました。
この記事では、藤田の生涯と代表作、戦争画について詳細に解説します。
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藤田嗣治とは
エコール・ド・パリの寵児と呼ばれた代表的画家
日本から単身パリへと渡った藤田は、エコール・ド・パリの始まったパリのモンパルナスに居を構え、制作を開始します。
キュビズムや素朴派、シュルレアリスム、抽象絵画などの前衛美術に触れ、藤田は日本画の技術を油彩画に取り入れた独自の画風を確立しました。
そして、エコール・ド・パリの寵児と呼ばれるほどの代表的な画家となります。
猫や女性をモチーフとした絵画で知られる

ソース
裸婦や猫を主題とした絵画で知られ、「乳白色の肌」は藤田の代名詞にもなっています。
「乳白色の肌」の秘密はついぞ明かされませんでしたが、近年その実態が明らかになりました。
藤田は、自ら開発した乳白色の下地をそのまま絵画に活かすことで、独特な肌の表現を生み出していたのです。
また、藤田は大変な猫好きで知られ、藤田の絵には度々猫が描かれています。
戦争記録画家や挿絵画家、エッセイストとしても活躍
藤田は前衛画家として活躍しただけでなく、他の分野でも才能を発揮しています。
第2次世界大戦下、日本に帰国した藤田は陸軍美術協会理事長に就任し、戦争画の制作を手掛けた戦争記録画家としても知られています。
また、藤田は挿画本作家としても、ジャン・コクトーら多くの大作家の著作に木版や銅版の版画を寄せています。
他にも、藤田は芸術に対する考え方、人生に対する取り組み方を書いたエッセイを多く書き残しており、没後に出版されています。
藤田嗣治の生涯
医者の家に生まれるも中学生の頃から絵の才能を発揮
藤田は、1886年に東京都牛込区(現在の新宿区)の裕福な医者の家の四人兄弟の末っ子として生まれました。
子供の頃から絵を描くことが好きで、次第に才能を発揮していきます。
1900年、14歳の時パリ万国博覧会に日本の中学生代表の一人に選ばれて水彩画を出展しています。
この頃から画家としてフランスへ留学したいと希望するようになります。
東京美術学校を卒業後パリへ
1905年に東京美術学校(現在の東京藝術大学美術学部)西洋画科に藤田は入学し、フランス留学から帰国した黒田清輝に師事します。
しかし、この当時の日本の西洋画壇は印象派が主流であったため、藤田の作風は不評で1910年の卒業成績は30人中16番でした。
1913年には、父の援助で単身パリに渡航します。
マティスやピカソと交流しながら前衛画家として活動
当時のパリはエコール・ド・パリの動きが始まったばかりで、藤田はその中心のモンパルナスに居を構えます。
そこでモディリアーニ、マティス、ピカソ等と交流を深め、自由奔放な前衛美術に触れ衝撃を受けました。
そして今まで日本の西洋画壇の概念であった印象派に準ずる作風を放棄することを決意します。
「恩師黒田清輝先生ゆずりの絵の具箱をたたきつけた」と自身の著書で語っています。
シェロン画廊での初の個展
パリで生活を始めてわずか1年後に第一次世界大戦が始まります。
日本からの仕送りは途絶え生活は藤田の生活は困窮しました。
1917年3月に藤田は女流画家の一人、フエルナンド・バレーと2度目の結婚をします。
藤田の才能を見抜いたバレーは藤田の絵を売り歩くようになり、少しずつ売れるようになりました。
1917年6月、パリのシェロン画廊での藤田の最初の個展が開催されました。
ピカソの友人で優れた評論家アンドレ・サルモンが長文の図録序文を書いたことで、個展は良い評価を受けました。
そこから藤田の絵は更に売れるようになります。
裸婦や猫を描き名声を高める
藤田は女性や猫を主題とした絵画を得意としました。
藤田を一躍エコール・ド・パリの寵児とした絵は、マン・レイの恋人だったモンパルナスのキキをモデルにした裸婦画です。
1922年にパリで開催された第14回サロン・ドートンヌに出品された「寝室の裸婦キキ」に描かれた裸婦の肌は、陶器のように透明感のある乳白色で、当時の画壇にセンセーションを巻き起こしました。
そしてフランスでは知らぬ者はいないほどの人気となり、1925年にはフランスからレジオン・ドヌール勲章、ベルギーからレオポルド勲章を贈られました。
第二次世界大戦中は戦争記録画家として活動
第二次世界大戦が始まった1940年に、藤田は日本に帰国しました。
日本で陸軍美術協会理事長に就任し、戦争画の制作を手掛けることとなります。
藤田は戦争記録画制作のため南方の戦地に派遣され、「哈爾哈(ハルハ)河畔之戦闘」(ノモンハン事件)や「アッツ島玉砕」などのリアリズム描写の作品を描いています。
高まる戦争責任から逃れるため日本を脱出
終戦後、陸軍美術協会理事長という立場で戦争記録画を描いたことから、藤田に対して戦争協力者として批判が高まりました。
戦争責任追及は文化界にも波及したため、藤田はGHQの民生官として東京に赴任したフランク・E・シャーマンの協力によりアメリカへのビザ発給を取り付け、1949年にアメリカに向けて出国しました。
藤田は「絵かきは絵に誠実に、絵だけを描いてほしい。仲間ゲンカをしないで下さい。一日も早く日本の画壇が、意識的にも、経済的にも国際水準に達することを祈る。」と言い残し、再び日本の土を踏むことはありませんでした。
フランスへ帰化し洗礼を受ける
1年程ニューヨークに滞在した後、5人目の妻君代夫人と1950年2月にパリに移ります。そして1955年にフランス国籍を取得し、日本国籍を抹消しました。
1957年、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章シュバリエ章が藤田に贈られました。
そして同年、藤田はランスのノートルダム大聖堂でカトリックの洗礼を受け、尊敬するレオナルド・ダ・ビンチにあやかりレオナール・フジタとなりました。
晩年
離婚歴のある藤田にカトリックの洗礼を受けることを許可したランスに感謝を示したい気持ちから、藤田は礼拝堂を奉献します。
藤田が建物だけでなく、壁画、ステンドグラス、彫刻、庭まで設計を手掛けた「平和の聖母礼拝堂」は1966年に完成。
「フジタ礼拝堂」とも呼ばれています。
1968年1月29日に藤田はスイスのチューリでガンのため死亡し、遺体はこの「フジタ礼拝堂」に埋葬されました。
藤田嗣治の作品の特徴
日本画の画法を取り入れた油彩画
藤田は日本画の技法を西洋の油彩画に取り入れた独自の画風を確立しました。
西洋画では使わない墨と筆という画材を使ったのです。
日本画の眉や鼻の輪郭など細部の線を描くのに使われる面相筆と墨で、裸婦の輪郭を描きました。
浮世絵を思わせる平面的な人物表現
藤田の絵画は、浮世絵を思わせる平面的な画面構成が特徴です。
油彩画でありながらも、西洋画特有の空間の奥行きやモチーフの立体感はなく、藤田の独特な画風で装飾的に描かれています。
透き通る人肌のような乳白色の下地
藤田の「乳白色の肌」が、浮世絵画家の晴信や歌麿の肌の表現から着想を得たことは有名です。
下地の紙の白さをそのまま肌の表現にする浮世絵の技法を参考にして、カンバス全体にシッカロールを混ぜ込むなどした乳白色を塗り、そこに面相筆で墨を使い輪郭線を描き、陰影をつけて透き通るような女性の肌を表現しました。
藤田嗣治の代表作品12選
自画像(1910)
東京美術学校西洋学科の卒業制作の課題で描いた油彩の自画像です。
生涯描き続けることとなる自画像の第1作です。
師の黒田清輝が嫌った黒を多用した挑発的な画風であったため、
黒田清輝は「悪い作品例」に挙げたことで知られています。
赤毛の女(1917)
パリで初期に描いた藤田の水彩画で、目黒区美術館に所蔵されています。
モディリアーニやピカソの影響が見られる画風となっています。
寝室の裸婦キキ(1922)
「ジュイ布のある裸婦」とも呼ばれる絵で、1922年のサロン・ドートンヌの出品し、藤田がパリで名声を得ることとなった「乳白色の裸婦」の代表作の1つです。
マン・レイの恋人だったモンパルナスのキキをモデルにした作品の1つで、パリ私立近代美術館の所蔵です。
タピスリーの裸婦(1923)
京都国立近代美術館所蔵の1923年制作の裸婦像。座っている猫は当時の藤田の飼い猫です。
裸婦像の最初期は背景を黒く塗りつぶしていましたが、1923年前後からは繊細なモチーフが描かれた布を背景として用いるようになります。
布は、藤田が実際に買い集めたアンティークの布だったそうです。
猫のいる自画像(1927頃)
藤田は自画像を多く描いています。
三重県立美術館に所蔵されるこの自画像は、トレードマークのおかっぱ頭と丸い眼鏡とちょび髭の藤田が面相筆を持ち、その藤田を猫が上目使いに見ている絵です。
藤田のこの特徴的なスタイルは、藤田が東洋人としてパリで認められるためのセルフブランディングであり、その後のアンディ・ウォーホルやサルバドール・ダリに先駆けて自分をアイコン化した芸術家でもありました。
鏡と少女(1935)
1935年作で、乳白色の肌に墨を使って面相筆で描く細い輪郭線の外側が薄い白いベールのようになっています。
このかすかなベールがよりその繊細な線を浮き上がらせて不思議な視覚効果を生み出しています。
争闘 猫(1940)
藤田は沢山の猫の絵を描いています。
この作品はその中で最も代表的なもので、1940年にパリで制作されました。
藤田の描く猫の多くは自分の飼い猫で、可愛らしく描かれていますが、この作品は14匹の猫が身を反らし、飛び上がり、転がって争っています。
この作品が描かれた1940年は第2次世界大戦の広がりを受けて、藤田がパリから日本に帰国した年です。
戦時下の藤田の心境を猫の闘争本能で表現したと考えられます。
この作品が第27回二科展に出品された時は、《争闘》とだけ題されていました。(東京国立近代美術館 所蔵)
アッツ島玉砕(1943)
陸軍美術協会理事長に就任した藤田が、陸海軍の依頼を受けて戦争記録画として描いた1943年の作品です。
9月の国民総力決戦美術展に出品されました。
アッツ島はアメリカ、アラスカ州のアリューシャン列島にあり、1943年5月に島にいた守備隊が全滅した事件を写真と想像力に基づいて描いた作品です。
藤田の群像表現の完成形となった作品といわれています。(東京国立近代美術館 所蔵)
血戦ガナルカナル(1944)
ガダルカナル島の戦いとは、第二次世界大戦において1942年8月以降、日本軍と連合軍がソロモン諸島のガダルカナル島を巡って繰り広げた戦いです。
藤田は、勝者と敗者との区別もつかないこの殺戮の場面を、歴史画家の眼差しで描いています。(東京国立近代美術館 所蔵)
カフェ(1949)
「カフェ」または「カフェにて」は、終戦後に日本を離れ、パリに向かう前に1年程過ごしたニューヨークで描かれました。
この絵はフランス国立近代美術館に寄贈され、現在はパリのポンピドゥー・センターに所蔵されています。
ニューヨークで描かれたものの背景はパリの街の風景で、藤田のパリへの思いが感じられる作品です。
乳白色の肌の描写も見られる作品で、藤田の戦後の代表作の1つです。
この「カフェ」には、幾つかのバージョンがあります。
違いは、背景の建物に書かれた文字「LA PETITE CLAIRE」と「LA PETITE MADELEINE」です。
「クレール」とは藤田の5人目の妻君代の洗礼名であり、「マドレーヌ」とは君代の前妻にあたる4人目の妻の名前です。
そしてもう1つは、1949年 – 1963年作と言われる作品で、ニトリホールディングスが運営する小樽芸術村の似鳥美術館に所蔵されています。
私の夢(1947)
1947年5月の新憲法実施ならびに東京都美術館20周年記念現代美術展覧会に出品された作品で、新潟県立近代美術館に所蔵されています。
戦後初めての出品作で、戦争画から一転して裸婦を描いています。
漆黒の闇のなかで、夢見る表情をたたえて横たわる裸婦のまわりを、イヌ、ネコ、サル、ネズミなどの擬人化された動物たちが取り囲んでいます。
パリでの生活を夢見て描かれた絵と言われています。
キリスト降架(1959)
パリに戻った晩年の藤田は、裸婦や猫をあまり描かなくなり宗教画を描くようになります。
特に1959年にカトリックの洗礼を受けると、熱心にキリスト教をテーマとした作品を描くようになりました。
この作品は1960年のポール・ペトリデス画廊での個展に出品後、翌年イタリアのトリエステで開かれた第1回「国際宗教美術展」で展示され、金賞を受賞しました。
1991年に君代夫人よりパリ市立近代美術館に寄贈されました。
イブ(1960)
旧約聖書の創世記に登場するイヴをテーマにした純粋で透明感に溢れる作品です。
理想的な女性美を表したと言われています。
広島にあるウッドワン美術館に所蔵されています。
礼拝(1962~1963)
画面中央に二人の天使によって冠を授けられる聖母マリアが、その左右に跪いた修道士(修道女)の服装に身を包んだ藤田夫妻を祝福している絵です。
猫を抱く少女(1962)
猫を抱く少女の姿は、藤田が生涯にわたって描いたモチーフのひとつです。
晩年の1962年に描かれたもので、藤田が主に宗教画を描いていた頃のものです。
この作品で藤田は、明るい光で少女を照らし出し、背景のマントルピースやアーチ状に映る光と影を祭壇に見立てることによって、絵画を神聖なものにしています。
藤田嗣治の作品を観ることができる美術館
東京国立近代美術館 (MOMAT)
東京国立近代美術館には、藤田の油彩7点、水彩・素描3点、戦争画14点、挿絵本3点が所蔵されています。
その所蔵作品には、「自画像(1929)」、「五人の裸婦」、「争闘(猫)」「ラ・フォンテーヌ頌」を始め、「哈爾哈河畔之戦闘」、「アッツ島玉砕」、「サイパン島同胞臣節を全うす」など戦争画の14点が含まれています。
東京国立近代美術館
開館時間:火曜~木曜、日曜 10:00~17:00/金曜、土曜 10:00~20:00
休館日:月曜日(祝休日は開館し翌平日休館)
入館料:一般500円/大高生250円
ポーラ美術館
君代夫人が所有していた作品の大半は、ポーラ美術館とランス美術館に寄贈されました。
現在ポーラ美術館は、計215点(油彩画168点、水彩画類28点、挿絵本17点、版画集1点、立体物1点)の日本最大級のフジタ・コレクションを誇っています。
2019~20年度に、「乳白色の肌」の手法による2点の油彩画「坐る女」「イヴォンヌ・ド・ブレモン・ダルスの肖像」、 連作「小さな職人たち」の1点「猫のペンション」、2021年には最初期の裸婦像「ベッドの上の裸婦と犬」を新たにコレクションに加えています。
ポーラ美術館
開館時間:午前9時~午後5時
休館日:展示準備期間(サイト参照)
入館料:一般1800円/大高生1300円
まとめ
藤田はパリで成功を収めた後、エコール・ド・パリの寵児、「世界のフジタ」として活躍したにも関わらず、存命中には日本ではあまり認められていませんでした。
戦争に翻弄され、からがらフランスへと渡った藤田は、二度と日本の土を踏むことはありませんでした。
藤田は渡仏後、「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」とよく語っていたと言われています。
2018年に没後50年を迎えたのを機に、過去最大級の回顧展「没後50年 藤田嗣治展」が東京都美術館と京都国立近代美術館で開催されたことで、藤田の作品の見直しが進んでいます。
この記事をきっかけに、皆さんも藤田の作品や生涯を振り返ってみてはいかがでしょうか。
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