「バスキア×ウォーホル Painting 4 Hands 」フォンダシオン ルイ・ヴィトン・パリにて開催、4/5〜
パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンで「バスキア×ウォーホル Painting 4 Hands」が開催されます。
1980年代のアメリカを代表するアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアとアンディ・ウォーホルは親しい友人関係を築いており、共同で作品制作も行っていました。
本展では、そんな2人の貴重なコラボレーション作品の数々が公開されます。
会期は 2023年4月5日〜8月28日 です。
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約160点の絵画を共同制作したウォーホルとバスキア
ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホル(1928-1987)と早逝の天才アーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)。
アメリカの芸術界を代表するアーティストの2人は、1984〜1985年のわずか1年間に熱い友情関係を結び、約160点もの絵画を共同制作しています。
2人のコラボレーションはお互いの制作スタイルと視点が対照的であることを最もよく示しながらも、お互いに影響を与え合い、新たな表現方法を広げていきました。
バスキアは、ウォーホルを芸術界の重要人物であり、新しい言語とポップカルチャーを築き上げた開拓者として賞賛しており、ウォーホルの代名詞とも言える「スクリーンプリント」を使った作品制作を試みました。
対してウォーホルはバスキアの中に絵画への新たな可能性を見出し、フリーハンドで非常に大きなスケールのペインティングを描きはじめます。
当時、2人の関係性は多くの批評家に誤解されながらも、共同制作によって生み出された作品に、多くの人々が熱狂しました。
1987年にウォーホルが急死すると、そのわずか一年後にバスキアも27歳の若さでこの世を去っています。
彼らの友情と共同制作を間近に見ていたキース・ヘリング(1958-1990)は、「言葉の代わりに絵画を通して起こる会話」「二つの心が融合し、”第三の個性的でユニークな心” が生まれる」という言葉を残しています。
「バスキア×ウォーホル Painting 4 Hands 」@フォンダシオン・ルイ・ヴィトン
2023年4月5日から、パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンで開催される「バスキア×ウォーホル Painting 4 Hands 」展。
バスキア研究の世界的権威でもある美術史家・キュレーターのディーター・ブッフハート(Dieter Buchhart)とアンナ・カリーナ・ホフバウアー(Anna Karina Hofbauer)、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンのキュレーター、オリヴィエ・ミケロン(Olivier Michelon)の協力により、バスキアとウォーホルが共同制作した100点以上の絵画が一堂に展示される、過去最大規模の展覧会です。
ウォーホルとバスキア2人の作品に加え、キース・ヘリング、ジェニー・ホルツァー、ケニー・シャーフなど、同時代を生きたアーティストたちの作品も展示し、1980年代ニューヨーク・ダウンタウンのアートシーンの雰囲気やエネルギーを感じることができます。
また1985年に開催された「ジャン=ミシェル・バスキアとアンディ・ウォーホル展」のポスター用に撮影された、写真家 マイケル・ハルスバンドによる「ボクシング グローブ」シリーズの写真も展示されます。
フォンダシオン・ルイ・ヴィトンは、2018年にも「ジャン=ミシェル・バスキア」展を開催し、推定70万人の来場者を記録する大成功を収めています。
初期のコラボレーション作品など、ウォーホルとバスキアの代表的な作品を紹介
会場内には、ウォーホルによるバスキアのポートレート、バスキアによるウォーホルのポートレートのシリーズ、そして、初期のコラボレーション作品など、ウォーホルとバスキアが共同制作した代表的な作品が展示されます。
最初の共同作品は、アートディーラーのブルーノ・ビショフベルガー(Bruno Bischofberger)の誘いをきっかけに、ウォーホルとバスキア、フランチェスコ・クレメンテ(Francesco Clemente)3人のコラボレーションとして開始しました。
当初は同じ部屋で一緒に絵を描くスタイルではなく、完成したキャンバスの一部をお互いに郵送するという方法で行っており、バスキアとウォーホルはクレメンテとともに15点の作品を完成させています。
やがてウォーホルとバスキアは親しい友人となり、2人で共同制作を行うようになります。
100点以上の絵画を一緒に制作し、ほぼ毎日、意欲的に共同制作を行いました。
2人が行った制作方法としては、ウォーホルがまず、ポップアートのシンボルやニュースの見出しをプロジェクターでキャンバスにトレースし、バスキアが新表現主義のスタイルでシンボルや絵、言葉をキャンバスに描き加えていくスタイルが多かったようです。
さらには本・雑誌・新聞・テレビ・広告など、さまざまな資料からイメージを流用し、表現方法を広げていきました。
2人の重要なテーマを表す作品群にも注目
本展で紹介される作品の中でも特に重要と言われているのは、ウォーホルが描いていたアメリカの工業製品などのアイコンに、バスキアのアフリカ系アメリカ人のコミュニティーを組み込ませた作品群です。
作品「Arm And Hammer II」では、アメリカの重曹のブランド「アーム&ハンマー」のロゴ、「Keep Frozen (General Electric)」ではアメリカの総合電機メーカー「ゼネラル・エレクトリック」のロゴを配置するというウォーホルのポップアート表現に、バスキアのダイナミックで絵画的なドローイングが加わり、作品に勢いと華やかさをもたらしています。
他にも、新聞、ゼネラル・エレクトリック、パラマウント、オリンピックのロゴを題材に一連の作品を制作しています。
コラボレーションについて、2人のコメントが残っています。
アンディは1つの絵を描き始めると、そこに何かとてもわかりやすいもの、あるいは商品のロゴを描いて、僕はそれを汚したりするんだ。
それから、アンディにもっと描かせようと思って、少なくとも2つのことをさせようとしたんだ
────ジャン=ミシェル・バスキア
私はまず絵を描いて、それからジャン=ミッシェルのように絵を描きました。
誰がどの部分を描いたかわからないような絵の方がいいと思いました。
────アンディ・ウォーホル
ウォーホルのポップアートの手法とバスキアの衝動的で予測不可能なアプローチを組み合わせたコラボレーション作品からは、2人絶え間ない交流のエネルギーと力強さを感じ取ることができます。
これからパリを訪れる方や、お近くにお住まいの方はぜひ足を運んでみてください。
バスキア×ウォーホル Painting 4 Hands
会期:2023年4月5日(水)〜8月28日(月)
会場:フォンダシオン・ルイ・ヴィトン
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