ピカソポーラ美術館展覧会箱根青の時代
ART

ポーラ美術館「ピカソ 青の時代を超えて」展、9月17日から開催

ポーラ美術館 ピカソ 青の時代

20世紀を代表する芸術家、パブロ・ピカソ(1881-1973)。

ピカソは20代の頃、悲しみを抱えた貧しい人々をモチーフとして、青い絵具を使用した絵画シリーズ「青の時代」を制作していました。

2022年9月、国内屈指のピカソ・コレクションを持つポーラ美術館ひろしま美術館で、「青の時代」の作品を中心に、ピカソの画業を見つめなおす共同企画展が開催されます。

両館が欧米の美術館の協力を得て深めてきた作品研究を基に、ピカソの制作プロセスに主眼を置いた展示構成となっています。

 

絶えず強い制作意欲を持ち続けてきたピカソの91年の芸術家人生に迫る本展。

会期は 2022年9月17日~2023年1月15日 です。

 

あなたの部屋に合うアートは?
「アート診断」

Q1.希望の価格帯は?

Q2.気になるジャンル・モチーフは?

国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
23件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
30件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
34件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
55件見つかりました!
診断をやり直す

「青の時代」を軸に、ピカソの画業を見つめなおす展示構成

本展は、ピカソが自身の芸術を初めて確立した「青の時代」の絵画を 、単なる初期作品としてではなく、ピカソの原点として捉え、厳選された名作約70点を通して、ピカソの画業に迫るものです。

 

スペイン・アンダルシア地方、マラガに生まれたピカソは、幼少期から絵の才能を発揮していました。

近代化が進んだバルセロナで10代を過ごしたピカソ。彼が15歳頃に制作した自画像には、当時パリで活躍していた印象派の画家たちの影響も伺えます。

1901年以降、青年になり気鋭の画家として頭角を現していた彼は、青を主調色とした深い精神性を纏う重厚な絵画シリーズ「青の時代」の制作を開始します。

 

青の時代(1901-1904年)

ピカソが20歳から23歳の頃に、青を主調色に生と死や貧困をテーマに制作した時代。

バルセロナとパリを往復しながら生活していたピカソは、 親友カサジェマスの自殺を経て、精神的な苦悩に向き合いっていました。

自身も生活に困窮しており、この時代に制作された絵画の多くは 、 同じカンヴァスに何度も描き直しがなされています。

ポーラ美術館とひろしま美術館は、ともに「青の時代」の最重要作である「海辺の母子像」(1902)と「酒場の二人の女」(1902)を各館の代表作として収蔵しています。

 

1904年以降はパリに拠点を移し、ジョルジュ・ブラックとともに幾何学的に対象を分析して再構成する「キュビスム」を発明。

前衛芸術を先導する芸術家として、絵画だけでなく、彫刻、版画、舞台装飾など幅広いジャンルで創作活動を行い、1937年には代表作となる大壁画「ゲルニカ」を発表しました。

第二次世界大戦後、南フランスに移住したピカソは陶芸にも着手し、制作活動を続けます。

晩年には自己の内面をみつめ、再び「青の時代」のような「生と死」のテーマに立ち返り、魂の表出というべき作品群を残しました。

 

最新のピカソ研究

ピカソの「青の時代」の作品は、制作当初ほとんど売れることがなく、完成作品の上からさらに別の絵を描き、キャンバスを再利用していました。

科学調査技術の進歩によって、この時期の多くの絵画の下層には、異なる構図の絵画が隠されていることが発見されており、肉眼では捉えられなかった制作の過程を可視化できるようになりました。

 

「海辺の母子像」ポーラ美術館蔵

青の時代 ピカソ
ソース

ポーラ美術館はこれまで、東京文化財研究所、スペインのバルセロナ・ピカソ美術館、カナダのアート・ギャラリー・オブ・オンタリオ、アメリカのフィリップス・コレクション、ワシントン・ナショナル・ギャラリーなどの協力を得て、当館のコレクションである「海辺の母子像」の作品研究を進めてきました。

 

「海辺の母子像」の作品表面には、パリの日刊紙 「ル・ジュルナル」(1902年1月18日付)の紙面の文字が発見され、このことから、ピカソが本作品をパリで制作し 、絵具が乾ききらないうちに新聞紙で表面を覆い、バルセロナに持ち帰っていたことが分かりました。

 

「鼻眼鏡をかけたサバルテスの肖像」バルセロナ・ピカソ美術館蔵

バルセロナ・ピカソ美術館とワシントン・ナショナル・ギャラリーとの共同研究により、「鼻眼鏡をかけたサバルテスの肖像」の表面にも、同じ日付の新聞紙の文字が残されていることが判明。

この2点の絵画は、同じ足取りを辿っていることが分かりました。

 

本展は、近年のピカソ作品研究の成果をもとに「青の時代」の絵画に隠された制作プロセスとテーマの変容に迫る内容となっています。

 

ポーラ美術館 ピカソ 青の時代

若きピカソが「生と死」や「貧困」と向き合い、苦悩の中で制作した「青の時代」の絵画は、人々の心を捉え続けています。

「青の時代」の傑作と最新の研究成果を通し、若きピカソの葛藤に迫る本展。是非お見逃しなく。

 

ポーラ開館20周年記念展「ピカソ 青の時代を超えて」

会期:
2022年9月17日~2023年1月15日

会場:
ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)

開館時間:
9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)

休館日:
会期中無休 

料金:

一般

1800円

65歳以上

1600円

大学生・高校生 1300円
中学生以下

無料

※9月17日~9月30日は24歳以下無料招待

ひろしま美術館
会期:2023年2月4日~5月28日

公式HP:
https://www.polamuseum.or.jp/sp/picasso2022/

 

 

関連記事

おすすめ展覧会【2021年冬】「メトロポリタン美術館展」などおすすめの展示をご紹介

2021年も残すところ1ヶ月を切りました。寒い冬は美術館の中でゆっくり鑑賞を楽んでみてはいかがでしょうか。 今回は、この冬オススメの展覧会をthisismedia編集部がピックアップ。 西洋絵画から現代アート、日本美術など幅広いジャ

ピエール・ボナールとは?ナビ派の画家が描いた絵画とその生涯を詳しく解説

ピエール・ボナールは19世紀末から20世紀前半にかけて活動した、ナビ派のフランス人画家です。 色彩表現が豊かな画風が特徴のボナールは「色彩の魔術師」と呼ばれ、室内など生活に身近な題材を数多く描いたことから、アンティミスト(親密派)とも

「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築 」東京シティビューで開催、3/17〜

ロンドンを拠点として、世界各地で革新的な建築プロジェクトを手がけるデザイン集団、ヘザウィック・スタジオ(Heatherwick Studio)。 この春、六本木ヒルズ森タワーの東京シティビューでは、ヘザウィック・スタジオがこれまで

「ロココ美術」とは?有名な画家と代表作品を分かりやすく解説

「ロココ美術」とは? ピンクや小花模様などを効果的に使って描かれた美しい女性たちが印象的なロココ美術。当時の世相を反映した、美術の歴史の流れの中で最も優美で華のある時代といってもいいでしょう。 ロココ美術は1700年代、豪奢を極

「静嘉堂文庫美術館」が丸の内に移転オープン!国宝7点を含む名品を公開

創設130周年を迎えた静嘉堂美術館。 2022年10月1日、同館は展示スペースを世田谷岡本から、丸の内の重要文化財建築、明治生命館の1階に移転し、「静嘉堂@丸の内」という愛称とともに新たなスタートを切りました。 三菱

TOP