NYアート投資オークションクリムトサザビーズ美術投資
ART

日本人コレクターがクリムトの風景画「Insel im Attersee」を約73億円で落札

2023年5月16日、サザビーズ・ニューヨークで行われたモダン・イヴニング・オークションにて、グスタフ・クリムトの風景画「Insel im Attersee」が、日本人の個人コレクターによって落札されました。

落札価格は予想価格4,500万ドルを遥かに上回る5,320万ドル(日本円で約73億円)となっています。

 

同日行われたオークションでは、アメリカ音楽界の伝説的プロデューサー、故モー・オースティンのコレクションから作品15点が落札。

ヴィルヘルム・ハンマースホイ、イサム・ノグチの作品がそれぞれ作家の過去最高額を更新し、一晩のセールでサザビーズ史上3番目に高い、合計4億2,680万ドル(約584億円)の売上額を記録する大盛況となりました。

 

あなたの部屋に合うアートは?
「アート診断」

Q1.希望の価格帯は?

Q2.気になるジャンル・モチーフは?

国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
23件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
30件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
34件見つかりました!
診断をやり直す
国内最大のアートギャラリーで
あなたにおすすめの作品が
55件見つかりました!
診断をやり直す

音楽プロデューサー、故モー・オースティンのコレクション15点が落札

2023年5月16日、ニューヨークのサザビーズで開催されたオークションでは、一晩のセールでサザビーズ史上3番目に高い、総額4億2,680万ドル(約584億円)の売上を達成。

その4分の1以上を占めたのは、ワーナー・ブラザーズのレコード会社役員であったアメリカ音楽業界の伝説的音楽プロデューサー、故モー・オースティンのコレクション計15点の落札によるもので、トータルで1億2,370万ドル(日本円で約31兆9,105億9,647万円)を売り上げました。

 

この日の目玉商品は、1979年からオースティンが所蔵していたルネ・マグリットの「L’empire des lumières」(1951)。

昼と夜が同時に存在するように見えるこの作品は、落札予想額4,230万ドルを3,500万ドルも上回る7,730万ドル(日本円で約104億2,340万9,790円)で落札され、マグリット作品で過去2番目に高い落札額を記録しました。

 

オースティンのコレクションからは、他にもセシリー・ブラウンやジャン=ミシェル・バスキア、ジョアン・ミッチェルの作品などが出品。

バスキアのキャンバス作品「Moon View(1984)」も、予想額を上回る1,080万ドル(日本円で約14億4,985万円)で落札されています。

 

日本人コレクターが、クリムトの風景画「Insel im Attersee」を約73億円で落札

セールの第2部では、モダン・イヴニング・オークションと題し、20世紀に活躍した作家の作品40点が出品されました。

ここで最も高額で落札されたのが、グスタフ・クリムトの風景画「Insel im Attersee」(1901-1902)。

この作品は7分間の入札合戦の末、予想額4,500万ドルを遥かに上回る、5,320万ドル(約73億円)で日本の個人コレクターによって落札されました。

 

本作は、1940年にアメリカの美術史家でギャラリストのオットー・カリールが所有していたもので、彼が主催する展覧会「Saved from Europe」に展示されたことが、クリムトをはじめとするオーストリア表現主義がアメリカで一躍脚光を浴びるきっかけとなった、記念的な作品でもあります。

風景画のモデルとなっているのはオーストリアのアッター湖で、水平線が高い位置に描かれており、大胆な構図が特徴となっています。

 

ハマスホイ、イサム・ノグチの作品が新記録を更新

同日のオークションでは、20世紀デンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイが910万ドル(約12億4,500万円)で、イサム・ノグチの作品が1,230万ドル(約16億8,200万円)でそれぞれ落札され、各作家の過去最高額を更新しました。

 

オークションでは絵画が最も高額で取引される傾向がありますが、イサム・ノグチの彫刻「家族」は6分間の入札合戦の末、1,200万ドルで落札され、会場に拍手が起こりました。

この彫刻作品は60年前に制作されて以来、今回が初めての出品となります。

 

売上の3分の1はアジアのコレクターによる落札

同日のセールでは、パブロ・ピカソ、フィンセント・ファン・ゴッホ、アルベルト・ジャコメッティなどの巨匠作品も多数出品されました。

ピカソ作品はこの日6点も出品・落札され、総売上は5,240万ドル(日本円で約72億3,000万円)にのぼります。

ゴッホの風景画「Jardin devant le Mas Debray(1887)」は2,330万ドル(日本円で約31億8,700万円)で、アジアのコレクターによって落札されました。

その他の高額落札商品は以下の通り。

 

アルベルト・ジャコメッティ「レオニの女」
2,850万ドル(日本円で約39億3,200万円)

 

ピーター・ポール・ルーベンス「マルス神としての男(1620)」
2620万ドル(日本円で約35億8,400万円)

 

ポール・ゴーギャン「牡丹とマンドリンのある静物」
2,300万ドル(日本円で約31億7,310万円)

 

サザビーズの報告によると、同日のオークション総売上は3億310万ドル(日本円で約415億円)と過去3番目の記録となり、その3分の1以上をアジアのコレクターが占めているとのこと。

今回のオークション結果は、アジアのアート市場が引き続き好調であることを示しました。

 

 

関連記事

【2022年】日本で開催される芸術祭・アートイベント7選|あいち2022、瀬戸内国際芸術祭など

2022年、今年は日本各地で芸術祭が開催されます。 今年初開催の芸術祭も含め、今年注目の芸術祭をご紹介します。 最新の開催情報については、各芸術祭の公式ウェブサイトをご参照ください。   マツモト建築芸術祭

「バロック美術」とは?有名な画家と代表作品を分かりやすく解説

「バロック美術」とは? バロック美術は1600年代〜1700年代初頭までの間に発展した美術様式です。 「バロック」とは「ゆがんだ真珠」を意味し、もともとはそれまでヨーロッパで高まった「ルネサンス様式」から派生したものとして、批判

美術館での鑑賞マナーって?知っておきたいマナーを分かりやすく解説

  あなたはどんな時、 美術館に足を運びますか? 美術館に行く動機やモチベーションは人それぞれ。たくさんの人がそれぞれの動機で作品を見にやってきます。 年齢、性別、国籍、職業も違いますし、人数も個人、カップル、団体など

「写実主義」とは?有名な画家と代表作品を分かりやすく解説

写実主義とは? 写実主義とは、19世紀中頃フランスを中心に文学や美術の分野で盛んになった芸術様式を指します。 それまでの新古典主義・ロマン主義への反動として、「現実をあるがままに再現しよう」という画家たちによって広がっていきまし

日本の有名な現代アーティスト36選!村上隆・草間彌生など日本を代表する作家をご紹介

  現代アートと聞くと、「なんだか難しそう...」「見ても分からない」と言った感想を持たれる方も多いのではないでしょうか?   現代アートは欧米の美術史の文脈に沿って、今私たちが生きている時代を反映した美術作品

TOP